誰がビジョンをつくるのか
仕事でビジョン造りのプロジェクトが増えてきました。
私、デザイナーとしてお恥ずかしながら、ビジョンというものがややピンときていなかったのですが、この度少し考えがまとまってきたのでここにまとめてみます。というか書きながらまとめてみます。
visionは実現したい未来
ご多分に漏れず、「vision 意味」で検索すると、、
1.理想像。未来像。展望。見通し。
2.まぼろし。幻影。
また、ビジネスの文脈では、、
ビジョンとは「実現したい未来」。言うなれば、企業のみんなが共通で認識する「行き先」です。
となるようです。
ビジョンの主語は何?
ここでちょっと考えてみたいのですが、「実現したい未来」って「誰が」実現したいと思ったものなのでしょうか。
創業者でしょうか。社長でしょうか。従業員でしょうか。株主でしょうか。
論点を単純にするために、組織をトップとミドルとボトムに分けて考えてみます(定義は今便宜的に考えたやつです)
トップダウンとボトムアップ
ビジョンをTOPで決めて、BOTTOMに伝えるいわゆるトップダウン的なプロセスはイメージしやすいと思います。
ビジョン造りは、TOP以外の人たちに納得してもらう(今時の言葉を使えば共感してもらうでしょうか)プロセスと言えるかもしれません。
プロジェクトのHow Might We Questionはこんな感じでしょうか
我々は、どうやったらTOPの想いを、社員に伝わるストーリーとしてデザインできるだろうか
もう一つはボトムアップ型のプロセスです。
現場の一人一人の想いをキャッチアップして、一つのコンセプトとして創り上げていく感じになると思います。
様々な利害や視点が交錯する中で、時に対話的に相互理解を促進し、弁証法的に新たな解を創りだしていく事になりそうです。社会構成主義的なアプローチってやつでしょうか。骨が折れそうですが、デザインの出番だぞという感じがします。
この場合のプロジェクトのHow Might We Questionはこんな感じでしょうか
我々は、どうやったら現場のそれぞれの想いをわかり合い、一つのストーリとしてデザインできるだろうか
現実問題としては、そのストーリーをどうやって経営層にプレゼンテーションして納得してもらうか、、にフォーカスする事にはなりそうですが、、
ここまで書いて忘れていたポイントがあります。
ミドルの人たちです。
かくいう私も日常的にはミドルマネージャーとしていつも上に下に右に左に気を揉んでいるのですが、トップダウン・ボトムアップアプローチの他にミドルスパイラル(とここでは仮に呼ぶことにします)のアプローチもありそうだよねというのが今回のこの文章の論点です。というか今気づきました。
先ほどの2つのHow Might We Question
我々は、どうやったらTOPの想いを、社員に伝わるストーリーとしてデザインできるだろうか
我々は、どうやったら現場のそれぞれの想いをわかり合い、一つのストーリとしてデザインできるだろうか
この二つの間に、この二つを結びつける問いがあるのかもしれないと思います。
我々は、どうやったら、戦略と実業を結び付け、共通のストーリーを作り出せるだろうか
こんな感じでしょうか。
いわゆるマネージャーの命題は、事業の目的と個人の目標を結びつけるところにあると思っています。
高次のHOWが、低次のWHYに繋がっている事で、個々人のWILLが達成されている状態がデザインできると安心して働ける、、気がします。
ビジョン造りに関しても、このマネージャーの働きを活かして、車輪の軸となってもらうようなプロジェクトづくりができたら良いのではないかと思い至り今回書いてみました。
TOPの想いと、BOTTOMの想いを、MIDDLEの想いが攪拌して、新しい現実を創り上げていく事で、ビジョンが「組織」のビジョンになるという可能性もありそうだなと思います。
MIDDLEっていうのが中間管理職のことなのか、そういうマインドのことなのかはもうちょっと考えてみたいです。
ちなみに、TOP DOWNとBOTTOM UPのアプローチを否定するものではありません。
MIDDOLE SPIRALのアプローチが良さそうだなと思う理由は、普段の仕事の役割を活かしたプロジェクトにできそうだと考えるからです。
そして反省へ、、
、、、とここまで書いてSECIモデルっぽいな、、と思って野中郁次郎先生の「知識創造の方法論」を読みました
ここまで読んで頂いて大変申し上げづらいのですが、大変詳細に理論化されておりました。以下の図をご覧ください。
是非読んで頂く事をお勧めいたします。私は精読して出直し、プロジェクトの中で掴んでいこうとおもいます。
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