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ずっと、妊娠するのが怖かった

突然ですが「子ども好き?」っていう質問、めちゃくちゃ困りませんか。私は、これを聞かれるといつも返答に悩んでしまいます。

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子どもが好きとか嫌いとかではなく、「能動的に子どもが欲しいと思ったこと」が人生で一度も無かったので、「妊娠すること」は私にとっていつも手触りのないぼんやりとした未知の恐怖でした。妊娠し、出産し、子どもを育てるということは、即ち「自分の自由を奪うこと」なのではないか?という恐れが意識の片隅にありました。

変な親に謎の方向性で厳しく育てられたことにより、「自立」に対する意識が今でも人一倍強い方だと思います。自己研鑽し、自分の能力を高め、好きな仕事をして暮らす。そのために勉強もしたし、色々チャレンジもしてきて、やっと少しその生活を手に入れ始めた30代。

「こんなに好きなことができて、夫のことも大好きで、仕事も充足しているのに、そしてやりたいことも沢山あるのに、子どもを持つということはそれでもやるほど価値のあることなんだろうか?」

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私が見ていた両親は共働きで、それでいながら家事と子育ての大半を担っていたのは母親だったように思います。その印象からも「女性って、子どもを持ったら大変になるんだなあ」とぼんやり感じていました。(私達の親世代って、女性だけが家事育児をやって当たり前みたいな風潮ですよね。無くしていきたいものだ。)その印象からも、少し「家庭をもつこと」に及び腰だったのかもしれません。

ただ、既婚で35歳を超えていると、自然と「子どもはどうするの?」と聞かれることも増えてきました。私自身に多少の恐れはあったものの、夫婦としては子どもを持つことについて積極的でも消極的でもなく、「子ども、欲しいのかな?そもそも欲しいってなんだろうね?よくわかんないね…居たら楽しいのかな?大変なのかな?子どもいたことないから、よくわからないね。」というゆるふわテンションでした。

だけど、ある人は「子どもを持つことは絶対的な喜び」だと思っているし、ある人は「子どもなんて作っても不幸になるだけだ!」と言うし。一体何なんだ、子ども。もはや宗教やん。

そこで私たち夫婦の出した結論はこうでした。

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35歳。人によっては「そんな悠長なこと言ってる場合か、今すぐ妊活しろ!」とも思うでしょう。「不妊治療で苦しんでいる人もいるのに、贅沢な決断だ」と思う人もいるかもしれません。

だけど、「もし子どもができたら、それはその時」「できなかったら、それはその時」「私たちの人生がそういうふうにできてると思おう」というのが、私や夫の生き方にとって、一番しっくりきた結論でした。


で、現在、妊娠6ヶ月目です。


妊娠がわかった時の私の感想は「嬉しい!」でも「困ったな」でもなく「まじか…ほんとにできとるやん…すご!」でした。

妊娠を報告すると「おめでとう!」とみんな言ってくれるし、きっとこれは喜ばしいことなんだろうなと思います。でも正直、私自身はまだまだピンと来ていないかもしれない。嬉しいとか、大変だとか、母親の自覚とか、そういうことよりもまず目の前の仕事が忙しくて、楽しくて、身体以外は何の変化もないままに今までと同じような毎日が過ぎ、月日だけが流れています。

ただ、仕事で一息ついた時、お風呂に入ってる時、よし寝ようと横になった時に、お腹の中からポコポコと柔らかな振動を伝えてくる確かな生命の在り様を実感したときに、「人間って、本当に、なんてすごいんだろう」と本当に思います。そして、幸運にもこんな体験をさせてくれた今の縁に心から感謝しています。

ちょっとおなかが出てきたトマト

せっかくなので、この未知の感覚を、自分にとってもまるで行き先のわからない小舟に乗っている感覚を、人生の1つのエンタメとして楽しもうと思っています。妊娠だけでなく、結婚、仕事、死別、いろんなライフイベントは点だけでみても正解も不正解も無いのでしょう。ただ続いていく日々に、自分が意味づけをするだけ。

だから、妊娠しても出産しても、できるだけ今の「私」を継続したいと思っています。「母親になるから無理に変わる」のではなく、変化が私を少しずつ前に進め、違う景色を見せてくれると期待しています。

名称未設定のアートワーク

さてさて、せっかく産むからには体力づくりには全力で取り組みつつ、可能であればいかに未知の出産がエキサイティングか、身をもって証明していきたいなと思ってます。当日も元気があれば分娩レポートしたい。

かつての私がそうだったように、子供を持つことや妊娠することを極度に恐れずに済むような、子育ても悪くないじゃん!と誰かに思ってもらえるような、仕事と両立できるのかも?と希望を持ってもらえるような、そんな記事を書いていけたらいいなあ。

※女性の体調には個人差があります。本記事は私個人の体験と感想であり、他の方に同じ思想・行動を押し付けるものではありません。

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