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自分にとって必要なものを選別できる目をもっていますか?

あなたは自分にとって必要な物を
選別できる目を持っていますか?

ちょっとしたこと?なんですが、
この考えに至ったエピソードを
書いていきます。

仕事で訪問した高齢者のお宅で
水虫のお薬が毎回処方されるため、
お薬がたくさん余っている状態。

しばらく処方はお休みしてもらうよう、
受診の際には伝えてくださいと
以前より私はその高齢者に
説明していました。

受診の際、その高齢者の方は
そのように先生にお伝えしたようですが、先生は
「新しいものから使って、
古いやつは全部捨てなさい」
と言ったそうです。

もちろん高齢者の方は先生が
言うことは絶対だと思っているし、
「先生がそう言うからそうする」と。

私に
「1番新しいやつを開けて。
あと全部捨てるから」と
私に頼んで来ました。

ざっとお薬を見ると、
空いてるものが、2本。
開封していないものが5本ありました。

お薬の使用期限は2026年まであります。

私はその先生がどういう意味で
「全部捨てなさい」と言ったのかまでは
わかりませんが、
「全部捨てなさい」という言葉に
「ちょっと無神経すぎるな。」
と思いました。

よくよく高齢者の方の
その時の気持ちを話を聞くと、

「物がない時代に生きてきたため、
先生に
「新しいものを使って、
あとは全部捨てなさい」と
言われた時に、
納得がいっていなかった」
と仰っていました。

「また、お金払って買った薬なのに、
捨てなさいって言われて、
なんとも複雑だった」と。

私は
「ひとまず開封しているものは
数ヶ月前のものであるため、
もったいないけど捨てましょう。
しかし、開封されてないものは
使用期限が2026年まであるため、
こちらから徐々に使っていきましょう」
と提案しました。

そして、
「このお薬の処方は一旦止めてもらうようにしましょう」と話をしました。

そして、
「新たに開封するものには日付を入れて
3ヶ月過ぎたものは
捨てるようにしましょう」と
話し合い高齢者と決めました。

現在足らなくなっているお薬も
あります。
お薬に限らず、
必要な人に必要な物が
届かないような状況、
また地震などでお薬が欲しいけど
もらえない方々も多くいらっしゃいます。

そして高齢者の方もお薬を貰うために
いくらか負担しているし、
医療費もかかっています。

最近は断捨離と言った言葉があるように、
たくさんのものを抱え込んでしまい、
どうにもならない状況になっているのも
事実です。
でも、「捨てる」という言葉は、
安易に使うものではないなと感じました。

この豊かな時代を生きているからこそ、
使い捨てのものや、
衛生・不衛生といった理由で
バンバン物が
捨てられたりしてきました。

でも、果たしてそれって
正しいことでしょうか?

ものが作られ、捨てられる過程には、
人の労力、材料、失われる命、
汚染される空気、様々な自然を破壊して、私たちに都合の良いものが作られ、
捨てられる現実があることを
忘れていませんか?

本来そういった
「命、自然、もの、労力」に
「ありがたい」と、
敬意を払いながら、
ものを大事にする文化が
日本にはあったはずです。

物が捨てられなくて、
物にまみれて生活している高齢者たちも
たくさんいます。
それを「高齢者の古い考え」
と、単なる「もったいない文化」と
決めつけてしまうのも、
違うと私は思います。

実際に私も母にゴミをチェックされると
いくつか袋から取り出され、
再利用されている身分なので、
偉そうなことは言えませんが。

ものを大事にするというその心は
とても尊い心だと思います。
だから、それは大切にしていきたい。

ものが溢れてしまった原因は
豊かな国になり、
手軽に物が買えるようになってしまった、副作用だと思います。

そして使い捨て文化が定着してしまい、
直して使う文化がなくなっています。
直して使うにしても、
部品がない、直せる人がいない
という形で直して使う選択肢が
なくなっています。

むしろ、
新しく購入するための選択肢が増え、
本当に自分にとって必要なものが、
選別できなくなっている
その心が問題なのだと思いました。

知らず知らずに、
使い捨て文化が定着し、
ものを大切にする文化が廃れて
いっています。

以前にも私、
「物に対する価値観が、
人に対しても反映されている
ように感じてしまうのは
私だけでしょうか?」と
言ったことをnoteに書きました。
まさに、人間関係が希薄になってきた
からくりだなと思っています。

まさかの余ったお薬のことから、
こんな気づきがでるなんて、
私もビックリです。

改めて、
「自分にとって大切な心は何か?」
「自分にとって本当に必要なもの何か?」
選別できる目を養っていきたいと
思いました。




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