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はーい、川ノ森千都子さん。

■はじめに

さっそくですが、
川ノ森千都子さんのことをご存知の方は多いと思う。
こんな方です。

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あ、すんません。
こっちのほうが正しいのだ。
アイコンのイラスト通り、素敵な人。        

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ちづこさんは、noteで大活躍中の方で、フォロワーが多く、noteの編集部にもよく記事が採り上げられている人気のnoterさん。

読みやすい文章はさすが編集者。
よく写真でお料理や息子さんのためのお弁当や朝食などを紹介されており、家庭でもよいお母さんなのだとわかる。

彼女は最近、メルマガのお仕事をされることにもなった。

noteやってることがお仕事につながるなんてすごいよね。

とても明るくカラフルな画像、すっと読める文章、カジュアルでとてもとっつきやすい話題、きさくな人柄・・・。人気あるのも当然だ。

毎日がキラキラ輝いてる人なんだよな。
もちろん、ちづこさんにも悩むこととか気落ちする時もあるとは思う。
でも彼女は根っから健康的な明るさを持つ人だから、文章を読むと、どこか私はポジティブになれる。
元気がでるし、ふと家族のことについて考えさせられるし、お腹が減る(料理写真がとても美味しそう)。
彼女、頭が良いので行動や記事内容は実に地に足の付いたものであり、気配りを忘れないnoterの鑑(かがみ)のような存在だ。

そんなちづこさんが、何を血迷ったか(いえいえ、優しいんです)この記事で私について紹介してくださった。

私は日本史系の記事を書くライターやっとります。
長く中断していたライティングを再開し、noteを始めたのもスペインのマドリッド在住中からだった。
それを珍しがってくださったちづこさんが、記事の中で幾つか私宛の質問をしてくださった。

私が今回この記事を書くのは、そのちづこさんからの質問に回答させていただくためなんである。

興味のある方がいらしたら、この先読んでみてください。

■私は歴女ではありません。

ちづこさんの目には、スペインに住んでいるのに日本史などの記事を書いている私は変わっているように見えたのだろう。
自分でも、何て効率の悪い日本史ライターなのかと思う。
私は、外国にいるのに日本の歴史や文化についての記事を書いている、アカデミックなバックグラウンドのないただの日本史好きです。
でも、どうか皆さん、「歴女」とだけは呼ばないで。
自分は「歴女」や「刀剣女子」などと言われると「何か違う・・・」と思ってしまう。いや、一応歴史周辺の女は女ですけど。

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言うなれば、私は歴史ギーク(Geek/オタク)である。

日本史が好きすぎて「自力で勉強するからええねん」と大学で日本史を専攻しなかった馬鹿。
怠惰な私は、史跡などを見て回りはしたものの、結局特に力を入れて勉強もしなかった。
はい、今になって後悔してます。ちょとね。ちょっとだけね。
泣いてないよ。

さあ、そんな私がちづこさんからの3つの質問にお答えさせていただきます。

■質問1への回答

ちづこさんの質問1:資料で困ることはありませんか?

スペインで記事を書くとき、資料不足で困ることはまずない。
ウエブ記事用の原稿の場合、それほど専門的な記事はまず必要とされないからだ。
ほとんどの依頼主は歴史上の有名な事件や人物について「小学生・中学生が読んでも理解できるように」とわかりやすく説明することを主眼にした原稿を注文してくださる。つまり、深い記事よりわかりやすい記事。
「おっ」と思う面白い視点を見つけて平易な言葉で説明すればよい。

だから
・日本帰国の際に購入した資料
・コピーをすでに入手している資料
・ウエブ資料(出典が明確なもの、要クロスチェックなどの条件はある)
・ウエブ上の論文資料
などを使用している。

さらに、私には「資料に困ったら頼って」と言ってくれる日本在住助っ人が2人いる。

まずは「同級生の金田」

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日本のガイドブック系の出版社勤務の友人だ。
実は中学生だった彼が、この記事に登場している。

今、私はnoteで『戦国百人一首』というプロジェクトを進行させているが、その準備段階の時、
「戦国時代の人の、いい辞世知ってたら教えて。100首集めるから」
とお願いしたら、1首だけ教えてくれた。
100首必要なうちの1首だよ・・・。助かるよ(遠い目)・・・。

もう一人は、うちの親戚では一番頭のいいイトコの「神ねーちゃん」だ。

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才媛で、大学の先生をしている。

あ、彼女もそういえばこの記事に出ている。

頭がいいんだが、しょっちゅう論文や出版物(なんか超難しそうな英文学系のやつ)に追われており、しかもその締め切りを守らないことも多い猛者だ。
出版社を待たせたまま校正をせずに数年経過していたこともある。
恐ろしく論理的でキレキレ人だが、体力と車の運転センスはゼロ。

上記の2人がいる、と思うと安心(←本当に?)だ。
だが、まだ彼らにがっつりヘルプをお願いしたことはない。

少し前に「ハニ本」

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とか、

「戦のねだん」

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の制作の時は、担当編集者さんも必死なので、資料収集にもとても真剣に対応してくださった。
私は手持ち資料とウエブ上で公開されているデータを活用しながら、送られてくる膨大な資料をひたすら読んで作業をさせていただいた。
商業出版用の書籍のときは、信頼置ける著者による大量の資料が必要なのだ。それらが「参考文献」として紹介されている書籍たちである。

ただ、歴史上の常識・事実、というのは年々アップデートされており、古い書籍や文献には反映されていない新事実も多々あるので要注意だ。
信頼される著者・研究者による書籍資料も、発行後の新発見などでデータが古くなっていることもある。
ウエブのほうが新説や新資料についての新聞報道、それに対する考察などが見つけやすく、早く公になることも少なくない。
例え1000年前の出来事に関することでも、フレッシュさが必要なのだ。
書く以前にどの資料を使うかは、とても大切だと思う。

加えて、これらの本もとっても役に立つ。

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高校生が授業で使っている山川出版の日本史用語集と資料集。
自分の高校時代から比べると随分充実し、厚くなった。
これらは、事件の名前や用語、人名、役職などを記載する際の基準となる。
そう、高校の授業の用語集・資料集って値段の割にすごく「使える」本なのだ。

このような資料に支えられて、私のつたない歴史記事が出来上がる。

■質問2への回答

ちづこさんの質問2:
スペインと日本のかかわりを調べようとは思うのでしょうか?

これは、アレでしょ。

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こんな感じ?

キリシタン的イメージの歴史のことをおっしゃっているのかと勝手に想像している。(上のは天草四郎のイラストだけど)

九州のキリシタン大名たちが派遣した天正遣欧使節団、伊達政宗が派遣した慶長遣欧使節団など日本とスペインとは戦国から江戸期にかけて交流があった。

さらにスペインにはヨーロッパのカソリックの3大巡礼地の一つ、サンティアゴ・デ・コンポステーラというところがあって、四国88ヶ所巡りのお遍路さんに似ている「カミノ・デ・サンティアゴ」と呼ばれる巡礼が盛んだ。


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私が少し参加していた愛媛大学の古文書修復作業を主宰されておられた教授のように、このあたりのことに2国の共通課題を見つけて研究されている方もいらっしゃる。
だけど、私は残念ながら今のところはスペイン-日本の交流的なことを調査するような活動はしていない。

なぜなら注文がないからだ。
歴史作家や歴史学者なら、自分のテーマを見つけて作品や論文を書くことだろうが、とうてい私はそんなレベルに到達していない。

スペイン側から日本の歴史を研究したり調査するのは、かなり専門的な内容になってくるので、一般には需要も少ないと思う。一介のライターである私は、「需要」のあるところで、与えられたテーマについて書くことを求められるのが常なのだ。

日本とスペインとの交流史を研究するにも、やはりまずは日本側から基礎の勉強が必要だと思う。そして、何か日本側からテーマを見つけ、研究する過程でそれを裏付ける資料をスペインで探す、ということなら将来やってみるのもおもしろいかな、とは思っているんだけれど。
でもぉ、スペイン語がなぁ・・・(スペイン語苦手です)。

■質問3への回答

ちづこさんの質問3:
スペインで日本史研究をしていておもしろいことはありますか?

すみません・・・。
研究などという大それたことはやっていないのです。
今は注文が来たら、それについて調べて書く、というのを繰り返している段階で、「スペインで日本史研究」って言われると、恥ずかしすぎる。
おそらくちづこさんが何か期待をされているような「スペインだから面白いこと」とかも特にない。地味過ぎる・・・。
全然面白くないし、期待どおりの回答じゃないですよね。
ごめんなさい。

ただ、「日本から遠く離れたスペイン」だからこそ、日本を恋しく思うし、日本文化を尊く思う。
海外在住になると、外から日本を見つめることができる。
満開の桜や藤の写真一枚を見てさえ、とても日本を誇れる気分になる。
スペイン人の友人に「すごいね」とか言われると「まあね(ニヤリ)」とか反応しちゃう(自分は何もしてないのに)。
そんな気持ちを、日本の歴史紹介記事に託して「素敵でしょ、面白いでしょ、スゴイでしょ」の発信をしたいと思っている。

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いや、真面目に。

■おわりに。お礼。

ちづこさん。
この程度しかお答えできなくてすみません。
なんかスゴいこと、(スペイン人を引き連れ、資料を求めて日本史研究しているとか!?)やってたらよかったんですけど、まだまだ修行中ということで許してください。


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でも、今回ちづこさんの質問に対する回答をさせていただいたことがきっかけで、あることを思い出した。
そういえば私、スペインと日本との交流関連で興味を持っていた題材が全くなかったわけじゃない。ちょっとだけあった!
「研究」には遠く及ばないが、それをいつか時間を見つけてnoteで紹介してみようかなという気になってきた。

こんなことを思うのも、ちづこさんの質問がきっかけです。
また、今回のような記事を書くきっかけをくださったことに感謝してます。
ありがとうございます!

歴史の真実というのは1つだけ。
それに行き着くのは難しいけれども、でも歴史は人を裏切らない。
例え私たちが歴史の真実をまだ見つけられていなくても、辛抱強く私たちが真実と事実に到達するのを待ってくれているはず。
私は私なりのペース(ゆっくり目)とレベル(カジュアルレベル)で大好きな日本史の面白さを少しでも発信できたらいいなと思う。

つたないですが、これが私の川ノ森千都子さんの質問への回答となります。
ここまで読んでくださった方、どうもありがとうございました。


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