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時分の花、真の花

「おい、地味子。お前には花がねぇんだよ」
金色のコルダ3の攻略キャラ・東金千秋に言われる台詞である。
彼の言う「花」というのは、主人公・小日向かなでが本来持ち得ていたはずの輝きのこと。かなでは、幼少期持っていたはずの花が、いつしか失われてしまい、それでも音楽を諦められずに星奏学院に転校してまで、自分自身を変えようとする。
そんな彼女の本質を見抜いたうえで、突き放すように言う。
小日向かなでの持っていた花は「時分の花」に過ぎず、他己分析・自己研鑽を積み続けなければ、その花は「真の花」にはなりえない。と。
突き放しながらもヒントを渡すのが東金の良いところ。
芽吹き、咲く花でなければ、彼はこんなことは言わなかったろう。

東金の言った言葉は「風姿花伝」からの言葉である。
冒頭に提示したのは、その教えをビジネスに活用するには、という視点で書かれた良書だ。
自分の強み・弱みはなんだろう。
他人に自分をどう見せるのが適切だろう。
中間管理職になってから思い悩んで数年前に購入したものの、放置していた。
時間ができたので、積み本を少しずつ消化しているのだが、この本は読みやすいうえで、確かにと思うことが多かった。
個人的に好きなのは「変えられるもの、変えられないもの」の章。

生まれ持った不変の部分と、可変である部分を人は持っている。
変えないほうが良いものを無理に変えずに、変えられるものを変えることに全力を注げば、自ずと不変であるもののレベルもアップする。

と解釈した。
自身のやり方を押し付けて、相手の個性を潰してしまっては元も子もないんですよね。
「時分の花」を「真の花」にするのも、一点だけ育成するだけでは育たない。たくさんのものを吸収した先に、咲き誇る花のはず。
OJTやコーチングに役立つ本はないかなぁと探しながら、積み本を崩していましたが、この本は当たりでした。早速、後輩に勧めよう。


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