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モテの心構えを学べるR18

この間、日比谷ミッドタウンに行ってきました。

人生で初めてのR18+指定映画『娼年』を観るために。

好奇心が7割くらい、誰に対するでもない後ろめたさが3割。

5月とは思えない、快晴で最高にいいお天気の日だったことが、あの変な後ろめたさを少し濃くしていたと思います。


以下はその映画の感想なので、ネタバレに加え、すこし性的な表現を含みます。かなりコミカルで軽い感想になっていますが、そういうのが苦手な方は読まないでください。




『娼年』は、

女性とセックス(またはそれに類するような行為)をしてお金を稼ぐ男性を描いた作品です。

主人公の領(松坂桃李)は、

女なんて退屈だ。
セックスなんて手順が決まった運動。

という発言をしてしまうような、

女に対して興味もなければ、リスペクトもない、冷めた男性でした。

しかし、ある女性との出会いから、娼夫として働くことになり、お客様として出会う女性の欲望に応えていくうちに、女性の複雑さや素晴らしさに気づき、段々と愛をもって人と接するようになっていきます。


劇中では「……そんなことで興奮するの?それは大丈夫なの?」というような性行為もしているのですが、その状況を目の前にしている主人公自身も「えっ…」とフリーズしてしまったり、戸惑いの表情を見せたりしていて、時に笑っちゃうような描かれ方をしています。

まさか人がセックスしてるシーンを観ながら笑ってしまえるとは思わなかった。



しかし本来、人の欲望は様々で、いろんな形があると思います。

その多様性を他の人や権力が否定したりバカにしたりすることはできない(迷惑をかけている場合は別ですが)。


でも、女性の性欲に関しては話すことすらタブーな感じがしないですか?

女の人に「性欲ありまーす!」宣言されたり、「娼夫、買ってます〜」って言われたら引いてしまいませんか?

男の人が女の人を買うのは笑い話なのに、女性の場合は、下手をすれば社会やコミュニティからの排除ということもあり得る。

その状況(性欲を満たそうとすることに関しての許容度が男性と女性で違う)って、よくよく考えてみればちょっと不平等じゃない?と思うのです。


その点、領は、引くこともなく(いや、実はちょっと引いてたかも)、バカにすることなく、もっと女性を知りたい、もっと欲望を満たしたいという気持ちで相手と真摯に向き合い、知ろうとし、応えていきます。


私はそんな主人公を観ていて思いました。


こ、これこそ現代におけるモテの極意じゃないのか!!!!!????


①こうすればいいんでしょ?と決め付けず、相手のことを知ろうとする 
②社会的な基準を知りつつも、最後は自分の基準で判断する       
③相手のことを受け入れようと努力する


こんな当たり前のようなことをモテの心構えとか言ってしまっていいのか分かりませんが、

「相手がこうすれば喜ぶだろう」と決め付けて、表情や反応をみずにデートをすすめたり、、

世間的にはダメだから、ってすぐ諦めたり、、

私はこうして欲しいのに何故分かってくれないの?って主張するだけだったり、、、、

異性とのやりとりや恋愛に限らず、意外とないでしょうか。


そのせいで、お互いにとってより快適で気持ちの良い方法があるかもしれないのに気づかないまま、どちらかが我慢をしていたり、互いに不幸にし合っていることになってしまったり……


とても勿体なくて非効率的だと思うのです。


領のように、自分が想像できないような相手の一面を知ること、それに応えることに喜びを感じることができたら、きっととてもモテる。いや、モテるにちがいない。

※相手の一面の引き出し方は、ストレートに聞くだけではなく色々な工夫が必要であるし、応えるだけが良いことではないというのがまた難しい点。



まさか画面がほぼ肌色な映画を観て「モテ」について考えることになるとは思わなかったです。いいR18体験でした。


ちなみに、このような見方はおそらくスタンダードではなく、

領自身や、領を取り巻く人たちの抱える過去と葛藤、人間の欲望や性について、性産業で働く人への社会からの眼差し、などなどもっと深く真剣に考えられる見どころはたくさんあります。


気になった方は、ぜひ。天気の良い日に。








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