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お酒の失敗談


女性への接し方、お酒との付き合い方がスマートな男は、大人ぽくて憧れる。

情けないけれど、僕はどっちもまだまだ下手っぴだ。

恋愛の失敗談は書ききれないほどあるので一旦置いておくとして、お酒の失敗談もそれなりに…いや、結構ある。

僕は1年間浪人して大学に入学した。
しかも、誕生日が5月だったため、大学入学後、すぐに成人を迎えた。

周りの同級生は現役生が多く、みんな未成年だったため、あまり一緒に飲みに行くような関係性にはならなかった。

だから僕は、学年が上の先輩たちとばかり遊ぶようになった。

これがいけなかった。

酒を覚えたての僕は、先輩たちについて行こうと浴びるように酒を飲んだ。

先輩たちは、飲みっぷりのいい僕を可愛がってくれた。

それが嬉しくて、毎日毎晩飲み歩いていた。

また、地元の友達も酒が強い人が多かった。

いつの間にか、僕の中で毎日お酒を飲むのは当たり前のことになっていた。

大学1、2年生の間、おそらく授業に出席した日数よりも、飲み会に参加した日数の方が多いだろう。

とにかく沢山酒を飲んで、潰れることがかっこいいと思っていた。

青春だと思っていた。

ウォッカを鏡月で割って飲むみたいな、バカみたいなこともした。

学園祭でも浴びるほど酒を飲んだ。

本当に酒の飲み方を知らなかったし、自分の限界も知らなかった。

どしゃ降りの新宿の路上で爆睡していたこともあった。

友達と欅坂46の握手会に行った帰り、八重洲のHUBで酔い潰れ、財布を便器の中に水没させたこともあった。

財布がない財布がないと騒いでいると、店員さんがトイレの中に落ちているのを発見してくれた。

本当にご迷惑をおかけしました。

深夜の公園のベンチで寝てしまい、見知らぬ男性に起こされ、
「一緒に3Pをしませんか?」
と誘われて慌てて逃げたこともあった。

学園祭で飲みすぎて、正門で酔い潰れて寝てしまい、文化祭が終わった後で警備員さんに起こされたこともあった。

明け方の田園調布駅のホームでクラスの女の子と倒れ込んで、ビニール袋にゲーゲー吐いたこともあった。

そんなエピソードを、まるで武勇伝のように友達に語って聞かせていた。

今思うと、酒の飲み方も知らない奴が自慢げにみっともない思い出を語っているだけで、めちゃくちゃイタい奴だと自分でも思う。

でも、こういうエピソードを飲み会で話すとみんな結構笑ってくれる。

話しのネタには困らないから、まあ良かった。

でも、幾多の失敗のおかげで、段々と自分のアルコールのキャパがわかってきた。

これ以上飲んだらまずい、こんなペースで飲んでたらやばい、そんなことがわかるようになってきた。

ここ1、2年は、そんな無茶な飲み方はしなくなった。

記憶を無くしたり、覚えのない場所で寝ていたりすることは無くなった。

今思うと、こんなバカなことばかりして、よくケガをしたり変な人に絡まれたりしないで済んだなと感じる。

財布を一つ犠牲にしただけだ。

社会人になる前に、こういう経験をしていて良かったのかな、とも感じる。

いい歳してこんな飲み方していたら、もはや笑えないしね。

これからは、バーとかでじっくりとお酒を味わい、楽しめるような余裕のある男になりたいと思う。

でも、今日も飲んでいるなあ…

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