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イベントはゴール設定と分解と統合

ふと、前職で担当していた「イベント企画」「イベント運営」という、プロジェクトを取りまとめつつ企画をするという仕事について、言語化したくなりました。なお、自分なりの工夫なので、王道でも正解でもないことを予めお断りしておきます。

ゴール設定は、トイレでの会話を想像すること

「この場を終えた時に、参加者がトイレでどんな会話をしてくれていたら成功と言えるんだろうね?」

ある日、一緒にPJを組んでいた仲間と同僚との会話で、ハッとした。それまで、イベント業務=期日までにタスクをこなして失敗なく実施することと捉えていた傾向が強かったのだけど、イベントの場をインプットとするなら、すべてのイベントには、ゴール(目指す姿)つまり出すべきアウトプットがあると深く理解した瞬間でした。

イベントの目的には、仲良くなってもらう場、新しい知に触れる場、こちらの主張に共感して仲間になってもらう場、などいろいろある。そして、その目的を達成したかのアウトプットを可視化する手段の一つに、アンケートがある。しかし、アンケートはある意味で「よそゆきの声」になりがちで、本音はトイレトークにあるのではないか?って気が付いた。

男性の場合は横並びで「さっきのアレさ」と話すかもしれないし、女性の場合は手を洗いながら、化粧直しをしながら感想や気づきを語ることがある。その会話で、どんなことを話してもらったら「このイベントは成功と言えるのか?」を考え、そのために、企画と運営を落とし込んでいくのかを個別具体的に考えてることがイベントのゴール設計であり、推進していく醍醐味であると。トイレトークイメージを持つ癖をつけてから、ずいぶん仕事がしやすくなったな、と。

まあ、グダグダ書いたけど、知的な言い方をすると「解像度を上げる」って一言に収れんするんだけど(笑)

どうやって進めるか?

プロジェクトマネジメントの目標は、「効率的に業務を管理して、プロジェクトを成功に導き完了させる」こと。そのために「成果物の完成から逆算し、プロセスとタスクをブレイクダウンして、スケジューリングを行う」、「関係者に指示と案内を出しつつ、オーナーに進捗を報告する」が基本となる。そのためには、私はこんな感じで進めていきました。

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ちなみに、「目的をおさえる」が一番の肝。つまり、ここがズレるときつい、修正が難しい。だから、大型PJになるほど、しつこく決める、おさえる、言語化しておくことが大事だと痛感していました。(つまり、数々失敗してきた…)

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振り返りは反省ではなく、次回の設計図をつくること

とはいえ、どんなに設計しても事件は起きるし、改善点はでてくる。それをどうしていくか?のコツは、「振り返り」にある。

しかし、振り返りは反省ではなく、次回の設計図にしていくことが望ましい。あと、アンケートでのネガティブな声をどう解釈するか?も重要。

もちろん、お客様に最高の体験をしていただき満足してもらうためには、ご不便をおかけしたことはできるだけ改善したほうが良いのです。ただ、すべてのご要望に応えることが必須かといえば違う。なぜなら、イベントには「目的(ゴール設計)」がある。ゆえに、ネガティブな声=すべて解決すべきこと、ではない場合がある。大事なのは、「約束した価値」をきちんとお届けできたかどうか?だったりもするから、こんな視点でやってましたー。

虎の巻2

イベントは準備8割、ホスピタリテは余裕から生まれる

ちまちま言語化したのは、過去の自分が仕事の見通しが甘くて相当苦労したらです。あと、イベントの仕事って「問題なくできて当たり前」で、どこか褒められにくいことがある。なのに、事件が起きた時に怒られる傾向が強いのが悲しみでもあるのですよ。。(もちろん、ちゃんとオペレーションのむつかしさを理解してくださって、声をかけてくれるお客様にも数多く出会いました!!!)

あとは、「イベント=おもてなし」だから、当日のホスピタリティで挽回できるから、そんなに緻密に設計しなくてもいいのではないか?と言われることもある。

しかし、大きな声で言いたいが、プロでない限り「ホスピタリティは余裕から生まれる」と思う。だからこそ、準備8割。

しかも、規模が大きくなればなるほど、やるべきことは多いし、関係者が多いので複雑になる。しかも、当日の参加者や登壇者が想定通りに動いてくれるわけでもない。(←ほんと、これ)しかも、どんなに緻密に設計しても事件が起きる。残念ながら事件は起きる。(←大事なことなので、2回言う)

絶対に起きると致命的にまずいことを想定して、参加者のテンションから生じる参加者の動きを想定した導線設計などを分解して、スタッフの配置を行いゴールにむけて当日の動きを統合していくことを、10年以上やってしみじみ思ったのでした。

でも、イベントの醍醐味は、お客様が笑顔で帰ってくれることなので、いろいろあっても、最後は喜びが多いのですよね。(今は、リアルイベントが難しいけど、webイベントでも基本は結構同じなんじゃないかな、と思っています。)

最後まで読んでくださってありがとうございます。余裕があれば、「コンテンツ企画編」「コミュニケーション編」とかも書いてみようかな。

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