![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/52843366/rectangle_large_type_2_7d048745022f0fdb004a9fd43bfca070.jpg?width=800)
《ヴァイオレット・エバーガーデンの暁佳奈先生最新作》「春夏秋冬代行者」の紹介
こんにちは相沢です。今回は「ヴァイオレット・エバーガーデン」の著者である暁佳奈先生の最新作「春夏秋冬代行者」を紹介しようと思います!
【あらすじ】
世界には冬しか季節がなく、
冬は孤独に耐えかねて
生命を削り春を創った。
やがて大地の願いにより
夏と秋も誕生し、四季が完成した。
この季節の巡り変わりを人の子が
担うことになり、役目を果たす者は
”四季の代行者”と呼ばれた——。
これは季節を顕現する役割を持つ現人神達の物語。
引用元:春夏秋冬代行者・特設ページ
竜宮という地で、舌足らずな、それでいて透き通った砂糖菓子のような声の少女 雛菊 とその従者である花唇、花瞼、花顔の三拍子の美少女 さくら が会話していました。
それは白銀に覆われた竜宮に10年ぶりの春が訪れようとしているときでした。
竜宮とは『大和』最南端の島であり他の島々とは植物も動物も異なる生態系を育んでいる、日本でいう沖縄と似たリゾート地です。
そんなリゾート地が10年間の春不在で崩れた四季の均衡の影響で銀世界となっていたのです。
少女二人はそれを解決するためにやってきた”春主従”でした。
四季の代行者にはそれぞれ側近である従者が1人ついています。さらに四季を運営する機関”四季庁”からの護衛が共に国中を回り四季を届けます。
しかし春主従は二人きりでした。
二人には味方が居なかった。守ってくれる者は居なかった。だから少女二人で旅をした。
引用元:春夏秋冬代行者 春の舞 上
そんな少女二人が竜宮の地で出会った一人の女の子 薺 に春を届け、その子を救うところから物語は始まります。
ここからは物語の内容以外の魅力を紹介していきます。
その1:表現力のレベルが群を抜いている
「この状態をこんな言葉を使って表現するのか!!」と絶え間なく感じるほどに暁佳奈先生の表現力には目を見張るものがあります。
私は有名なライトノベルや大賞・金賞などの作品は読んでいますが、ライトノベル界で暁佳奈先生の右に出る表現力を持ち合わせる方はいないのではないかと思うくらいにレベルが違います。小説家全体の中でも上のレベルだと思います。
その2:過去を徐々に明らかにしていくのが上手い
アニメなどの映像作品であれば回想シーンなどはそこまで難しくないと思いますが、小説という文字だけの世界で時系列がごちゃごちゃにならないかつ読者が理解できる回想を描くことは非常に困難だと思います。
しかし、暁佳奈先生の回想シーンは理解しやすいだけでなく、続きが気になりページを捲る手を止めることができなくなるほどの出来です。
ぼやけていた過去が回想を重ねるにつれて徐々にクリアになっていく感覚がたまりません!
その3:キャラクターとその関係性が魅力的
この作品では春主従と冬主従がメインになるのですが、そのような場合他の4人が疎かになりがちだと思います。
しかしながら、この物語では四季全ての主従の心情がとても丁寧に描かれているため、全てのキャラクターの魅力を強く感じることができて、どのキャラクターも甲乙つけがたいほどに大好きになってしまうのです!
特に秋の代行者は出番が少なめなのですが、それでも魅力がひしひしと伝わってきて、私は大好きになりました。
その4:あとがきで泣ける
見出し通りです。特に下巻のあとがきは暖かすぎて泣いてしまいました。これを書いている今もそれを思い出して涙目になっています。ぜひ皆さんも暁佳奈先生からの手紙を受け取ってください。
私はこの作品を読む前に「あのヴァイオレット・エバーガーデンを書いた天才の作品なんだから絶対すごいに決まってる!」と思っていました。
それは一部当たっていて、一部間違っていました。
確かに作品は言うまでもなくとても素晴らしいものでした。
しかしそれは天才が書いたからではなく、暁佳奈先生が描いたからなのです。
この意味は上巻のあとがきを読めばわかります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
紹介文を書いていたら読んでたときの感情が戻ってきてもう一度読みたくなってしまったので今回はこの辺りで失礼します。
ヴァイオレット・エバーガーデンを何度も見返したように、この作品を何度も読み返すことになりそうです。暁佳奈先生の作品は少し寂しくて、でもとても暖かくて、とても素敵なのです。それは暁佳奈先生自身がとても素敵な方だからなのだと思います。
暑い季節になりつつありますが心はどんな季節だろうと寒くなることがあります。そんな時に毛布となってくれる作品です。
少しでも多くの方に「春夏秋冬代行者」を読んでいただけることを願っています。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
あなたに幸せがありますように。
ではまた。
春夏秋冬代行者 春の舞 上
春夏秋冬代行者 春の舞 下
春夏秋冬代行者特設サイト
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?