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クマみ(≧∇≦)b

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書き続ける日々。すずろに愛おしい妄想を綴る、赤楚衛二への想い、 いつまでも(≧∇≦)b
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記事一覧

第五十段 3/13 ギンヨウアジア わかりません のさらに続々々

「さて、質問に答えてないことがあるのをわかっているか?」 落ち着いた寝息をたてるポンコヅに、安心したように微笑んだお嬢さんに、意地悪く声をかける。 なんのこと?不思議そうな顔をしながら、首をかしげる小悪魔なしぐさを見せるお嬢さん。 「ごまかす気?俺はとことん追究するほうなんで、追求するよ。どっからきた? 外からとか、は無しで。」 「どこから?」 「そう、どこから。 昔、俺の知り合い、友だと思ってたいた奴も、突然出てきた。そして、消えた…あれから30年近く経つ。

第四十九段 はるけし =(空間的に)はるかだ。遠い。

大丈夫だよ。大丈夫。 ずっと降りかかる言葉は、暗闇の中に時折、光を照らしており。 耳の奇音と、喉の痛みが強烈過ぎて、息するのも辛い。 辺りは闇。今まで味あったこともない苦痛、これは死に近づいているのやも。 これで終えるのは、げせぬ。まだ何もない。 始まってもいない気が、する。 広がる闇に、立つこともできず、苦痛に、のたうち回り。 続く、苦痛、 がつがっ、体内でひろがろうとする異物。 ただ、時折、降る言葉だけが、俺の、救いなり。 大丈夫。 助かる。 助け

第四十八段 突然ですが、漂っているです

石化できるという、怪しい親父さんの指令により、私は仕方なくポンコヅ君の体内にあるという、虫に寄り添うチャレンジをやることになった、漂っているです。 生まれたばかりの、か細い物体です。伸びたり縮んだりをやろうと思えばできる、浮遊物です。 本当は、実体化してはいけない存在なんですが、何故か、形としてあり、空中をうろうろとしておりました。 まぁ、自分でもなんだかよくわからないのですか、指令には従う。全力で従う。と思ってしまっているので、できるかどうかわかりませんか、やらさせて

第四十七段 3/13 ギンヨウアジア わかりません のさらに続々

お嬢さんが、捕まえた。文字の連なり、言葉の列を、摘みあげると、そいつは生き物のようにふわふわと蠢いた。 「ポンコヅ、口を開けな。」 喉元にある虫を押さえながら、無理やり口を開けさせる。 「漂っているさん、コイツの中の虫に取り憑いてくれない?殺さなくてもいいから、よりそってあげて欲しい。出来るよねぇ?」 漂っているさんの顔がどこにあるのか分からんが、とりあえずうごめいているほうに声をかける。    怖がらせるつもりもないが、先程の石化を見てたに違いなく、漂っているさん

第四十六段 ボールチェア またまた続き

「おいで、ここに」 優しく呼びかける。私が勝手に命名した、漂っているさん。ポンコヅ君の意識があればもどれるのなら、こうしたほうがいいかもしれない。 伝われ。 私はお父様の邪魔にならないように、気をつけながらポンコヅ君に近づく。 この言葉が、彼から放たれた時の、光景を思い浮かべながら、ポンコヅ君にふれる。ボールチェアに丸まっている、彼の、背中に。 優しく。 ポンコヅ君、大丈夫。待っててね。 漂っているさん、ポンコヅ君はここにいるよ。ここに戻って。いいんだよ。 私

第四十五段 3/13  ギンヨウアジア わかりません のさらに続き

空中に、頭上に、おかしなものが漂っている。黒い細長い、糸のような。 薄暗い部屋にぐるぐると、手に届きそうで届かない。捕まえたかと思うと、するりとすり抜ける。俺がその存在に、視線を凝らしていると、 「…声が聞こえる。ポンコヅ君が倒れる前に、放った言葉 …わかっているなら…助けろ… 声が、聞こえませんか?」 この部屋に似つかわしくない可愛いお嬢さんからの、声がしますとの発言に、俺はようやく笑えることができた。 「ははひゃ。こいつの言った言葉なんだな。これが。 なら話

第四十四段 What on earth?! =どういうこと?!

映画「砕け散るところを見せてあげる」を見た。 見る前に、ネットで予備知識で人物相関図を見てしまったのが、今として思えば間違いだった。 原田知世の欄に 中川大志が演じる清澄の妻 って。見てたもんだから、壮大なる勘違い。 ヒーローもので、なおかつおばさんと結婚する想像がつかない話。だと思い浮かべながら見てしまった。 おいおい。何勘違い、してた私。 見終わって、筋が通った話でかっこいい、切ない美しい映画だったのよ。 原田知世さんは、私が初めて映画を映画館で見た頃の好

第四十三段 ボールチェア さらに続き

体が固まってしまった。動かない。 ポンコヅ君のお父様に顎クイ、され覗きこまれた瞬間に体内の時が止まった。 怖い。 この人は、なんだか凄い。 どうしよう。 ボールチェアの中では、ポンコヅ君が苦しそうに呻きながら顔を歪めている。 急がなきゃ。 なのにこの、お父様は。ボールチェアの改造計画を嬉々として、思案している。 呑気が過ぎる。 ポンコヅ君の、のんびり気性はこの人由来なのでしようか? ふいに、変なメガネ。左側のレンズが黒い、黒い縁のメガネをかけて、あらためて

第四十二段 3/13 ギンヨウアジア わかりません の続き

「おい、動けない?」  ポンコヅ君を揺すってみる。 「気を失ってるのか、よえーな。 なあ、そこの、石のように固まっている人みたいな…石さん。 こいつ、虫にヤラれてるんだろ。どんな虫か見たか?」 やはり固まったまま、動かない。石の、人。 ああ、そうだった。懐かし過ぎて忘れてたわ、こいつら俺の、左目を見ると固まる癖があるのを。 部屋の隅のごちゃごちゃと雑誌の積み上がった古い木の机の、引き出しを探る。 ボルトやら配線やらが無秩序に放り込まれた机の中を、ゴソゴソと探り

第四十一段 3/13 ギンヨウアジア わかりません

よろよろとした足取りではあるが、しっかりと挨拶をしてきた娘? 丸い宇宙船のような椅子に、息子ポンコヅ君が寝こけている。 睡眠を邪魔されたのには腹が立つが、まあいいか。久しぶりの来訪者だ。 ひらふわなスカートをはいて可愛い感じの少女風な。石だ。 俺には、ルネ・マグリット風な、人と鉱物が重なって見える。 とりあえず、尋問だな。 目の前の生物の顎をつかむと、見つめる。いわゆる顎クイだ。石にやるとは思わなかったが、 「どっから、来た?何しに来た?息子はどうしたのか?お前

第四十段 椅子 ボールチェア 続き

空高く、はるか彼方よりボールチェアが飛んでゆく。ポンコヅ君のマンション、4階部分へ。 咲き始めたばかりの桜、チューリップ、菜の花、その他色々。それぞれの花びらが、二人の入ったボールチェアを追いかけ、舞い散ってゆく。 雨風強いのに、濡れないのは、誰が誰かを守っているならなのか。チェアの中は、快適だ。苦痛に顔を、歪めるポンコヅ君以外には。 耳もとに話しかける、 「大丈夫ですか?もうすぐつくからね、頑張って。 大丈夫だから」 なんとかなる。妙な自信だ。聞こえていないかも

第三十九段 twist and turns (ハラハラドキドキ)

月締め、月始め、年度がわり、コロナ禍でも、やらねばならないことがあり。 桜は、締めに、必死な人々の応援花のようにきれいに咲いて散りました。 なんとか乗り越えたあとの、燃え尽き感は、毎年慣れない、去年も思ったが、今年くらいしなくてもよくない? とか、逃げの気持ちも相まって、逃避行。 タイドラマにハマる。 「2gether」正式タイトルが不明。タイ語わからん。 サラワットって、なにワット? なんじゃこりゃ。天使と王子が、たわむれるありがとうな展開。 天然天使 タイ

第三十八段 椅子 ボールチェア

ーわかっているなら助けろー ポンコヅ君が倒れ落ちた。誰に向かって放った台詞なんだろう。 私は何もわかっていない。彼らの、喧嘩の原因が何か。なぜ春の雨さんが、ポンコヅ君を殴ったのか。 「…間に合わなかった。 ごめんなさい。αお嬢様、彼は虫に侵されている…と思う。」 春の雨さんが、聞こえないような小さな声でつぶやいた。 「…気づかれたのかも。我々が気づいたのだから。奴らも…」 「虫に侵されている?助ける方法はご存知ですか、助けないと。 それと、さっきはごめんなさい

第三十七段 ひろめく=あちこち動き回る  のたうち回る

どわーつー。 強烈な耳鳴りと、喉にひりついた痛み。と、腹部の殴られた痛みがクロスせり。 喉の痛みは何かが、張り付いて体内へと、押し入っているようで強引な痛みが、突き抜ける。 春のあやつが殴り飛ばしてでも、吐き出せたかったものが、これか。 あいつ、何も言い訳しないから、αお嬢様に強烈に嫌われてるぞ。 がつがつと体内にひろめいていて、くるしい。これが何か、わかっているならどうにかしてくれ。 俺は、耳を押さえなかなから、苦痛に耐え切れさず、ひろめけり。 「…わかってい