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思い入れと長い独り言


・結構長い
・ツイート感覚だから文くだけてる
・文法や構成めちゃくちゃかもしれないお許しを


 CGや音楽など活動が多岐に渡る秋元きつねに関することで、個人的に思い入れがある。
 作品と本人のことが凄く大好きなのは、知って好きになった頃、美術科がある高校に通っていてきつねさんに勝手に親近感持ったことからかもしれない。
 作品からだんだん本人のことも好きになり、後に私にとって娯楽というより救いになっていった。


 1年の頃は「内申点ヤバかったから学力で入ったけど絵描くの好きだからいっか頭良く見られるし」と呑気に思っていた。
 けど、あとから美術は私には全く合わないということを知ることになる。

 2年からは、自分が描きたいものを描くいわゆる自由課題が増えてきた。
 だけど、実際は先生に
「コンセプト(作品の意図)は?」「なんでこんな物がここに描いてあるの?」「それなら作品にしなくてもいいから」「特に意味もないの?」「結局何を伝えたいの?」「こんな絵で賞を貰って残念」「今の2年生(自分ら)より1年生が優秀ね」
 など、常に質問責めや叱責を受けることになり、段々苦痛になった。
 美術を学んでいる人達にとっては普通かもしれないけど、楽しさだけで絵を描いてきた身としては、しつこく訊いて無闇に変えたり先輩や自分達の絵を否定することがあり得なかった。

 また、その頃から私が、絵に対する考えなど価値観自体が同級生と全く違うことに段々気づいた。
 同じ仲間として見られてないかもしれない。みんなと違うことに気づき焦った。それでもコースの子の考えに頭に来たりして、上辺だけでも合わせることは無理だった。
 生まれて初めて寂しいとも思った。

 正直、絵を描く人となら誰とでも気が合うと思っていた。


 夏休みに、ジラファントを通してきつねさんの作品と出会った。アルバム「森のなかまたち」のジャケ写に強烈に惹かれて。
 1曲目「三つ巴」を聴いた時、イントロのヘンチクリンな音と歌詞の

後出ししてるけど勝てない
リスク負うなんて出来ない
先に出したとて勝てない
いつ出したとしても同じ

三つ巴/ジラファント


に、頭の中は「?」だらけになった。
 音のヘンチクリンさと男の人の低く力強くなんだか怖い歌声のコントラストが凄く印象的で、その時の私にとっては初めて聴く音楽だった。
 よくわからない世界観で、谷山浩子やたま以来の強烈な印象を受けた。

 ずっと、なんだこれ?って思いながら聴いていた。けど、最後の曲「かぐやの月」で、前の4曲と全く違う世界観と低く力強い歌声と対照的に高く綺麗な女性コーラスに物凄く感動した。
 なにもかもわからない存在だけど、この男の人の音楽に凄く惹かれた。

 「かぐやの月」が入ってなかったら「変なアルバムだったなぁ」くらいで他のアルバムも聴くことはなく、ジラファント自体興味を持たなかったと思う。


 その頃好きだった平沢進(P-MODEL)を聴きつつ、CDのあの規定マークを堂々と載せているジャケ画の「ミンナのヨウス」にも惹かれて「ホントホント」 SpikySpoon名義の「it is」も聴くようになった。
 漠然と興味を持っていただけだったけど、いつのまにかきつねさんの低く強く怖い歌声自体が好きになっていた。
 当然ストリーミングに存在する曲の他にないのか気になり、バンド名で調べると故人であることがわかり「少なくない?!」とショックを受けた。


 やっと名前も知った頃の春休みに、偶然きつねさんのTwitterアカウントのメディア欄見て、ゲームクリエイターでもあることを知った。
 それまで音楽作品しか知らなかったため、CGクリエイターなのが本業なのは意外だった。一方であの独特なジャケット絵なら、と納得した。
 あの低くて怒鳴るような歌声からは想像できないほど細い体で、しかもユニークな作品を沢山作っていたことに拍子抜けした。
 また、ゲーム「せがれいじり」の作者であることを知った。

せがれいじり

 受験勉強の休憩に「せがれいじり」実況プレイ動画を見てしまった。
 そして、関係者のツイートを介してHzやまさおくん(ウゴウゴルーガ)などを知るほど見事に秋元きつねの世界観にハマってしまった。
 志望校の試験は7月から始まるのに。


 3年からは卒業制作がメインになった。
 2年の頃から感じていた苦痛が日ごと増していった。
 専門の授業が始まる前に具合が悪くなり、保健室へ行って授業が終わるまで休んでいた。保健室の先生から「美術コースなのに美術嫌いなの?」と言われ、専門の先生から出席するようにと電話で注意されたほど。

 美術が嫌いになり、好きだったマグリットの絵でさえ鬱陶しく感じるようになった。
 美術もコースの先生も皆んなも、友達が作成した作品展のパンフレットも破きたくなるくらい、全てが憎かった。
 あの頃は画家やクリエイター等の絵が視界に入るだけでも不快だった。
 けど、なぜかきつねさんの作品だけは安堵感を感じるほどだった。

 そんな頃、卒業制作の合間に画家やクリエイターの画法を真似てモチーフを描く課題があり、きつねさんのクーピー絵を選んだ。クーピー画法を推測し真似て描く時間だけは楽しかった。


 その頃からだんだんきつねさん本人のことも好きになり、行動力の凄さやストイックで前向きな考え方が羨ましいと思うほどだった。


 2学期がやっと終わる頃に志望校に合格した。
 合格祝いとして、HzとジラファントのCDを買ってもらった。
 CDプレーヤーから流れてきた秋元きつね名義のアルバム「Frequency-2.020」の1曲目「遥か西へ」が流れた瞬間の幸福感は、何物にも代え難いものだった。嫌な学校生活に受験と卒業制作と作品展準備が加わって、毎日具合悪くしていたほど凄く苦しかった私にとっては。

Parallax Frequency-2.020  -Kitune Akimoto



 卒業制作と作品展が終わり、専門の授業が減ってやっと気持ちに余裕が出てきた頃も、登下校中きつねさんの動画(※音源として)と音楽を聴いていた。

 きつねさんの作品を逃げ道として過ごしたような高校生活の後半だった。


 個人的に秋元きつねからの影響は大きい。
 陰鬱な考え方から他の捉え方もするように考え方を変えるようになったのも、寒色にしか興味無かったけど赤や補色の組み合わせが好きになりコーデに取り入れたのも、きつねさんの影響。
 好みだけではなく考え方にまで影響が及んだのは、ガロ漫画を好きになった中学2年生以来。

ガロ



 知って好きになった時期が辛い時期だったということが多分大きく影響しているけど、きつねさんにはどれだけ感謝しても足りないくらい、ありがたく素晴らしく思っている。


 というわけで、きつねさんがむこうのセケンでライブをする時はこっちのセケンからウチカビ(あの世で使うお金)焚いて応援します!


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