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「光る君へ」うろ覚えレビュー《第22話:越前の出会い》

「光る君へ」はいきなり始まる。
うっかりしているとドラマは遠慮なく始まっている。
確か、まず画面に「大河ドラマ」とポツリと表示されるのだ(こういうところがうろ覚え)。
そして前話に少し重複するような形でドラマはその続きから放映されることが多い。おおそうだった、そうだったと視聴者の思考回路が、平安時代に没入し始めたころに、オープニングの音楽が流れて番組が正式に開始される、という運び。
このスタイル、いつから始まったのだろう。最近は、「麒麟がくる」も「青天を衝け」も「どうする家康」もこの感じが続いていたようだが。
うっかり見過ごさないよう、ドラマ開始時間ちょっと前から注視しなくちゃならない。だって意外とおいしい場面が最初にくることもあるから。

■越前の出会い

たしかに、22話のタイトル通り、越前へ到着した藤原為時と娘のまひろには、ここ越前でたくさんの出会いが待っていた。

為時はこんなこと言ってやしないが。

実は最初からあたしは用心しようとは思っていた。
だって、まひろの父親の藤原為時は、学問はできるが、世間慣れしていないので、国司としての赴任先の大国・越前においては、かの藤原宣孝のぶたかみたいにズケズケひょうひょうと世間を渡り歩いていけるような気がしなかったのだ。
越前は、中国語ができるだけでやり過ごせるような生易しい国ではない。
絶対トラブルに巻き込まれる。
そうだ、そうだ、そうに決まった。

この22話は、これからの越前でのアップ&ダウンな為時’sライフを彩るべく、クセのある連中が次々と登場する顔合わせの回だったのじゃないかと思えた。

宋からのやり手商人・朱仁聡ジュ・レンツォン
表向きは為時の下で働きながら実は自分らに都合のよいよう好き勝手しようとする現地在住の役人・越前介えちぜんのすけ源満雅みなもとのみつまさ大掾だいじょう大野国勝おおのくにかつとかいう人たち。もう見るからにやな感じのおじちゃんたちだ。
さらに宋からの薬師・周明などが出揃った。
周明はまだ彼の立ち位置がよくわからないながらも、かっこいいので絶対ええもんに違いない。
だが、朱は抜け目ないビジネスマンのようだし、すけ大掾だいじょうの2人は、役職特権を振りかざして偉そうに振る舞う地方の悪役行政官の典型みたいな私腹を肥やしたいタイプ。

為時が苦労し疲弊するのは目に見えている。
なぜかまひろが甲斐甲斐しく父親の業務の手伝いをしているが(そんなこと許されないと思うんだが)、ドラマ上ではとりあえずまひろがいてくれてよかった。

あたしは、越前でまひろたちが出会う人物たちを片っ端から疑ってかかっていた。通詞つうじ(通訳)の男さえも悪いやつかと思っていた。
テキトーなことを通訳して自分に都合のよいようにしてるんだろう、などと思っていたら、その彼が殺されてびっくりだ。
彼はあっち側の人ではなかったのだろうか。
しかも、朱がその殺害犯だとされてしまった。大事件である。

事件の対処について、あたしは最近性格の悪さに磨きがかかっているので、まひろが通詞殺害事件について国司の父の代理となって、都の左大臣・藤原道長に手紙を書くのも、冷ややかに見ていた。
この手紙は一応行政文書的な書簡であるし、さすがにまひろもラブレター的な要素を書き足すことはできない。
だが、道長はまひろの筆跡を知っているし、当然彼女が越前にいることも知っている。
まひろは自分の筆跡を見た道長が何か思うことを意識してたはずだ、絶対。
案の定、道長はまひろが書いたことに気づいたようだった。
だが、結局そのような事件は越前側で処理してくれ、というのが左大臣(道長)からの返答。
まぁ、そういうのも含めて宋人がらみの国際問題も為時が処理しなくちゃいけないんだろう。

為時のメンタルがいかれてしまわないことを祈る。

■おそろしや源明子

道長のもう一人の妻は、クールビューティな源明子だ。
この人、すごく綺麗ですね。ちょっと怖そうだけど。
彼女は、道長の父親の兼家のことは呪詛しまくっていたが、一体いつのまに道長にお熱を上げることになってしまったのか。
何かあったっけ?
ネットによると(NHK公式ガイドブックとかは読んでいないのでネットが頼り)、この女性こそ、『源氏物語』の登場人物でいう六条御息所ろくじょうのみやすんどころに相当する人物らしい。
『源氏物語』を読んだことのある方ならわかると思うが、それならば情念の強い女性であることは間違いない。
六条御息所はプライドも高く、嫉妬深くて思い詰めるタイプ。

「明子なしには生きられぬといわせてみせます」
というなかなかの自信家の明子。
この想いが吉とでるか凶と出るか。
凶の予感がするけれど。
光源氏への想いが強すぎ、生霊になってまで正妻の葵の上を苦しめた六条御息所。
では、明子の負の情念はどこへ向くのだろうか。
道長の正妻・倫子か、道長の心の恋人・まひろか。まひろっぽいよな。

■エキゾチックアニマルズ

日本にはいなかった動物たちが、宋の商人やそのほかの外国から輸入されてきている。例の倫子が飼っているペット猫・こまろだって唐猫とよばれていた輸入動物のはず。
前話で登場したオウムをはじめ、今回は羊も登場したが、あっというまに食材になってしまった。
平安時代には、孔雀なども輸入されて珍重されていたらしい。

藤原実資は、人の言葉を話す(と思われている)オウムに関心があるのだろうか。
いつもブツブツいう実資だが、うっかりオウムの前でグチをこぼせば、コピーされてしまいそう。

■薬師の鍼治療

謎の男・周明が活動を開始した。
海岸でまひろと話をした時に、自分の名を名乗った彼だが、十分に話しをする時間はなく、のちになって、薬師であることが判明する。
為時の腰痛を治す鍼治療を施術したのが彼だったのだ。
治療で針を刺された為時はお約束通りに大声で叫んでいた。
リアクションがマンガみたいだったが、それに対する周明のリアクションは皆無でした。

薬師ってことは、周明も頭のよい人物なのだろう。
朱が犯人だとされた通詞の殺人事件だが、周明は朱が犯人ではないという。名探偵周明によって本当の犯人が暴かれるのだろうか。
それにしても周明、急に流暢な日本語喋っているが、なぜですか。
演者が中国語ばっかりのセリフを覚えられなかったのだろうか。
そこらへんは次話でわかるみたいだから楽しみにしてよう。
あ、もう明日じゃん、23回!


言ってません。こんなこと。