ドイツの「Ruhezeit(ルーエツァイト)静かにする時間」こそ生産性向上の秘訣
昨日のテレビ番組「世界一受けたい授業」の『あなたの常識は古い!知らないと恥をかくアップデートSP』で、ドイツのGDPが日本を抜いて世界3位になることが濃厚ということで、ドイツの暮らし・働き方・休み方・子育て・リサイクル状況について紹介されていました。
働く時間は日本より少なく、1ヶ月のバカンスを交代で休みを取得している(年初に社員全員の有給スケジュールを決める)にも関わらず、国民一人当たりの生産性はドイツのほうが上という事実。
なかでもルーエツァイトという決められた日時にできるだけ物音を立てない(洗濯機や掃除機含む)という時間があることに興味津々。
住む所によって住宅管理人が定めているそうなので、賃貸契約をする際に住宅規則「Hausordnung」を確認することが大事らしいですが、おおよそ上記の時間は音を立てずに過ごすとか。
日曜日はお店は店休日とするよう定められているため買い物ができないそうですが、それはそれで過ごし方が重要になりますね。
私は昔から、ドイツ人が「集団で行動するのは幼い時期のみ。独りであることは崇高で哲学的、とても大切な時間。」という価値観が好きで、ちょっと大人ぶりたい思春期の子どもたちがあえて独りで行動したり、ゆっくりと時間を過ごすことに共感を得ていました。
そしてそれはなんという贅沢な時間でしょう。
引っ越しの際にドイツ人が重視するのは「◯◯が近くにあるかどうか」というクイズが出て「図書館かな?」と思ったら、答えは「公園」。
とにかく散歩が好きな国民性で、自転車でどこまでも移動する(専用道路や高速道路まである)とあり、クルマ好きな私には若干「うう~ん」となるものの、その精神性は見習いたいものがあります。
というわけで私は犬の散歩に行く際に、愛犬ボストンテリアのプティが行きたい方向に向かうのですが、今日はプティが選んだのが「山の散策コース」だったため、入山。
冬のこの時期にも関わらず、イノシシが出没する我が地元ですが、冬の空気の清々しさが肺いっぱいに広がると、頭の中までクリアになって、ど田舎の山の麓の我が家でさえ空気が汚れているように感じます。
山の中は風の音しか聞こえず、生き物の気配は全く感じませんが、プティは時々耳をピンと立てて遠くを見つめ、何かの気配を感じている様子。もう一匹の愛犬パグのマグは何も気にせずルンルンと先頭を歩き、プティは少し慎重に殿をつとめる。
山に入ってしばらくすると【Ruhezeit(ルーエツァイト)静かにする時間】が頭によぎり、ああ、なるほどなあ。仕事ばかりしていても徐々に生産性が落ちてしまうのはこういった時間を設けていないからだよな。と改めて実感しました。
「あれ?入るときは気づかなかったけど山桜やしだれ梅が蕾をつけている」と気づいたとき、家を出て山の散歩コースを登って降りて、帰宅するまでおよそ2時間。
たった2時間にこんなにも豊かな気づきが沢山あることを振り返ると、ドイツ人が公園の近くに住む理由や、短時間で生産性が高いことも頷けます。
もちろん私は日本が大好きで、日本人の誇りを大切にしたいと思っています。しかし最近のあまりに酷い古びて腐った社会の一部を見聞きするたびに、清浄することも必要だと感じている次第です。
知らず知らずに水は淀み空気は濁り腐っていく。
それは人の心もそう。
そうならないよう、これからも私にとっての【Ruhezeit(ルーエツァイト)静かにする時間】を設けていこう。
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