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「病気になったあなたの方が好き」と友人に言われた女性患者さん ~病気になることの意味とは?~



はじめに 病気についての名言?迷言?


健全なる精神は健全なる身体に宿る。(エヴェナリス 「諷刺詩」)

健康な身体は魂の客間であり、病身は監獄である。(フランシス・べーコン 「学問の進歩」)

などは、身体と病身についての

「名言」

と言われ巷間に広がっていると思われますが・・・

これまで治療家として深く患者さんと関わってきた経験からいわせれば

「迷言・世迷言(よまいごと)」

としか思えません


この名言とやらが、間違っていることはあなたにもすぐにわかります

「健康な体を持った嫌な奴」
「頑強な体を持った精神が腐った奴」
(あえて奴と表現したのはわかりやすくしたかったからで、明初庵は人間を奴呼ばわりはしておりませんです。あしからず(笑))

があなたのこれまでの人生に何人か登場したことはありませんか?(笑)

いますよね?

だから

「健全な肉体を持っていないと、精神は健全ではありえないのだぁ!」

なんてスパルタ的な発想は

なんだかおかしなはなしだなぁ

と思うのです

*なお「心根が健全でない人がいつまでも健康な体を持ち続ける」ことは実は難しいものです。蛇足ながら

治療家は「変化」を好みます。「心身ともに」です。

少し話の視点を変えさせていただきますが

「治療家」というものは「変化」を好みます

「前はあんなに困っていた腰痛が、最近はすっかり楽になってきましたぁ~」

という「変化」は当然大好物です(笑)
「その変化を作るために、この仕事を志したんです!」
という治療家も多いと思います

一方でこんなお言葉も好みます

「こんなに自分の体と向き合ったことはありませんでした」

これは働き盛りの方に多いなと思います

いくら、自分の体が悲鳴を上げていても
目の前にある
「やらなきゃいかんことリスト」
をこなすうちに早(はや)深夜

という生活を送られてきた方は
「自分自身の身体と向き合うこともできずにいたんだなぁ」
「本当にお疲れ様です」
と心から思いながら治療させていただいております

これは一例ですが

治療を通して
何か患者さんの

「お考え」

「認識」

のようなものが
優しい方向へ変化されるのを感じられるとき
治療家として
幸福を感じます


先ほどの
「ご自分の体と向き合うことができるようになった方」
の治療の変化についてご紹介しますね

60歳代の男性の方で定年退職後の方が忙しいという珍しい方でした
最初は腰痛の相談でしたが、
足も膝も股関節も
肩も首も痛みがあり

消化器系にも問題あり
耳鳴りもひどく

「ついでに毛根も抜けちゃって」
と言いながら笑われる快活な方です

自分の体の状態を感じることができたことで

自分自身を叱咤激励するだけでなく
自分自身をいたわることができるようになった

そんな変化を感じることができました

お体のメンテナンスを指導しても
以前は「えい!えい!」と
体の中にある「悪い者」をやっつけるかのように行うために

「あ~もっと優しく。もっと緩やかに」
と言いながら修正しておりましたが

ご自身の体をいたわる「感覚」を身につけられてからは
大変上手にメンテナンスを行うようになられました(強すぎず、弱すぎず)

心の変化
認識の変化は

メンテナンス方法の変化などの行動にも表れ
(たぶん、日常の動作も変化していたはずです)

より、お体の状態はよりよいものになっていかれました

(当初は月に2回。頻繁にLINEでコミュニケーションをとりながら治療をしておりましたが、
現在は月に1回。メンテナンスもご自身で工夫されるところまでいかれました。)

こんな変化を
明初庵は本当に
喜びながら
治療をさせていただいております


ある女性患者さん

この女性患者について動画でかつて話しておりました。あなたのご理解の一助になれば幸いです


治療をしていても
すぐにお体に改善が訪れるわけにはいかない
そんな重症な女性患者さんがおりました

すぐに改善が訪れない理由は
原因が整形外科とは異なる疾患だからです
(明初庵は、一般的な痛みの方だけでなく、胃腸や肝臓・腎臓の改善や、癌による症状の緩和なども対象としております)

手で触れられるお体の状態を改善しつつ
食事や睡眠、調子が良ければ運動の方法など
1つ1つ相談しながら
お体の根本からの改善を図っていました

この方には
認識の傾向
のがあります

どうしても食欲がわかず食事を抜くことがあった時
「こんなことではダメですよね。なんとか頑張ってパン1枚食べました」

調子が良かったので屋外を散歩された時
「昔は8000歩は歩いていました。でも7000歩しか歩けませんでした。ダメですよね。しかも足が痛くなっちゃうし。こんなこと昔は無かった・・・」

という感じです

お体のバランスを整え
心も体もリラックスされたと思われた時に

食事を抜く ⇒ 自分の消化器や内臓を休ませてあげることができた

昔に比べて歩けなくなった ⇒ 外に歩けるようになっただけでもスゴイ!

7000歩しか ⇒ はっきり言って急に歩きすぎ(笑)でもスゴイ!

足が痛くなっちゃうし ⇒ 足が痛くなるくらい頑張れるのってスゴイ!運
動して生じた痛みは治療しやすいから安心して

という感じで、少しずつ少しずつ
ご自身がされたことを
ご自分で否定しないような
お声かけをしてきました
(実際、私はそう思っています。彼女は本質的に間違ったことをしてはいません)

それからだいぶたち

その方が東京のご友人に会いに行けるくらい
回復された時のことです

久しぶりの恵比寿で

美味しい夕食をご友人と楽しまれたそうです

その時、ふっと
そのご友人の方に言われたのだそうです

「病気になったあなたに
こんなことを言うのは
不謹慎だって思うんだけど

でも、本当に思うから言っちゃうんだけど

病気なったあなたの方が好きよ」


内面の変化はいかにして訪れたのか?

この女性の内面の変化を
私が形成したなんて全く思ってはおりません

きっかけにはなったかもしれませんが

この賢い女性は、
ご自分の病気を通して
いろいろなことを
感じ
考え
悩み
考察
してきたのだと思うのです

そんな内面の変化を
明初庵は解説することはできません

ただ、現在の明初庵が好む
病気に関する名言を3つご紹介します

彼女の内面に生じた変化を
私たちが想像する
助けにはなると思うからです

カール・ヒルティ(スイスの法学者、哲学者、政治家)

河の氾濫が土を掘って田畑を耕すように、
病気はすべて人の心を掘って耕してくれる。
病気を正しく理解してこれに耐える人は、
より深く、
より強く、
より大きくなる。


マルセル・プルースト(フランスの小説家)

病人というものは、
正常な人よりも
己れの魂により近く迫るものだ。


樹木希林(大好き)

病を悪、
健康を善
とするだけなら、
こんなつまらない人生はないわよ。


治療家が果たすべき役割

「病気になったのは本人に問題がある。」
と当然のように話すリハビリスタッフをたくさん見てきました
経験も地位もあるスタッフにこそ多い傾向だと思います

たしかにそうかもしれません

リハビリが患者さんに関われる時間は
他の医療専門職に比べれば
たくさんあるとはいえ

それでも数か月が限界です

明初庵が今活動の中心に据えている
介護保険の世界であれば
年単位のお付き合い
でも、1回のかかわりはわずかであることが
現実です(リハビリ時間は実質15分あれば良い方)

治療家明初庵であれば

お客様が拒否しない限り

長時間
長期間
関わらさせていただくことが可能です

ですからなお一層
「病気になったのはあなたに原因がある」
のだとしても

そこから
根本的な解決
身体の解決はもちろん

対象者の方の魂が本当に望む形での
心の変化

に関われる

それが可能となる仕事をさせていただいている

あきらめない

そういう気持ちが大切だと思うのです


今病気・怪我で苦しんでおられるあなたへ

治療家としてあなたの苦しみに寄り添うのが
治療の第一歩だと思っています

また、これまで関わった来た患者さん(おそらく数千人)から
学んだことを
あなたとシェアすることもできます

もちろん、あなたの病気や怪我が「たいしたものではない」とは思いません

あなたの人生は、あなたに今大変な苦しみを求めているからです
ですから、本当に苦しく・つらいものなのでしょう

病気怪我を克服したという偉人はたくさんいます
野口英世、徳川吉宗、ヘレンケラー、スティーブ・ジョブズ、エイブラハムリンカーン、ベートーヴェン・・・

ただ、こういう偉人の伝記にふれた方で
勘違いされる方がいます

偉人だから病気に打ち勝つことができた
だから偉人

私は違う

だから病気に苦しんでいる
勝つことなんてできない
と・・・

でも、それは間違いです

偉人でも何でもない人が
普通の人が
病気になり
何かに気づき
何かを変化させて
今も生きているからです

病気が消えた人もいますし

病気を抱えたままだけど、
以前とは違う価値観で生きている人もいます

病気はどんどんひどくなったけど、
最後にご家族に「ありがとう」と言って
旅立っていかれた患者さんもたくさん見てきました

「あの頑固もんの爺さんが、最後にあんな風な顔して死ぬなんてねぇ~」と亡くなられた患者さんの奥様と
一緒に泣いたことがあります。


これを書いている明初庵も実はそうです
克服した病気や痛みもあれば
死ぬまで抱えなければならないものもあります

でも、病気やけがをしなければ
今の様に生きていることは
できませんでした

今のような生き方をしている
今の自分は
幸福だと
感じながら生きています

だからはっきり言いますね

あなたは大丈夫です

最後に

最後までお読みいただき感謝しております

文章化することが難しいことを
何とか伝えようとしております
ご指摘あれば加筆修正
厭いません
よろしくお願いいたします

あなたの何かのお役に立てれば幸いです

これもご縁ですので、
ご感想など教えていただけると
光栄に存じます

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