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その羽根は闇に堕つ

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邪神に関わったことで家族を消されてしまった少女アイラが生きるために戦うファンタジー小説。
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2024年1月の記事一覧

【羽根堕ち】第13話 心配

 念のため周囲を警戒しながらミョーを出る。人々は思い思いの仕事に勤しんでおり、アイラたち…

あかる
5か月前

【羽根堕ち】第12話 願い事

「サロニカちゃん、だめ。考え直して」  イサドラが懇願しながらサロニカの腕を叩く。けれど…

あかる
5か月前

【羽根堕ち】第11話 クリスタル

 トロンのいるあたりを中心に、びりびりと空気が震える。足元には氷の矢だったものが粉々に砕…

あかる
5か月前

【羽根堕ち】第10話 因縁

 丁寧に巻かれた灰色の髪。鋭くこちらを睨む青い目。手に握られた水色の槍。現れたもう一人の…

あかる
5か月前
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【羽根堕ち】第9話 光の神

 吹き渡る風に緑の稲穂が揺れている。広々と水を湛えた田んぼの向こうには畑が広がり、野菜が…

あかる
5か月前
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【羽根堕ち】第8話 ジェナ

 風が吹き、アイラの髪をなびかせる。ざわめく葉擦れの音に草を踏みしめるジェナの足音が重な…

あかる
5か月前

【羽根堕ち】第7話 ナイラ

 数秒の沈黙。アイラが不安を覚え始めた頃、オルフェは冴星のような目でじっとアイラを見ると小さく首を振った。 『悪意あるものではない……が、こればかりは私の一存で決める訳にはいかない』 「! え……」  オルフェでは決められない。ならば誰が決めるというのだろう。両手をきつく握り締めて続く言葉を待つアイラに、オルフェは宥めるようにゆっくりと告げた。 『ナイラを喚べ』  ナイラ。幼い頃に一度聞いたきりの邪神の名。アイラの本当の系図に連なっている、破壊と創造の神。主神になるはずだった

【羽根堕ち】第6話 オルフェ

 しばらく歩くと、いつの間にか周囲は高木に囲まれた森になっていた。川の水は透明感を増し、…

あかる
5か月前
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【羽根堕ち】第5話 懸念

 しばらくして、ジェナが落ち着いてくるとアイラは再び地図を開いた。ひとまずミョーを目指す…

あかる
5か月前

【羽根堕ち】第4話 少年

 柔らかな日差しが水面を照らす。ぐったりと目を閉じたままの少年を見守りながら、アイラは川…

あかる
5か月前

【羽根堕ち】第3話 出立

 扉をくぐると、そこは見慣れたアイラの家の脱衣室だった。ぐるりと見回してもおかしなところ…

あかる
5か月前

【羽根堕ち】第2話 因果

 真っ白な空間に、少女が小さくしゃくりあげる声がさざ波のように響く。しばらくそうして呼吸…

あかる
5か月前

【羽根堕ち】第1話 浄化

 かすかな唸りとともに、室内を冷たい風が駆け抜ける。アイラはくるまっていた毛布をぎゅっと…

あかる
5か月前