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新しい日々の始まり

今日は水曜日だ。

月曜日、火曜日、その次の水曜日。
月曜日も火曜日も水曜日の今日も同じ場所に座っている。

毎日、連続しているように思う。
同じスタッフ、同じ時間、同じ作業をしているように思う。

けれども僕は、新しい日がやって来たことを喜ぶことがある。
不思議な感覚だ。

目の前のものも、なにもかも変わっていないはずなのに
突然そう思う。


今日は、初老の方に禅の自灯明のお話をしたときにそう思った。

昨日、おなかの大きな未来のお母さんがやってきた。
今日、うまれて半年のお子さんを抱えたお母さんがやってきた。
そのこともフラッシュバックしていた。

彼が診察室をでたとき、涼しい風が一瞬吹き込んだ
今日から新しい日になったんだ、と気づいた。


そのあと思いだした。

昨日、クリニックが終わった後、
一緒にクリエイティブな仕事をしている人々と未来の話をした。

新しいものが沢山作れそうだと思った。
一つ一つが困っている人々の手にとどいて、
キラキラとそういった人々を守れるものになるんじゃないかと
ワクワクした。

社会に恩返しをする。
自分のできる専門範囲を超えないように注意しながら歩をすすめる。

そんなことを考えながらトボトボあるきながら帰途についた。

たぶん、それが第一幕終了だったんだろうと思う。


知らないうちに、今朝から新しい第二幕が開いていたんだ。


嵐の日にもズボンのすそを濡らして
カンカン照りの夏の日も汗にまみれて
冬のときにも薄手でひょうひょうと現れてくれる患者さん。

専門学校に通って今でも勉強しているという。
そのひとと、灯りについて何気なく話した。

その診察が終わった時、新しい日になったことに気づいた。

不思議なことだ。

先週新調した名刺を引き出しから出した。
その真新しい角にふれながら
僕は、第二幕の開始を確信した。

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