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Texas Instrumentsの決算について

Texas InstrumentsのQ3決算が発表になりました。

詳しい決算数値については他の方のTweetなどで詳細に報告されていますのでそちらに譲るとして、気になったことを書いておきたいと思います。決算発表後は株価は-3.5%と軟調に推移しています。

Intelの決算でアナログ半導体が不足しているのではないか?と書きましたが、そのアナログ半導体を製造しているうちの一つがこのTexas Instruments(TNX)になります。

今回の発表の中で"組み込み用半導体"が減少したと発表していますが、それを裏付けるように新型iPhoneの出荷台数も下方修正されています。 

今回のTexas Instrumentsの決算発表では以下のコメントが重要です。

”Lead times for the majority of our products remain stable, but hot spots continue to exist. However, customers are becoming more selective in their expedite requests, focusing on products that complete a “matched set” rather than expediting products across the board. This behavior is not specific to any product family, end market or geography”

Texas Instruments Q3 2021 Financial Resultsより引用


基盤上にそれぞれ必要な部品が乗っかった状態でないとiPhoneの完成品を販売できないわけですが、足りない部品の一つがTIの半導体だと言うわけです。iPhoneだけではありませんが、自動車用も含めて半導体のリードタイムはここ最近長期化しつつあり、あまり良い状態だとは言えません。代替調達も難しいわけですが、これについてはコロナ感染が縮小してきていても工場に労働者が以前のようにもどらないことや、さらに電力不足、輸送障害などの影響が出ており、それが ”hot spots continue to exist” ということだということです。

いよいよサプライチェーン障害が表面化し始めたかという印象で、予想通りの動きです。おそらく今年いっぱいはこういう状態が続くのではないかと思われます。来月Analog Devices(ADI)の決算発表がありますが、おそらく同じような影響が出てくるのではないでしょうか。