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今更ながら人類滅亡後の小世界をPinocchiaたちと歩いた話・2機目

第二階層:農業区画
「赤熱刃に火を点すような日々」

 ようやく一歩コマを進めた主人公サンとお供たち。
 まず気付いたのは、一度先の階層へ進むと前の階層へは戻れないということだった。これは第一階層の拠点のロッカーのひとつに集めていた、各種1個以上のジャンクが実質的に永久に失われたことを意味する。だって……いっぱいアイテム出てきたらコレクションしたくなるし……重量制限あるから常時全部持ち歩くのは無理だし……まぁこういう酔狂な例はともかく、応急修理キットが戸棚に残ってないかくらいの確認は出発前にして損はないと言ってみる。犠牲から何を学ぶかということだ。

 で、第二階層の拠点を調べる。ラウンジに「砲撃型」アンドロイドの設計図があった。

『砲撃型アンドロイド』
 後方からの援護射撃が用途のアンドロイド。攻撃力は汎用型以上に低いが、スキル「曲射砲撃」により毎ターン全体攻撃を行える。
 対集団戦や討ち漏らしの始末に力を発揮するその性能は、一点突破に徹する攻撃型とは対照的と言える。後衛でも威力が落ちないので後衛から撃たせるのが基本だが、HPや防御力は汎用型並みにはあるので万一の時は前衛で受けに回らせることもできる。

 一見すっきりした顔立ちの物静かそうな美女だが、実は割とおしゃべり。かつ一人称が「僕」。イケメンめいたキザな言動も相まって、宝塚の男役のような雰囲気を漂わせる。

 ぬ~~ん。また攻撃専門のアンドロとは、正直ちょっと期待を外した。できたら防御とか回復とか、この暴れポニテをどうにかフォローできそうな能力持ちだったらうれしかったのだが。まぁちょうどコアもあることだし、とりあえず1機造ってみる。名前はジュピター。攻撃用なので大きめの惑星である木星から命名。だんだん美少女戦士感のあるパーティーになってきた。
 さらにガサ入れすると、SMG=サブマシンガンを発見。生体認証が必要らしいが主人公は難なくロックを解除した。下級民にはこれは外せない、ということで主人公の身分の高さが再確認された。ハンドガンから換装する。

 情報も入手。「第六階層まで行けば混乱を終わらせられる」とか。そういえば主人公のというか、このゲームそのものの目的が判然としないことに気が付いた。漠然と安全な所まで逃げるのが目的と思っていたが、地上は核戦争中というのに逃げる当てなどあるのだろうか。何しろどこの誰と戦ってるのかも分からないような有様らしい、情報統制が敷かれているのか情報収集自体が困難な状況なのか? そもそも人類が滅亡してる(らしい)というのに逃げたからどうなるのかと。まぁとにかく、第六階層へ行けば敵性機械についてはどうにかできるらしい。
 とりあえず先へ進もう……進めない。階層クリアも一日の探索を終えた扱いになるのか。じゃあ寝よう。暴れポニテの処分再製造を行ってから。


 残り25日。
 探索時の背景が変わった。農業区画ということだが水槽にはしおれた葉っぱがまばらに見えるだけ、ガラスの向こうは真っ暗な草原(畑?)。
 進んで早々に情報を得る。新兵器……というか新たな敵の予告。やはりというか直後にボスが出た。第一階層のボスもどきよりもさらにでかい。
 開幕で早速何かの予兆を見せる。これがレーザー砲か? 何かすれば阻止できるらしいと情報にあったが……とりあえず手榴弾で衝撃を与えてみる。あきまへんでしたパーティー全員に約20ダメージの刑。ひどい。いやさすがにこれは……リセットしてもいいよね? ね……?

 正解は閃光手榴弾だった。いや、これは気付いてた。じゃあ何故使わなかったかというと、拠点で1個拾っただけでもったいなくて戸棚にしまい込んでいたため手元になかったのだ。要はこれまたコレクション癖のせいなのだが……何しろこんな早く出番が来ると思わなかったし……


 改めて残り25日。
 ボス戦再び。今度はきちんとレーザー砲を処理したが、素の攻撃力はボスもどき(改め、「中型」と呼ぶことにする。今交戦中のボスは「大型」で)と同等。しかも二回攻撃とくる。これはしんどい。倒すには倒したが……
 強いなりに収穫も豪華。ジャンクコアを取り出せた。このサイズでやっと落とすようになるらしい。

 とりあえず帰ってきたが、何造ろう? 攻撃型or砲撃型? 何せ判断材料がない、第二階層では敵はまだこのボスとしか出会ってないのだ。
 熟考の末、砲撃型をもう1機造ることにする。名前は木星の衛星イオ。少数の強敵よりも雑魚の群れとやり合う回数の方が多分多いだろうし、暴れん坊ポニテが2機もいたら今以上に応急修理キットがいくつあっても足りない気がする。精神衛生的にもキツい。
 攻撃型は1機だけで頑張ってもらう。そのためにもっぺん新調


 残り24日。
 所変われば品変わる。新たなアイテムボックスとして廃槽が登場した。中身は鉄骨か、持ち運ぶのも大変だろうなぁ0.5kg!? 500グラムだと!?
 ここでやっと気づいたが、ジャンクはどれも内包する素材の数がそのまま重さになっているらしい。鉄でも銅でも一律1あたり0.1kg。例えばメガネは分解するとカーボン2のシリコン1になるので、2+1=0.3kg。鉄骨は鉄5になるので0.5kg、バケツもプラスチック5になるので0.5kg。鉄骨=バケツなのだ。

 どうでもいい事で一人盛り上がりつつ先を進む。銃器を剣に換装した小型機なんてのが新登場したが、手番が遅いので難なく制圧できる。おかげで一度も斬られた覚えがない。
 が……やはりしんどい。砲撃型も剣タイプはともかく、銃タイプの敵に先手を取ることはないようだ。小型機も3機ともなるとダメージがかさむ。新拠点に10個も用意されていた応急修理キットも減る減る……
 と、持ち物が重量上限の50kgをオーバーしてしまった。ここで帰還。暴れポニテはもちろん廃棄再生産。


 残り23日。
 いややっぱり、ジリ貧じゃなかろうかこれ? 素材が鉄・銅・プラは充分過ぎるほどあるが、カーボンの備蓄が増えない。応急修理キットの増産にも攻撃型の造り直しにもカーボンは必要なだけに、ちょっと焦る。この辺全然メガネが落ちてないのよな……メガネメガネ……

 不安に不安を連ねつつ探索再開。……と、ムーンがレベル10に到達する。するとイベントが発生し、隠しスキル「学習装置」の存在が開示。「ここまで積んできた戦闘経験と学習の成果を即時育成キットの形で他のアンドロイドに継承できるようになった」と彼女に告げられた。
 ただしこの育成キットは、彼女自身を分解して取り出さないと使用できない。どこまでも使い捨てが前提の汎用型……にもかかわらず「ぜひお役立てください」とムーン。健気な子だ。まだ余力が充分あるのでどうするかは後で考え、探索を続行する。

 さらに進むと先の閃光手榴弾と、「索敵型」アンドロイドの設計図がそれぞれ手に入った。学習装置の件もあるしいい頃合だろう。帰還する。
 製造前のシルエットは小柄なウサミミ娘のように見える。バニーガールか? と思ったが、実際は下の画像の通り。ただのウサミミとバニーガールは別の概念であることは注記しておかねばなるまい。小さいので太陽系最小の水星からマーキュリーと名付ける。コアはイオを廃棄して調達

『索敵型アンドロイド』
 「早期警戒」のスキルを持つアンドロイド。パーティー内にいると自身のレベル依存の確率で敵の存在を事前に察知し、戦うか避けて進むか選択するチャンスを得られる。戦闘そのものを回避することでパーティーの消耗を軽減でき、間接的に探索の効率化に貢献してくれる。
 一方で戦闘そのものの適性は皆無。特に2桁という最大HPの低さはわずかなダメージでも小破になってしまい、また応急修理キットでの回復量も他より少なくなることを意味する。よって後衛が定位置となる。

 性格はマイペース気味。飄々とした若干の気安さを感じさせる口調でしゃべる。営業の素質がありそう。「ややっ」が口癖。

 戦闘回避! これは便利そう。レベルが高いほど発動率アップ、ということでまさに即時育成キットの出番であろう。さらばムーン。すぐ造り直すがしばしの別れだ。いやもう1個2個用意しておいた方が後々有利になると踏んだので……マーズも解体再生産する。


 残り22日。
 早速マーキュリーが仕事をし始める。戦わずして戦闘を突破できるのは何とも快適だ。とはいえ取りこぼすことも多く、頻度は幅があるようである。そりゃそうか。

 で、欠点もある。戦闘しないことには経験値が溜まらない。即時育成キットでレベル9まで飛び級したマーキュリーも、ムーンと同様に何か新スキルを覚えるだろうレベル10までが余計に遠くなってしまっている。
 一番の短所は上にも書いたが、索敵型は戦闘そのものの役には全く立たないということ。つまり索敵型を入れると相対的に戦力が落ちる訳である。少なくとも索敵型に用いたコアを使って、攻撃型なり砲撃型なりを造って加入させた時よりは。もちろん戦闘回避のメリットも非常に大きいのだが、いざ索敵し損ねた時の苦しさもまた否定しがたい。
 とくにそれが強敵だった時は! 例えば今この時のように、中型機が2機とかだったりした場合はどうする。手榴弾を投げても1ターンでは両方は処理し切れず、次のターンでもう一発撃たれてしまう。攻撃型2機なら両方赤熱刃が出れば倒し切れるが。さすがに2個も手榴弾投げたくないぞ。閃光手榴弾は1個しか作ってない。これもカーボンを使ってしまうから……
 って、今度は中型機が3機!? これはもう閃光手榴弾しかない。次のターンは手榴弾だ。それでも被害が……マーズが中破いった……やむなくジュピターも前衛に出す。マーズは殴る役として後衛へは下げられない。
 ちなみに大型機との戦闘でマーズが中破した時に本人が言っていたのだが、あまりにHPが減り過ぎると赤熱刃も全く出せなくなるらしい。消費する分のHPを下回った時点で使用不能になるのか、HP1までならセーフなのかはよく分からないが。

 その大型機まで出てきた。普通にレーザー砲のチャージしてくるし……
 閃光手榴弾はもう無い。逃げる。失敗すればレーザーの刑だが、一応全員耐えられる。こいつも倒せばジャンクコアを落とすのかどうか分からないが、もし落とさないと丸損になるのは嫌だ。身体は逃走を求める。Go!
 無事初手で逃走に成功。おかげでまだ前進できる。少し距離は後退したが、もう第三階層は目と鼻の先だ。このまま突っ切る。

 ……無事ゴール、第二階層を突破。また修理キットも手榴弾もほぼ空っぽである。こんな調子で本当に大丈夫なのかこの先……?


 ところでここまでの道中にて、何やら気になる情報を拾った。
 そこら中にいる敵性機械だが、どうもこいつらは暴走状態などではなく至って正常に動作しているらしい。つまり正規のプログラムとして人間を殺して回っているというのだ。これは人類全体に対し、何者かの明確な殺意が向けられていることを意味する。
 AI解析でこの事実を突き止めたという情報主も困惑していたが、一体誰が、どんな意図でこんな暴虐を仕組んだのか? それはまだ分からない。

~以下、反省会~

第二階層の拠点到達後、まずは攻撃型を造った方が有利だった。砲撃型は単独のボスには相性が悪い。まぁ事前(拠点に着いた時)にボスの所在が分かる訳がないからこれは仕方ない。
・その後も攻撃型2機の方が中型機や大型機への対応力が高い。片方を使い捨てにすればもう片方のレベルを着実に上げることもできる。砲撃型を2機にしても小型機の処理速度は変わらなかった。1機で充分。
もっと手榴弾や閃光手榴弾を生産し使うべきだった。中型大型はもちろん、小型も3機出て全員銃タイプなら使ってしまってもいいかも知れない。カーボン不足なら応急修理キットの浪費を減らす意味でもなおさらである。もちろんリチウムの残数次第でもあるが。
第一階層も含めての反省だが、レベリング中の汎用型(ムーン)も前衛に出して戦わせるべきだった。その方が決着も早く消耗を抑えられる。


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