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プロジェクトファシリテーションの探究#2 可能性と定義

なかなか具体的な内容にはいれないが日々探究は進めています(なんだか堅苦しいので今回からですます調に変えました)

最近は研究者と他領域の専門家とのディスカッションを重ねているので、もう少しまとまった内容としてアウトプットできる機会も増やし、もっと具体化していけると思います

探究はまだはじまったばかりなので焦らず散歩のようにフラフラと一歩づつ進めていこうと思っています

今回はプロジェクトファシリテーションについて、その定義といくつかの補助線となる観点をアップデートしたので書きます

automatic podcastに出演

350回以上続いているデザイン系podcast

先日ヤスヒサさんが長く続けているpodcastである automagic の収録に呼んで頂きました

ヤスヒサさんとの対話の中で、自分が今まで考えてきたことがたくさん言葉になっていったので、探究の現在地としてまとめておきたいと思います

文字では書ききれないこともたくさん話しているので、お時間がある方は是非聞いてみてください

収録ではリラックスして喋らせていただき、発見が多く本当に楽しい時間でした。20代から聴いていた番組に出ることができて感動しました。ヤスヒサさん、ありがとうございました。またぜひお話しさせてください

肩書を変えてみる

デザインとの距離感を変える

私はかなり長くデザイナーとして生きてきた人間です

大学では写真を専攻し、グラフィックデザイナーからキャリアをはじめ、Webデザイン、ローカルブランディング、ビジョンデザイン、サービスデザインと様々な領域を学んで実践の中で経験を重ねてきました

転職回数が多いです

ここらへんで、新しい肩書を名乗ってみたいと思っています

所属する株式会社MIMIGURIでは「プロジェクトファシリテーター」の肩書で活動しはじめています(もう一つの所属先、株式会社DERTAではサービスデザイナーを続けています)

デザインを手段にする

自分がデザインを自己目的化してしまうことにいつも違和感を覚えていました

デザイナーという職業は他者がいないと成り立たないと思っています。デザイナーにはデザインをする対象が必要なので、いつもデザインを適応できる先を探すことになります

それが単に悪いとも思いませんが、少しの違和感と共にデザインと自分の関係性を変えてみたいと思うようになってきています

自分にとってデザインは手段か目的か

私にとってデザインはとても大切なものなので、もっと長く付き合いたいし、もっと探究を深めていきたい、そのために、デザインを一度手段にしてみるのがいいように思っています

その時に私にとっての目的となるものは何か、それをずっと探索してきました

それは「良いしごとの中での良い経験」であると定まってきました。今私はそれをつくりたいと思っています

何かをつくり、価値を生み出し、経験から学び、自分が変わる、そういうものを「良いしごと」と呼んでいます

そのための技術としてプロジェクトファシリテーションを位置付けて探究しています。そしてそれを実践するために、デザインはとても重要なHowになりえると思っています

そしてまた、この実践探究の中で、自分が今まで考えていなかったデザインの新たな側面を発見することを期待していたりします

プロジェクトファシリテーションの可能性

番組でも話させて頂きましたが、プロジェクトファシリテーターというものをしごとにすることで、見えてくる可能性があると思っています

プロジェクトというスケール

まずプロジェクトというのは人に近いスケールの営みであるという事が端的に言って気に入っています

私は何か大きなことを起こしたいという訳でもなく、自分が手の届かないものを作り出したいという気持ちも薄いです

つまり、デザインを通して世の中を変えるとか、社会を変革するというよりも、具体的に自分がインタラクション可能なスケールで活動し試していきたいと思っています

時間を場を共にする人たちと、ものをつくり、そこからよい経験を生み出したいと最近切実に思うようになりました

そのためには、プロジェクトを自分の探究と実践の対象領域にするのが一番良いと考えました

そしてさらに、具体的で身近なスケールの実践が、結果的に大きな変化に必要なのではと考えてもいます

ファシリテーションという眼差し

ファシリテーションという言葉はデザインと同じぐらい広がりがあるものだと思いますが、細かな考察は今度にして、関係性への眼差しという側面に注目してみたいと思います

特に人と人の関係性を豊かにすることを考えた時にファシリテーションという技術から学べる事は多いです

プロジェクトの成果を最大化するためにも、またプロジェクトの経験から学びを生み出すためにも、他者との関係性が良好になるようにバランスをとり続けることが大切です

プロジェクトにおいて良好な関係性とはどんなものか考えると、協調や共感ができるような安心安全な関係はもちろんのこと、時に闘争を伴った対話ができるような信頼関係も必要になると思います

不確実性の高い状況の中で、良好な関係性のバランスをとり続けるために、ファシリテーションについても学び実践していきます

さらにもう少し広くとらえ、人と情報、人とモノ、人と環境との関係性についてもデザインしファシリテーションしていくような実践を考えてみたいと思っています

プロジェクトファシリテーションの定義仮説

さて、ここまで書いてきていまのところ私の考えるプロジェクトファシリテーションの定義をまとめてみます

「ひと、もの、ことの関係性をつなぎ、共同体による所産を生み出す活動を推進しながら、気づきと自己変化の実践をつくりつづける」

そしてさらにもう少し具体的に、自分にとって手触りのある手法としての定義も考えてみました

「デザインとマネジメントの技術を用いた、つくる活動の中での、成果と学びを両立し、よりよくし続けるための実践」

まだ抽象的だなと思っていますが、デザインとマネジメントの技術は良いプロジェクトと、良い関係性をつくり、それを修繕し続けるために大変重要です

ここからは少し荒いメモになりますが、いくつかの考え方の観点をメモして、補助線を引いておきます

プロジェクトファシリテーションのいくつかの補助線

学びを目的としたプロセスのレンズ

共同体の経験から得た仮説を大切にして、時に公理を参照して、自分の論を修正しながら実践に活用していく事

フォーマルセオリーとフォークセオリーという概念があります。フォーマルセオリーは公理、フォークセオリーは素朴理論などと呼ばれるそうです

私はこのフォークセオリーに魅力と可能性を感じています。素朴理論という言葉には稚拙な意味合いが含まれているように感じますが、自分らしいフォークセオリーの創造と自己修正が自分らしい学びには重要だと考えています

野心的な目標としては、フォーマルセオリーが上位、フォークセオリーが下位という暗黙の世界観を問い直したいと思っています

成果を目的としたプロセスのレンズ

発散と収束を繰り返しものづくりを実行する、所謂デザインプロセスの知見が生きると思います

プロジェクトでは共同でのものづくりが必須となります。ワークショップ、コ・デザインのメソッドを活かしたいです

プロセスを推進するためのレンズ

もちろんプロジェクトマネジメントの知見は重要でベースとなります

私はプロジェクトマネージャーとしては2年程度のひよっこ実践者なので、改めて学習しながら深めていく必要があると思っています
アジャイルからも多くを学びたいです

これが一番楽しい

最後に

まだ探究をアウトプットすることに慣れておらず、書きながら考えがこぼれ落ちていくような感覚で書いているので、伝わり切らないこともあると思います

音声で聞いていただけるともう少し伝わるものもあると思うので、改めてautomagic podcastのリンクを貼っておきます

いつも書いていますが、これを見て探究の仲間になってくださる方がいたら是非声をかけてください

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