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発信コンテンツはpodcastと漫画・映画の感想。 podcast「山のお陰ラジオ」https://twitter.com/yamanookage

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『ここは今から倫理です。』27・28話を読んで"今"私が何を考えているか

□鳥岡くんの問い「なんで殺しちゃいけないの?」 今回取り上げるのは『ここは今から倫理です。』6巻に収録されている、倫理の先生である高柳と素行不良な生徒である鳥岡との話である。  この記事はすでに話を一度読んだことがある人を読者として想定しているため、ネタバレが含まれる。  さて、鳥岡には幼いころから何かを殺したいという衝動があり、現在の高校生活では他生徒との喧嘩や性交を行う様子が描かれる。そんな鳥岡が高柳先生にぶつけたテーマは「なぜ人を殺してはいけないのか」である。 □

    • 『傲慢と善良』に学ぶ老いのエッセンス

       今回の投稿では、小説『傲慢と善良』をみた感想を書く。この小説を読んだときの問いは、「傲慢な方が人生楽しいのではないか?」ということだ。考えたことを記録として書き起こす。 (この記事にはネタバレを含む) □結婚目前だった二人 この作品の主人公は二人いる。  一人目は西澤架という男性主人公だ。  周りからは「いい人」だと評価されている。傲慢な部分があだとなり、結婚を決断できず元カノにフラれた経験がある。  架は傲慢である。しかし、この物語では他の登場人物たちの傲慢さがどんどん

      • 暇と向き合う「暇と退屈の倫理学」part7(完結)

         今回の投稿では、書籍『暇と退屈の倫理学』の第6,7章および付録について触れる。  この書籍を読む際の私のテーマは「今、暇と退屈を解きほぐしたとき、退屈の方の輪郭はどうなっているか?」という問いだ。  引き続き考えたことを記録として書き起こす。  part .1から読みたい方はこちらへ。 https://note.com/akashi_yama/n/n2c11c2a5be81 □人間のもつ自由 さて、第5章では退屈を3つの形式に分類して考えていくことにより、退屈への理解

        • 暇と向き合う「暇と退屈の倫理学」part6

           今回の投稿では、書籍『暇と退屈の倫理学』の第5章について触れる。  この書籍を読む際の私のテーマは「今、暇と退屈を解きほぐしたとき、退屈の方の輪郭はどうなっているか?」という問いだ。  引き続き考えたことを記録として書き起こす。  part .1から読みたい方はこちらへ。 https://note.com/akashi_yama/n/n2c11c2a5be81 □退屈の三層分析 さて、第4章ではゴールなき個性主義と別れを告げてきた。  第5章では、「退屈って一言にいう

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        『ここは今から倫理です。』27・28話を読んで"今"私が何を考えているか

          暇と向き合う「暇と退屈の倫理学」part5

           今回の投稿では、書籍『暇と退屈の倫理学』の第4章について触れる。  この書籍を読む際の私のテーマは「今、暇と退屈を解きほぐしたとき、退屈の方の輪郭はどうなっているか?」という問いだ。  引き続き考えたことを記録として書き起こす。  part .1から読みたい方はこちらへ。 https://note.com/akashi_yama/n/n2c11c2a5be81 □本当に私は暇か さて、第3章では暇と退屈を区別してその関係性を追った。  そして、同じように暇であっても、

          暇と向き合う「暇と退屈の倫理学」part5

          暇と向き合う「暇と退屈の倫理学」part4

           今回の投稿では、書籍『暇と退屈の倫理学』の第3章について部分的に触れる。  この書籍を読み始めた際の私のテーマは「今、暇だと感じているのはどんな状態なのか?」という問いだ。  引き続き考えたことを記録として書き起こす。  part .1から読みたい方はこちらへ。 https://note.com/akashi_yama/n/n2c11c2a5be81 □暇と退屈の違いについて 第3章では暇と退屈の違いを整理してから、”ひまじん”と”余暇”の社会的見方が示されている。

          暇と向き合う「暇と退屈の倫理学」part4

          暇と向き合う「暇と退屈の倫理学」part3

           今回の投稿では、書籍『暇と退屈の倫理学』の第2章について部分的に触れる。  この書籍を読み始めた際の私のテーマは「今、暇だと感じているのはどんな状態なのか?」という問いだ。  引き続き考えたことを記録として書き起こす。  part .1から読みたい方はこちらへ。 https://note.com/akashi_yama/n/n2c11c2a5be81 □定住革命と退屈 第2章では西田正規さんが提唱した「定住革命」に沿って、人間と退屈の出会いをたどる。  人類が定住を

          暇と向き合う「暇と退屈の倫理学」part3

          暇と向き合う「暇と退屈の倫理学」part2

           今回の投稿では、書籍『暇と退屈の倫理学』の第1章について部分的に触れる。  この書籍を読み始めた際の私のテーマは「今、暇だと感じているのはどんな状態なのか?」という問いだ。  引き続き考えたことを記録として書き起こす。  part 1から読みたい方はこちらへ。 □退屈は不幸へ向かう 第一章では退屈に関する過去の遺産をたどる。  最初はパスカルだ。  パスカル曰く、退屈するということは人間のすべての不幸の源泉である。  そんな悲しいプログラムが人間の中で稼働しているの

          暇と向き合う「暇と退屈の倫理学」part2

          暇と向き合う「暇と退屈の倫理学」part1

           今回の投稿では、書籍『暇と退屈の倫理学』のまえがきと序章までについて部分的に触れる。  この書籍を読みながら考えていることは「今、暇だと感じているのはどんな状態なのか?」という問いだ。  考えたことを記録として書き起こす。 □まえがきと哲学書 さて、私が「暇と退屈の倫理学」という本を手に取ったきっかけは、私生活の中で時間的・思考的余裕が生まれたものの、暇だと思ったからだ。  まえがき部分は哲学書としての本書の自己紹介だ。  生きていたら「まあ、いいか」と妥協を使いこな

          暇と向き合う「暇と退屈の倫理学」part1

          映画「AKIRA」を見た年末年始と俺の金田さん

           今回の投稿では、映画『AKIRA』をみた感想を書く。この映画をみて思ったのは、「俺にとっての金田はいたのか」という問いだ。考えたことを記録として書き起こす。 □金田さんというボス さて、「AKIRA」の主人公は金田さんだ。アキラではない。  「NARUTO」を見て育った私は、アキラはいつ出てくるのかと思いながら観ていた。    本映画はアニメ演出や過呼吸BGMなどと、気になる部分に事欠かない。かっこいいバイク×セカイ的超能力×コンプレックスが組み合わさったストーリーが展開

          映画「AKIRA」を見た年末年始と俺の金田さん

          『バットマン ビギンズ』に学ぶ恐怖のシンボル化

           今回の投稿では、映画『バットマン ビギンズ』をみた感想を書く。この映画をみて思ったのは、「私にとっての恐怖のシンボルは何か」ということだ。考えたことを記録として書き起こす。 (この記事にはネタバレを含む) □衝撃のニンジャ集団 このところ名作といわれる映画を見たい欲がある。バットマンの原作は全く知らないけれど「ダークナイト」を見たいと思った。  しかし、どうやら3部作ということらしい。そこで1作目の「バットマン ビギンズ」を見ることにした。  始まりは、主人公ブルース・

          『バットマン ビギンズ』に学ぶ恐怖のシンボル化

          旅動画を見たくなるとき

           今回の投稿では、主にZUMIさんが2008年にニコニコ動画に投稿していた『18切符でサイコロの旅やってみた』シリーズを見た感想を書く。  この動画をみて思ったのは、「旅動画を見たくなるのはどんなときだったか」ということだ。考えたことを記録として書き起こす。 □私の好きな旅動画 旅動画と聞くと最初に思い浮かぶ動画は人それぞれだと思うが、私にとっては「水曜どうでしょう」である。  中でもサイコロの旅が好きで、すでにみたシリーズでも何度か見返している。  今回はゴールデンウィ

          旅動画を見たくなるとき

          希望の調達方法再考『ショーシャンクの空に』

           今回の投稿では、映画『ショーシャンクの空に』をみた感想を書く。この映画をみて考えたのは、「狂わないための希望の調達方法」だ。  考えたことを記録として書き起こす。 (この記事にはネタバレを含む) □不運を認識する銀行員  さて、作品の主人公アンディは妻とその愛人を殺害した罪で終身刑となった銀行員である。作中では明らかになっていないが、おそらくそれは冤罪だった。  不運にも強度がある。人間の人生を左右するくらいわけもない。  刑務所に入ってしまえば、絶望するまでに時間はか

          希望の調達方法再考『ショーシャンクの空に』

          憧れについて考える

           最近、ブログやラジオで立て続けに「憧れるひと」について聞く機会があった。そのため、次はなにについて文章を書こうかと考えていた時に、「憧れるひと」というテーマが頭に浮かんだ。  印象に残っているということは、取り入れる情報として無意識のうちに選択していたのだろう。  そこで今回は自分が憧れるひとについて考えたことを記録として書き起こす。  最初に憧れの定義を確認しておこう。 □自分の能力を上回っているひと 憧れを抱くような人物像として最初に思い浮かぶのは、自分の能力を上

          憧れについて考える

          低能な観客的『マイ・プレシャス・リスト』レビュー

           今回の投稿では、映画『マイ・プレシャス・リスト』をみた感想を書く。この映画をみて思ったのは、「映画を見ることを途中でやめることができる人になりたい」ということだ。考えたことを記録として書き起こす。 (この記事にはネタバレを含む) 驚くべきは心のしじま 自分の環境を打ち破っていくような映画が見たいと思って、本作品を鑑賞することにした。  主人公はIQ185でハーバード大学卒の天才であるが、引きこもりでコミュニケーションは得意ではないという19歳のキャリー・ピルビーという女性

          低能な観客的『マイ・プレシャス・リスト』レビュー

          ドラマ『天国と地獄~サイコな2人~』は他人事か

           今回の投稿では、ドラマ『天国と地獄 〜サイコな2人〜』をみた感想を書く。この映画をみて思ったのは、「他人事と自分事のどちらの方が頑張れるのか」ということだ。考えたことを記録として書き起こす。 (この記事にはネタバレを含む) □入れ替わりヒューマンドラマ 自分が自分である限り、現状から抜け出すことはできない。こんな考えは誰の頭にもよぎるのではないだろうか。  いっそのこと他人になってしまえば、現状を打破できる。そんな可能性を考えてしまう。  私は登場人物の人格が入れ替わる

          ドラマ『天国と地獄~サイコな2人~』は他人事か