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精神医療の現実と暗い過去

皆さんこんにちは。Pinkです。このニュースを知った時の衝撃は大きなものでした。しかし、それは間違いなく現実であり、「精神医療」におけるこれまでの暗い過去の話です。

今回は、敢えて辛いことと向き合いながら記事を書いていこうと思います。

南デンマーク大学

南デンマーク大学の地下には、世界最大とされる人間の脳の標本コレクションが存在しています。デンマーク人精神科医が生涯をかけて成し遂げたものです。

1945年〜1982年にかけて、「精神疾患」だった患者の遺体から検視後に取り除き、集められた脳の標本として9479点が収められたもので、ホルマリン漬けにされた脳が入った大きな白いバケツには番号が振られています。

精神科医を含む研究チームは「これらの脳から、「精神疾患」の原因が存在する場所を限定したり、何らかの答えを見つけ出せたりするかもしれない」と考えていたと言います。

当時、患者の人権は重視されていなかったということが現実だったのです。

医学に関しては、原因究明の為に他の病気でも同じようなことが行われていたと思いますが、私は倫理的に考えた場合どうなのだろうかと疑問に思います。

精神科施設

デンマーク各地の「精神科施設」でも同じことが行われていて、驚くべきことに患者本人やその遺族の同意は不要で、こうした施設は国立で内部で何が行われているのか聞いてくる外部の人間はいなかったとのことです。

また、1929年〜1967年迄の間、「精神科施設」の入所者には不妊手術を施すよう法律で定められていました。1989年迄は、結婚するのにも特別な許可が求められたのです。

そこには「精神病」と呼ばれている人々を「社会のお荷物」と見なし、子供を作ったり、自由にすることを許せば、あらゆる問題を引き起こすと考えられていたと言います。

あまりにも人権を無視した考え方に、憤りを感じるとともに、当時のデンマーク人全員が、死亡時に検視解剖されていたという事実も分かり愕然としました。検視解剖は、当時の慣習で、病院で行われる手続きの一つにすぎなかったのです。

勿論、間違っているという考えの人もいたと思いますが、悲しいことに当時の人々にとってはそれが普通のことだったのではないでしょうか。

脳の標本について

検視の発達と患者の人権に対する意識の高まりを受けて、脳を遺体より取り除くことは、1982年を最後に行われなくなりました。わずか40年前の事です。

その後、脳の標本をどうするべきかについて長く激しい議論が交わされた結果、最終的に、国の倫理委員会は保管し、科学研究に役立てるべきとの判断を下したとのことです。

また、標本にされた脳の持ち主の一部は「精神疾患」と同時に脳の病気を患っていたことから、「認知症」「統合失調症」「双極性障害」「うつ病」等様々な疾患の研究に使用されてきました。

研究があったからこそ、今の治療に至ったのだと思いますが、患者の多くは人生の半分、あるいは全人生を施設で過ごした為、「脳卒中」や「癲癇(てんかん)」「脳腫瘍」等他の脳の病気になることもあった事を考えると複雑な気持ちになりました。

現在も4つの研究プロジェクトが標本を使用しているとの事です。

以下、参考サイトになります。

最後に

とても衝撃的な内容だったと思いますが、今の「精神医療」にはこのような暗い過去もあった事を知って欲しいと思いました。

また、医学の進歩は、様々な研究や実験、膨大な過去のデータに基づいているものだと思います。

暗い過去ですが、このことが明るい未来へと繋がって行くことを私は願っています。

こちらでも記事を書いています。よかったら読んでみて下さい!

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