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赤マント

赤マントは戦前から存在するという怪人です。
元々は子供を攫い殺害するような、ド直球の怪人でした。

子供を攫うという性質から学校の怪談へ組み込まれたようですが、いつの間にかトイレの妖怪となってしまったようです。

 トイレの怪談には《尻を撫でる手》、それが変化した《赤い紙、青い紙》がありましたが、戦後、校舎の建て替えによって、学校のトイレが汲み取り式から水洗式へ切り替わっていった過程で、便器から伸びる手のリアリティを維持できなくなり、名前に赤が入っている赤マントに白羽の矢が立った、というところでしょうか。

80年代以降有名になった《赤い半纏》など、襲われるとトイレの個室で失血死する妖怪は、トイレの妖怪としてあらわれた新しい《赤マント》から派生したと思われます。

 こうしたことから、赤マントと呼ばれる妖怪は新旧二種類がいると考えても良いと思います。

 

そしてこれは母校の小学校にあった怪談ですが、体育館に隣接するトイレだけに赤マントが出るという話があり、連れ去られて殺されるという、新旧二種類の折衷案のような形でした。

この噂が体育館に隣接するトイレだけにあるのは、このトイレが校内唯一の屋外にあるトイレであり、尚且つ校門からかなり近い場所にあるという、外部からの侵入者に襲われる確率が最も高い事が関係しているかもしれません。

 自分は母校の話だけしか知らないんですが、ひょっとしたら、似たような条件のトイレを持つ学校でも同様の噂が囁かれていたかもしれませんね。

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