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対等心が人間関係のバロメータ

私たちは無意識のうちに人と対等であるために自分を強く見せようとしたり、あるいは対等であることを忘れて自分にとって不利となる行動をとってしまうものです。
原因は何かというと『劣等感』なのです。ありのままの自分ではだめだという無意識が、その時の状況によって強い自分をアピールしたり、自分の弱さを正当化するように不利な行動を選んでしまったりするのです。
本来、『対等』であるという事は、『私』と『あなた』がそれぞれに自立しているから成り立つ関係性です。天秤を思い浮かべて見ると、ちょうど真ん中の軸になる棒が本来の『対等』の居場所なのです。しかし『劣等感』の強い人は自立する事ができていないために、『対等』の居場所がその時の状況によって無意識に移動させてしまうのです。だから、自分を強く見せたい時には『対等』の軸を自分側に移動させ、自分が不利になる行動をしてしまう時は相手側に『対等』の軸を移動させてしまうのです。
例えば友人と会話している時、友人の話を理解する事に集中せず、その話について相手の知らない情報がないかと頭の中で考えている事があります。これは自分を強く見せたい、その話について自分の方が勝っている事を示したいという『対等』が働いているのです。
また友人から誘われているけど本当は行きたくないのに断れない。これは断ったら嫌われるのではないか、友人が嫌な気持ちになるのではないか、もう誘ってくれなくなるのではないかという『対等』が働いいるのです。
つまり、『劣等感』の強い人は『対等』という軸が安定していないために常に不安定なのです。相手の言動によって自分の『対等』という軸がぶれてしまう。相手によって自分の価値観が常に変動してしまうのです。
結果としてどうなるかというと、人間関係が疲れてしまう事になります。
ではどのような心持ちが必要なのかと考えると、ありのままの自分を意識する事だと思います。友人より知識がない自分を認めてみる事。友人に嫌われて自己嫌悪や孤独になるのが怖い自分を認めてみる事。
友人より知識がないと認める事ができれば、友人の話を理解しようとするだろし、その態度が友人からの信頼を得るだろうし、また会いたいという心地よさを与えるだろうと思うのです。また行きたくない事は、相手の気持ちをフォローしながら断れば良いのです。「今は興味がないけど、また行きたくなった時にはよろしくね」と逆に相手にお願いしてみるというのは、ただ断られるのとは全く違うと思うのです。そしてきちんと断る事ができた事によって何が一番良いかというと『自分に嘘をついていないから』なのです。断る時に相手の気持ちを考えて、あえて嘘をつくのは『嘘も方便』だけれど、自分に嘘をつくというのは、実は一番やってはいけない事なのです。
なぜなら、自分に嘘をつく時、自分自身で自分を正当化し、自分の気持ちをごまかしているからなのです。これをしてしまうと、自分の本当の気持ちと正当化されたごまかした気持ちとが乖離(かいり)して、それを繰り返しているうちに、ますます本当の自分の気持ちがわからなくなってしまうからです。
人間関係が疲れてしまうという方は、自分の天秤の『対等』という軸が真ん中にあるかどうかイメージしてみると、何かヒントがあるように思います。

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