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「個性がない」という「呪い」を解く/前編

新年、あけましておめでとうございます。

今年、2024年は昭和99年にあたるとのこと。
こうして昭和換算で振り返ってみると、ずいぶん遠くまで来たものです。
正月早々に大変な災害が起きましたが、それでも時は容赦なく進んでいきます。
そんな中、今の自分にできることは、こうしていつも通りに発信していくことと、ほんの少しの募金、あとは、自分の手が届く範囲にいる人達の役に立ち続けることくらいかなと。
そんな風に思いながら、年始の時間を過ごしています。

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さて、そんなところへ思わぬ(嬉しい)ご連絡を頂きました!
以前にスタジオレッスンを受講された「M.Tさん」から、新年のご挨拶と共に、レッスン受講後の近況報告が送られてきたのです。
心境、そして環境にも大きな変化があったようで、読んでいて成長のスピードがすごく感じられる内容でした。
このM.Tさんのレッスン受講前の状態がですね、実に多くの声優志望者さん(または新人さん)達と重なるんですよね…!
ほとんどの方がこれと同じ状態に陥っていると言っても過言ではないと、私は思っています。
だからこそ「こ、これはぜひとも同じ境遇にいる方々にシェアしたい!」と思い、M.Tさんに文面の掲載をご了承頂きました。
(M.Tさん、ご快諾をありがとうございます!)

(ちょっと長いので、前後編に分けようと思います)

※ 太字部分は私が編集/追加した箇所です(伏字)

樋口さん

あけましておめでとうございます
以前スタジオ体験を受講させていただいたM.Tです
新年のご挨拶と共に、御礼申し上げたくご連絡いたしました。

樋口さんのスタジオ体験を受講してから早1年半、◯◯本科( とある老舗劇団)が終わりに近づいています。

これまで経験していなかった舞台の勉強を始めたことで、今樋口さんがよくツイートされている、「手放した分だけ新しいものが手に入る」ということを痛いほど痛感しています
声優の道に6年ほど固執し続けましたが、思い切って方向転換をすることでやっとお芝居と正面から向き合うことが出来るようになりました!

これまでの私は、もちろんお芝居が好きな気持ちはありましたが、自分の承認欲求をお芝居をすることで満たしたいという欲に囚われすぎていたのだと今になって思います。
とても恥ずかしいです。

今ももちろん褒められると嬉しいですが、今はお芝居自体が心の底から楽しいです。
こんな風に思えるようになったのは、あの時樋口さんのワークショップを受講したからです。
本当にありがとうございます。

今後◯◯の研修科に進級できるか、進路のことは不安ではありますが、それよりも今やっている作品や役にしっかり向き合っていこうと思います。

今までは本当に、早く事務所に入ろう、お仕事をしようということを念頭に置いて芝居をしていたので、大切なことを見失っていたと思います。
もちろん、今後お仕事として芝居をしていく上では、ただ楽しいだけではなくて、個人事業主として営業などやらなきゃいけないことはたくさん増えると思うのですが、今の気持ちを忘れないようにしたいです。

◯◯( とある老舗劇団)は本当にいい環境で!!これまで私がやっていたお芝居がいかに独りよがりだったか、
やろう、がんばろうとするよりも力を抜いて舞台にいる方が役として自然に生きられること、
目の前にいる相手と向き合ってセリフを受ける、今会話することの大切さ、面白さなどを教えていただきました。

台本や気持ちが入らないとまだまだ上手くいかないことも多いので、そのための準備を怠らないで、真摯に作品に取り組んで参ります!

またどこかでお会い出来るよう、少しでも成長した姿をお見せ出来るよう精進してまいります。

本年も何卒よろしくお願いいたします。
樋口さんのご健康とますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます!
長文でのご連絡失礼いたしました!

M.T

M.Tさんから届いたDM

たった1年半で、ここまで思考が変わるものなのだなと。
私、ちょっとびっくりしてしまいました。

「自分の承認欲求をお芝居をすることで満たしたいという欲に囚われすぎていたのだと今になって思います」

この状態からニュートラルな状態に戻す(手放す/気づく)のって、結構時間がかかることが多いですし、人によっては心への負担も大きかったりするんですよね。

それがこの短期間でここまで進化したの、本当にすごいと思いました。
「え、何があったの!?なんで、どうやってそんなに考え方が変わったの!?」って思いますよね 笑

私もそこがすごく知りたくてですね(なにしろ私も長年それに囚われていたので)、新年早々アレかなとは思いつつ、M.Tさんに

【樋口】
私のワークショップがきっかけになったと仰ってくださいましたが、M.Tさんの考え方や行動が変わった一番の「決め手」って何だったのでしょうか? もしよろしければ聞かせてください。 (時間が経ってるから記憶が薄れているかもしれませんが)

私がM.Tさんに送ったDM

と、こう聞いてみたんです。
そしたらまたまた丁寧にお返事をくださいました。
以下、再びM.TさんからのDMです。

【M.Tさん】

樋口さんのワークショップで考えが変わるきっかけになったのは、私自身の声を飾らなくても個性があると気づかせていただけたことです。

これまでマネージャーや講師の方から個性がないと指摘されることが多く、自分の声の持っている要素(声が低い、落ち着いているなど)から「男の子がいけるかも」「セクシーなお姉さんを頑張って練習しよう!」と考えて声を作ったり、キャラを作ったり、修飾するような形で強みや個性を作ろうと頑張ってきました。
そのためキャラクターのテンプレート(色っぽいお姉さんはこんな風に喋るなど)がある程度身につき講師から上手いとは指摘されつつも、「あなたじゃなくても良い」という指摘は永久に解消されず、無限ループに陥っていました。
その中で焦りを感じ、もっと褒められたい、早くお仕事が出来るレベルにならなきゃ、こういうキャラができるようになりたい、自分のブランディングはこうであるはず、、、と考えを拗らせていったような気がします笑

もちろん、クライアントさんとのキャラのすり合わせをするためにもある程度のキャラクターのテンプレートが上手く出来るのは声優にとって必要なことかと今でも思いますが(これは私の一意見です!!!)、キャラクターのテンプレートのレベル上げることで逆に私の個性はテンプレートに上塗りされてどんどんなくなっていったんだと思います。

そんな中樋口さんのワークショップを受けて、声を聞いてくださった後一番最初に樋口さんは「ドジっ子ないい人、頑張り屋さん」の台本をくださいました。
今思うと「あの台本私にピッタリじゃん!」と思うのですが、当時の私は…

M.Tさんからの返信DM

当時の私は…!?

さて、1年半前のM.Tさんは、私からセリフ台本を提示された時、何を思ったのでしょうか??

次回、お楽しみに!


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