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もう彼女と何を話して盛り上がっていたのか思い出せない

※3000字超の長文です。


親友がいた。というか、いる、というか。

この時点で分かるように、
もう彼女のことを親友と呼んでいいのか分からない、
そんな関係の子がいる。


彼女とは中3の時に出会った。
自分で言うのもなんだけど、私たちは誰が見ても「ニコイチ」って感じで、「双子みたいだね」なんてよく言われていた。

身長も同じくらいだし、髪型も一緒。
雰囲気みたいなものも、多分よく似ている。

精神年齢もぴったりで、お互い「うちら親友だよね」なんて確認したりせずに、当然のように一緒にいた。

中高一貫校に通っていたから一緒に高校生になって、学校にいる間はずっと一緒にいた。
あんまり一緒に良すぎて距離感が分からなくなってしまった時期もあったけど、それでも「仲良い人は?」と聞かれれば必ず彼女の名前を挙げていた。



そんな彼女と最近、うまく行かなくなってしまった。

別に大げんかをしたわけではないんだけど、気軽に会えなくなってしまった。


決定的だったのは旅行中の出来事。

旅行が好きな私たちは、高校時代から何度もお泊まりをしていた。

私に初めてちゃんとした彼氏ができて、それを彼女に相談したのも高校卒業前後のお泊まり会でのことだった。
色々あって大号泣した私を、彼女が支えてくれた。


それから春が来て、お互い別々の大学に入学して夏を超え、冬が近づいた大学一年生の秋頃に2人で一泊二日の旅行に行った。

その旅行でもう、ダメになってしまった感じだった。

多分お互いダメだった。
いや、もしかしたら私だけかもしれない。
彼女はずっと変わってはいなくて、ただ私が変わってしまって、彼女の態度に耐えられなくなってしまったのかもしれない。

もう嫌だった。

一緒に旅行に行っているのに、私だけホテルのベッドで彼女にバレないように泣くことに耐えきれなかった。



親友だからってなんでも知っているわけじゃないなんてことはわかっている。
私だってもちろん、彼女に全てを伝えていたわけではない。
「知っていることが全てじゃない」と、私だって思っている。

それでも、1日目のお昼ご飯で、

「実は今彼氏がいて、それでこれまでにも三人くらいいたんだよね」と彼女が気まずそうに言った時に私が感じたのは、正直言って「裏切り」以外のなにものでもなかった。

彼女も色々考えて、「やっぱり私には伝えたほうがいい」って思ってくれたから言ってくれたんだとは思う。
それはわかる。

でも私には、受け止めきれなかった。

「そんな大事なことを話せないほど、私って信用なかった?」
「カップルを見て一緒に嫉妬してた日々は?」
「『女子校だからねっ!』ってお互い諦めあった日々は?」
「ここまで隠してたんなら、どうして今さら言うの?」
「自分のことは隠して、私が初めての彼氏に戸惑うのを見てるのは楽しかった?」

そんな性格の悪い言葉がすんでのところまで出てきて、ぎりぎり飲み込んだ。
そうして代わりに「えーそうなの!いいね!言ってよー笑」って言った。
自分でも笑顔が引き攣っているのが分かって、どうか彼女にバレないでと願っていた。

後から考えれば、こんな私の態度がダメだったんだろうとは思う。
こういう、本音を言わないような姿勢がダメだったんじゃないかな。
でもその時は何が正解なのかなんて分からず、とにかく必死だった。



中3からずっと一緒に過ごして、2人で何度もその出会いに感謝して、仲良くなれた奇跡を笑い合って。
今思えば全部、脆い関係を確かめ合うように、必死に繋ぎ止めるようにしてるようだった。

まるで失恋をしたような心情である。と言ってもそんなに失恋した事ないからわからないんだけど。
今、やっと、初めてまともな恋愛をしているところであって、絶賛成長中なんだけど。
それでもなんか分かる、多分これは失恋の痛みに似てる。


彼女のことが好きだったと思う。私はちゃんと好きだったと思う。
思春期を共に過ごした大事な親友として、ちゃんと愛していたと、思っている。

それなのに。

大学は違うけど、「まあ私たちなら大丈夫だよね」って思ってたのに。

こんなにもあっけないなんて。

え、一緒に過ごした4年間は?
4年間って言うと短く感じるけど、同じ4年間でも私たちが過ごしたのは中3から高3までの4年間だよね?
そんな大事な4年間って、こんなにあっけなく無に帰していいの?
そんなもんなの?


でも明らかな違いを感じるのだ。
もう彼女との関係性が明らかに変わってしまった。
それは彼女も痛いほどに感じていると思う。



もう彼女と何を話して盛り上がっていたのかが思い出せない。
それがたまらなく悲しい。



だけど何が一番辛いって、彼女はもう私のなかに住み着いてしまっていること。
4年間という年月は、お互いがお互いを取り込むのに十分だった。

ふとした瞬間に何度も彼女のことを思い出すのだ。
ネイルのデザインを選ぶときに、彼女はこういう柄が好きだろうなって思っていたり、
カフェに行ったときに、彼女はこういう雰囲気のお店が好きだろうなとか、彼女だったらこういうメニューを選ぶだろうな、とか。
なんだか最近、私のものを選ぶ基準がどんどん彼女に似てきているような気がして恐ろしい。

なにせずっと隣で
彼女も、
彼女に見えている景色も、見てきたのだ。
並んで歩いて、並んで授業を受けて、並んで中高を卒業したのだ。

他にも本当にふとした瞬間に、気がついてしまう。
ああ、あの時、彼女に対して「やけに私に甘えてくるのがうまいなー」と感じたのは、もうあの時点で2人目の彼氏がいたからか、とか
彼女とお出かけしたとき、やけにいろんな場所に詳しかったのは私と行くより前に彼氏と行っていたからか、とか
そうして時間差で、私は当時の彼女の恋人に対して嫉妬してしまうのだ。

こんなに彼女の存在を肌で感じているのに、彼女は私の隣にはいない。
ふとした時に、ただ気配だけを残して、私の心を少し傷つけて、それで去っていく。


そんなに好きなら会えばいいじゃないか、と思うよね。
たしかに、今LINEをすれば遅くとも1ヶ月後くらいのご飯の約束は取り付けられると思う。

でも、できない。

だって怖いから。
彼女と向き合おうとすることも、これ以上関係が拗れるのも、会って余計に彼女のことを嫌いになってしまうのも。


ここまで来ると、いよいよ恋愛話っぽくなってきた。


友達に対して、こういうふうに思うのは重いのかな。
私の、友達との付き合い方に問題があるのだろうか。

まあ自分でも少し、心当たり?のようなものはある。

私には友達への「好き」と彼氏への「好き」の見分けがいまいちつかない。
彼氏の存在を隠されていたと知って、こんなにも傷ついてしまったのはそういう理由も絡んでいるかもしれない。

どういうことかというと、
私は親友も彼氏も、家族もそのほかの人のことも、度合いは違えどそれぞれ「人として」愛しているのだ。
そこにあんまり違いはない。だから本音を言えば「友達」と「親友」の違いもあんまり分からない。

私は周りの人を、その深さは違えど同じように愛しているという感覚なのだ。



だからこんなに辛いのかな、と思う。
だから彼女を思って、夜眠れなくなったりするのだと思う。


彼女にこのnoteが見つかってしまうことがあるかな。
誰か届けてくれないかな。


ねえ、私たちもっと腹割って、本音で話すべきだったのかもね。
お互いに、無駄に気を使いすぎてたんじゃないかなって思う。
もっとお互いが気持ちのいい付き合いができる方法を一緒に考えたいんだけど、
私たちは付き合ってるわけじゃないから、そんな話し合いをする権利すら私にはないのかな。
重いか、重いよね。
でも私ちゃんとあなたのこと好きだったんだよ。
あなたは旅行の後の電話で「あかりはもう私のこと好きじゃなくなっちゃったのかなって思った」って言ってたね。
どうして私たちすれ違っちゃったんだろうね。
一緒にいるだけ、お互いを不快にさせてしまったね。
もう少し大人になったら、またうまく付き合えるのかな。
今はそういう時期って諦めなきゃいけないのかな。



若いねえとか、大学生にもなってまだそんなことで悩んでいるのかとか、皆さん色々思うところがあるのは重々承知しているのですが、今の私には大問題なのです。私はまだまだ未熟者なのです。

そんな私の文章をここまで読んでくださった、そこのあなた。
ありがとうございます、あなたにいい事がありますように。

それでは、また一日。


おわり


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