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佐伯先輩の、その後

ようやく、『やがて君になる』スピンオフノベライズ『佐伯沙弥香について』の3巻を読みました。1,2巻は原作漫画のサイドストーリー的な一面を垣間見つつ、我らが佐伯パイセンの心情、理知的でありながら恋路に揺れ動くその心模様にハラハラしながら、佐伯パイセン幸せになってくれえええ!!と、祈るように読んでいました。私は『やがて君になる』のストーリーも登場人物も好きですが、佐伯パイセン推しなんですよね。だからこそ燈子への告白は玉砕に終わったけど、何らかの形で彼女が報われてほしいという気持ちが強くて…。
そして、待ちに待ってようやく本編完結後に発売された大学生編!完結の3巻。時系列は本編物語より後(正確には最終話前後)の話です。これはですね、もう語彙が消失しますが、ヤバイです。尊い。表紙から察してもらえるだろうけど、陽(ハル)という大学1年の後輩と付き合うことになります。紆余曲折あってとか一悶着あってとかではなく、こう割とトントン拍子に。いい感じの雰囲気で進んでいきます。
で、陽(ハル)は佐伯パイセンのこれまで好きになった女の子とは真逆といっていいほど、快活で元気な女性なんです。佐伯パイセンに一目惚れして、ぐいぐいアタックをかけてくるけど、人との距離も弁えててちゃんと引き際を察してくれる、とても良い子。パイセンとハルの言葉のやり取りや仕草が繊細に綴られ、終始こっちの頬が熱くなる展開。こういうのを待っていたんですよ‥。
入間人間って、もっと淡白な文章を書く小説家だと思ってましたが、印象を改めました。この小説は傑作です。ここまで原作寄りに佐伯パイセンの心象風景を細かく描きこんでくるとは、並の手腕ではないです。『安達としまむら』未読でしたが、これを機に読んでみようと思います。
最後にイラストについて。これはこれから読む人に伝えたいのですが、扉絵以外の挿絵は絶対本文がそのページに至るまで、見ないことをおすすめします。流石原作者、素晴らしい出来栄えの絵です。それの期待値を増幅させるためにも文章で脳内イメージを補完してから見ると、破壊力抜群の尊みを感じられます‥。世界は百合を発見した。そうか、これがユリイカ‥。
自分で書いてて意味が分からなくなってきました。この辺で。

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