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この本づくりに参加しました。「古墳まるわかり手帖」が発売開始。

今回は「古墳まるわかり手帖」(二見書房)をご紹介させていただきたい。
古墳研究の第一人者である広瀬和雄先生の監修による。
この本には、古墳についての基礎知識や全国にある主要な古墳・古墳群のリストがたんまり詰まっている。
やわらかなイラスト、そして写真もいっぱい入ってるよ。
あなたのお住まいの近くにある古墳が掲載されているかもしれない。
9月21日(木)発売予定である。


見本誌いただきました!

古墳はタイムカプセルだと思う。
およそ3世紀くらいから7世紀くらいにかけて造られていたとされる古墳。
当時の豪族とか大王(おおきみ)一族とか、一定の地位以上のひとびとが埋葬されている。

そして古墳は、誰かを埋葬したときに一緒に納めたもの、その棺の形、棺が入っていた石室、石室までの通路、石室が納められていた墳墓の形、規模、そんなものがたくさんのヒントになって「そのとき、その時代」についていろいろなことを教えてくれる。

「あ、こんな地方なのに奈良や大阪あたりの中央と文化交流してたんやな」
「ここ、あのやんごとなきお方と関係の深い人が眠っているお墓やん」
「この墓は一族の誰かが亡くなるたびに追加して埋葬していってる」
「ほっほー。海からやってくるひとびとに見せつける目的でここに古墳を作ったのか」
「このゴージャスな副葬品は・・・つまり、海外からのもの?」
「ちょっとまって。この鏡、同じものが別の古墳からも出土してるんですけどー!」

中には、遺骨についていたほんの小さなハエのサナギの殻(つまりウジの殻だよね)の発見から、人が死んだあと埋葬するまでの工程のナゾがひとつ判明したりもした。ねぇ、すごくない?
考古学者のみなさん、発掘作業をされたみなさん、お疲れ様です。

そんな面白い全国の古墳について紹介した本づくりに、私も関わらせていただいた。実は、この本に掲載されなかった古墳もまだまだたくさんあるのだ。古墳って、学校の授業で習う「仁徳天皇陵(大仙陵古墳)」とかじゃないと、あまり知られてなかったりするよね。
この本をきっかけにいろいろな古墳に興味を持っていただけたらな、と思う。偉そうに言ってる場合ではない。私もまだまだ勉強しなければ。

先日、法隆寺の植え込みだと思われていたものが、古墳だったことが発見されたばかり。

この古墳も発見されるまでは、専門家だって「まさか」って思っていたんだもん、日本にはまだまだ隠れた墳墓がたくさんあるに違いない。
これからも新たな古墳が見つかるだろう。楽しみである。

みなさんが本屋さんで目にする機会もあるかもしれない、この「古墳まるわかり手帖」。この本に原稿を書かせていただく機会を得たことに感謝している。

出会ったら優しい目で見てやってくださいね。