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子供が異常に嘘をつく親御さんにむけて

4人兄弟の末っ子である私は、幼少期から嘘つきで、両親は悩んだらしい。

いつから嘘をついていたかは覚えていないが、3歳の頃には日常的に嘘をついていたと思う。

嘘にもいろいろある。「(ナスが嫌いだから、自分のナスを兄の皿に移動して)ナスはもう食べた。」という多少意味のある嘘から、「さっき〇〇ちゃんのお母さんに会った(会っていない)。」という意味のない嘘までついた。

もう少し言うと、子供の頃から問題児であった。といっても、いじめっ子とか素行が悪いとかいうものではなく、幼少期だと「小学校で流通している牛乳瓶の蓋をなんとなくパクる(そもそもパクってもゴミなのでどっかで捨てる)」とか「パーテーションで仕切られた兄の部屋にモノを投げて”俺じゃない”と言い張る(状況として自分しかいない)」など、そういったレベルのであった。

あと、勉強はずっとやらなかった。小学校の頃から宿題はやらなかったし、大学受験を目指すまでは成績下位なので、毎学期で三者面談をしていた。その場も、成績が悪いことを咎められ「勉強します」と言うのだが、嘘である。やるわけがなかった。

そんな私を、特に母親は心配した。まぁ考えれば当然である。私からの報告はすべて「嘘」だからである。「やった」と言ったが「やっていない」であり、「提出した」と言ったが「提出していない」のだ。夜に担任から電話があり発覚するのだが、そのときも説教で「今後はやらない」と言い、その一週間後に同じ電話がかかるのである。

兄3人は嘘もつかなければ勉強もこなす。なぜこの子は他の兄弟と同じように成長しないのか。「愛が足りないだとか、弟がいないのが理由だろうか」と考えた彼女は、欲しいとも言っていない小型犬を買い与えたりした。子供を産むにもきりがないことなので、彼女なりの判断だったのだろう。(私は母親がただ欲しいから買ったと思っていたが、そういう背景があったと近年になって説明を受けた。)

さて、読者の中には「同様の嘘をつくお子さん」に悩まれている親御さんがいるかもしれない。なぜ子供は嘘をつくのか。私なりの回答をしよう。

まず上で挙げた「愛が足りない説」について、個人的な見解としては全くの見当違いである。私も一般家庭レベルの愛は十分に受けていた。ではなぜ嘘をつくのかというと、「なんとなく」が正直な回答だ。小型犬と一緒にいた生活は楽しかったが、だからといって性質が変わることはなく、日常的に嘘をついていた。

母親のように生真面目で、子供の頃に嘘をついてこなかった人間は「子供が嘘をつく事象」にピンとこないのかもしれない。一方、私は子供の嘘について感覚的に分かっている自負がある。散々困らせた母親に言うのもおこがましいが、私だったら「放っておけ」と言うだろう。

そう。周りには母親だけでなく多くの大人がいる。嘘をつく子供もピンキリだが、この手の「しょうもない嘘をつき続ける子供」は放っておけばいい。これが持論であり結論である。

相手も人間だ。成長速度にスピード差があれど、飯さえ与えていれば、いつかは大人になる。ある時期に「嘘つく意味はないな」と気づくようになるし、ある時期に「勉強しないといけねぇな」と自分ごとになるのである。

そして30代になった私だが、結婚もして普通のサラリーマンとして生活をしている。(多少の嘘はつくことがあれど、)まっとうな社会人をして幸せに生きている。子供に何を求めるかは人それぞれだが、放っていてもこの程度の人間にはなれるのである。

散々、三者面談で学校まで呼びつけた母親だが、そこまで思い悩ませていたとは思わなかった。親の心子知らずとは言うが、母親というのはそういうものらしい。「放っておけ」という結論を聞いたらキレるような気もするが、まぁ個人的な本音である。はっはっは。

大丈夫。子供は勝手に成長するさ。悩むほどなら放っておこう。

持論である。以上。


記事:アカ ヨシロウ

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