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囲まれた、冷たい時間 11/20

白いキャンパスに色を塗っても塗っても私の色は霞むばかり。意識は飛んで、自分が何をしているのかわからなくなる。何のためにやっているのか、どうしてこの道を選んだのか。しかるべき、目的を私はまだ知らない。目線をゆっくり上げて、目があった鏡の自分に手を近づけても頭の声は消えない。冷たい感覚が鏡に触れるのを拒んできた。机に頬杖をついて考えても、あざ笑うかのように強い風が邪魔をしてくる。書いて見たの文字に異質感を拭えない。意識はどんどん遠くに行く。迷路は途切れず私を混乱へと招く。嫌気が指して、またキャンパスに向かって………

…私はその繰り返しの日々を送った。どの日も色濃く私と共にあるのに、答えは私から離れたまま。いつか色が味方してくれるのだろうか。風がまた強く吹いた。