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【あかっぱのブラジル協力隊活動記】ブラジル編vol.8

【ブラジルの学校見学】

※備忘録

今日は偶然にも2つのブラジルの学校を見学した1日。

午前中はアリアンサに唯一ある中・高等学校一貫校。

日本語学校や野球、陸上の子たちもいて知っている子も多かったのと、副校長先生がアリアンサの人で話したのをきっかけに行かせてもらった。

ちょうどこの日はブラジルのバレンタインデーにあたる「Dia dos namorados」(恋人の日)で、日本で言う役員会のメンバーがbrigadeiro (チョコのお菓子)とメッセージつきのカードを販売していた。

チョコも全部手作り。この資金は次のfesta junina のイベントの資金になるという。自分たちが楽しむための資金を自分たちで集めて活動している、というのがすごいなと思った。

そして、日本だとどうしても食べ物を売るってなると、衛生面やもろもろ規制が大きいけど、全くそんなことを気にしていないところがさすがブラジルだなと。

授業で驚いたのは教科書を使っていないこと。アリアンサの田舎の学校なのに、ほぼすべてタブレットやPCの設備が整っていて、デジタルコンテンツのプラットホームもしっかりしている。

なんでもブラジルは州ごとの色が強いらしくて、サンパウロ州のプラットホームがあって、そこに数学やらなにやらのコンテンツが全部あるらしい。

そして、すごいのはそのクオリティーの高さ。

そんじょそこらのゲームに負けないくらいのグラフィックで、キャラクターなんかも登場して一見したら「これ、数学?」って思う。

そのゲーム形式のコンテンツで満点が取れたらその日のタクスは終わりで、本当にただのゲームをやる。

副校長先生は日系の人で「書かないと覚えないんじゃないかって思うんだけどねー」と言っていた。

でも、校長先生は「今は大人もPCやスマホで紙を使わないからこどもたちもデジタルを使いこなす必要がある」って言っていた。

日本が今ちょうどコロナでタブレットの環境が整って、「個別最適化」の語り文句の下、「教える」ことから「タブレットなどを活用した自立学習」に関心が高まりつつある。

今回のアリアンサの公立学校の姿は、このまま行った近い未来の日本の姿の1つなのかな?とも思ったりした。

個人的には「目標と計画」があったうえでのICTなどを活用した個別の学習が大事なのかなと思った。

あと、アリアンサの学校でびっくりしたことが一つ。

帰り際に、前にアリアンサの商店で会った子(17歳)が話しかけてくれて、校長先生が

「この子、お腹に赤ちゃんがいるのよ」

って。

顔には出さなかったけど

「えーー!!??」

って内心。

その子も「そうなの」みたいな感じでふつーに話すし。

そのあとも

校長「あなたはいつまでブラジルにいるの?」

私「来年の3月までです」

校長「あ、だったらこの子、抱っこできるね」

って、ふつーに話になって。

そのことを弓場の人とかに話したら、昔からそういう子は学校に一人か二人くらいいたらしい。

でも、ブラジルは結婚できる年齢は18歳(子どもができた特例的に結婚できる場合もあるらしい、この特例があるところもさすがブラジル)だから、決して勧められることではないと思うけど、日本とはちょっと違うなと思った。

自分の偏見もあるかもだけど、日本だったらどうしても

「一般的ではない」だから「よくない」

みたいなイメージがどこかにある気がする。

でも、それがまったくなくて、純粋に子どもの誕生を喜んでいる感じがした。

そこには、

キリスト教の宗教観や日本みたいに

「こどもを育てるならお金が。。。」

みたいなすぐに先を考える感覚が少ないこともあるのかもしれない。個人的な考えだけど。

でも、少なくとも、今、そうやってこどもができた生徒が周りのせいで嫌な想いをしないで、今学校で他の子たちと同様に一緒に学校生活を送っていることは、なによりもまずいいなと思った。




午後はSESIという学校に。

SESIってのはブラジルの工場とかで働いている人達の労働組合(非営利法人)らしくて、そこが運営している学校なんだそう。

だから基本的には、工場とかに働いている家庭の子どもが通っているんだけど、その教育の質の高さから私立なのでお金を払ってでも通わせたいって親がたくさんいる学校。

ブラジル国内にも何校もあるらしくて、それの一つがたまたまアリアンサの隣町にあるのでカウンターパートの先生と一緒に見学に。

まず入ってすぐに思ったのは、めちゃくちゃキレイ!近代的!

学校の概要としては小学校〜高校まであって、午前部、午後部、一日部と3つの通い方があるらしく、生徒は全部で500人くらい。ひとクラスには30人くらい。

そこまではブラジルでよくあること。

驚いたのは「アート・サイエンス・テクノロジー」の質の高さ。

ブラジルの公立小学校では、アートって言っても塗り絵だったり、午前中の公立学校も廊下に生徒の作品の展示とかはなかった。

このSESIの学校の展示は、それぞれの子どもらしさも出ていて面白いなって思う作品ばかり。

テクノロジーの教室には3Dプリンターがふつーにあったり、レゴで日本で言うロボコンに出るためのプログラミングができたり、プログラミングもフツーにみんなやっているし。

理科も、日本と同じようにガスバーナーがあって、ビーカーや漏斗とか、一般的な実験ができる道具が一通り揃っていた。

ブラジルの公立学校では一度も見たことがなったから「ちゃんとあるんだ」って驚いた。

学生の時にニュージーランドやデンマークのオールタナティブスクールを見たときに近い感覚。学力よりもっと大事なことを伸ばそうって教育観があって、それを伸ばす環境がちゃんと整っている感じ。



トータルして今日感じたのは

「ブラジルはなんでもある」

ってこと。

食べ物でもなんでもそうだけど、ブラジルは広いし、土地によって気候も文化も違うし、人種もたくさん混ざってるし、だからか学校に対する捉え方も千差万別なんだなと。


日本の小学校みたいに机に座って教科書を使う学校もあるし、ICTをバンバン使ってこどもの自由にさせる学校もあるし、オールタナティブスクールみたいな学校もあるし。

いろんな人がいるブラジルらしく、学校もいろんな学校があるなと。

そして、学校に対する関心が高い人もいれば、そうでない人もいる。

そういう面でもいろんな人がいるなと感じた。

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