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育った家庭が不幸だったから結婚も出産もしたくないという話について

機能不全家庭育ちだから結婚も出産もしたくないという話、一度や二度でなく当たり前のように見る話ですね。
私自身、複雑家庭で育ち、児童相談所に保護されたこともあるので、他人事ではないなと見かけるたびに思います。

そこでそういう私がなぜ結婚するに至ったのか、分かりやすい部分を箇条書きで下にまとめておきたいと思います。

結婚について

1.家庭環境が幸福で恵まれている人を配偶者に選んだ
まずこれは誰と結婚するにしても絶対に譲れない点だと感じていたのですが、端的に言って「育ちが良い」人を選びました(あまり良くない表現かもしれません、すみません)本人の雰囲気からもそういったことは自ずと分かりますが、婚約前に何回かご実家にお邪魔し、夫婦仲が良好か、家庭の雰囲気を見て誰かが不当に虐げられていないか、平等に意見が言える環境か、女親が強いか、踏み込まないか、機能不全家庭に対して理解があるかなどを見て判断しました。

重視した理由は私が機能不全家庭育ちなので、もし私が誤った価値観で家庭作りを始めてしまったときに、自分より良質な家庭経験がある人から支えてもらいたいと思ったからです。多少ぶつかっても同じ価値観の人より少し異なる価値観の方が、良いものを築く可能性が高いと常日頃から感じていることではあります。マイナスの私とプラスの配偶者で割っていいものを作りたいと思います。
ただ、良質な家庭経験を持つ人は機能不全家庭に対しあまりリアリティを感じないことが多いため、そのあたりは対応が必要かもしれません。

2.20代前半からカウンセリングに注力した
「私は子供のときこうだった」という基準で行動してしまったり、過去の体験がフラッシュバックしてしまうことが多かったため、カウンセリングに定期的に通い、認知の歪みを改善することに努めました。また、後述しますが、過去の体験を現在から切り離し、可能な限りニュートラルな思考で行動することを目指しました。過去の自分と今の自分は関係ないという感じです。当時結婚願望はまるでありませんでしたが、タイミングで良い結婚ができて結果やっていて良かったなと思います。

3.過去の体験をシャットアウトした
過去の陰惨な経験を全て無かったことにしました。具体的には、実父と実母、実兄からの暴力や性的虐待と、学生時代のいじめ、誘拐とレイプなどです。
たまに強い母の嫌な言葉を思い出しますが、ぼんやりとして記憶が曖昧なこともあり、実在しない話だと思うことにしました。
過去の体験を想起する場所から10年以上離れて暮らしていることが強いかもしれません。また、過去の体験を想起する場所があまり何も与えてくれなかったこと、上京してからの一人の生活の方が学びが多いため思考の中で優先度が下がっていったこともあると思います。過去の私と今の私は別のもので、今後それに脅かされることはありません。

4.自分より圧倒的な強者と結婚した
自分より強いなと感じる人と結婚しました。強い人というと難しいのですが、メンタルが強く、スルースキルが高く、社会的な実力もあるといったような人です。機能不全家庭育ちの人は、よく自分が不幸になる人を選ぶと言いますが(DVや浮気癖のある人など)、自分より立場の低い人を選び、モラハラ傾向になってしまうパターンも多いと感じます。私が多少メンタルが揺れても、配慮をもらいつつそれに共振しない人を選びました。弱っているときに一緒に弱ってしまっては、生命体として生き残れません。

出産について

1.配偶者が望んだから
結婚してしばらく依然として産みたくない気持ちがありましたが、配偶者が望んだので考えてみることにしました。自分の育った価値観に阻まれて可能性を考えてみないのは思考停止しているなと思ったためです。当初は子供を作りたくなくて喧嘩になることもありましたが、カウンセリングなどで思考を整理した結果、今は前向きに検討するなど気持ちの方向も変わってきています。

2.私から生まれてくる子供は私ではないという考え
HuffPostで以下のような記事を見ました。

「子供を産みたい」という感情が出てこない40代、未婚、子なしの私について

長い間、女として生きているのに「子供を産みたい」という感情が全く出てこない。多分、それは自分が幸せな子供時代を送っていないのと、今現在が幸せでないからだと思う。正直、こんなに辛いことばかりがある世の中を生きさせることは、子供にとって酷だと思う。苦しい人生をわざわざ歩ませるなど、可哀想でできない。それが正直な理由だ。

一部引用しました。自分の昔の心境と近く、とても分かりやすく共感したい気持ちでいっぱいになりました。
ただ、ひとつ今の私が違うと思うのは「辛いことばかりがある世の中」「苦しい人生」は自分自身の認知であって、必ずしも自分の腹から生まれてくる「他人」にとってはそうとは限らないということです。子供は私ではない、そう強く思うことにしています。また、結婚相手にとっては今まで幸福な人生であったと言っており、それは間違いだったと思いません。
機能不全家庭の多くに「干渉しがちな母親」が挙げられますが、干渉されることと何が辛いかというと、「自分と他人の区別がついていない」ことです。自分でやりたいことに口出しされ、先回りされ、あれこれ勝手に決められたり、お前は無理だと否定される…そんな経験がある人はいると思いますが、それはお母さんと子供の距離が近すぎる、また母親が子供と自分の区別がついていないからだと思っています。この記事の方も文中で「それは、お母さんの幸せであって、私の幸せじゃない!」と言っています。
自分とノットイコールな他人の考えを操作してしまう人は、母親というパターン以外にも少なくありません。ある時期から子供の将来や人生を決めたくない、私と子供は別人という考えを強く持ちました。また、私の子供ではなく彼との子供にもなるので、事実私だけの遺伝にはなりませんし、彼の家庭環境が優れており良い家庭を持った図が想像に難く無いと感じています。人の数だけ人生があるのだな、と考えています。

3.自分の人生について
結婚や出産をすることで自分の人生じゃなくなる、という考えの方も多いと思いますし、それは事実として多少なりともあると思います。私は、たまたま奉仕したい相手が見つかったのと、自分を変えなくても結婚も出産もできる相手だったので幸いでした。育児などで多少制限はあると思いますが、いつでも逃げられる、助けを求められるという気持ちでいますし、信頼できる相手がいるだけで快適な家庭を作ることの実現可否が違います。これは結婚に対しても同じことです。結婚も出産も自分一人ではできず、相手の考え方や持っているものにより出来ることや出来ないことが変わってきます。一人で出来ないからこそ自分の想定を超えて幸福になったり不幸になったりする、一人で出来ないけど二人だから出来る、そういう気持ちです。

以上が結婚と出産に対して私が選んだ結論です。

全ての人が結婚すれば良いとは思いませんし、愛し合っていても結婚自体の制度が適用されない方々もいます。ただ、結婚や出産をしようと感じるときに壁のある方に読んでもらえれば幸いです。

おわり

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