Weekly Quest 2021年5月10日号
毎週月曜日にWeekly Questと称し旬な話題を深く掘り下げて投資のヒントにしていければと思います。今月のテーマは自動運転についてです。
今月のテーマ 〜自動運転について〜
第二回目
前回の記事で自動運転の現状をざっくりと説明いたしました。自動運転の質を上げるためには何が必要なのかを見る前に、今回はどんな企業がコレに関連しているのか?を見ていきたいと思います。
○ハード編
自動運転関連と検索すれば色々な企業が大量にリストアップされていますが、ここでは特に重要と思われる企業を見ていきたいと思います。
自動運転をさせるのに最も重要な部品の一つはADC(アナログデジタルコンバータ)だと思います。そしてもう一つがDSP(デジタルシグナルプロセッサー)です。
当然ながら画像カメラやセンサーは自動運転には必需品ですが、カメラから得られる画像はアナログなんです。「え?デジタルじゃないの?デジタルカメラって言うじゃないか」と思いがちですが、カメラ内でアナログ画像をデジタル信号に変換して色々な半導体に渡しているだけなのです。ちなみに音声もアナログです。携帯の音声は携帯電話の中でデジタル変換され処理され、さらに再度耳で聞こえるようにアナログ変換されています。
ですのでこのADCとDSPの二つの半導体がなければ車の中のコンピューターは作動しませんので車は自動運転では動くことはできません。
この二つの半導体を製造しているのは米国のAnalog Devices(ティッカー:ADI)とTexas Instruments(ティッカー:TXN)になります。Texas Instrumentsについてはこのアナログ半導体関連で圧倒的なシェアを誇っており2位のADI以下の売上高を全て足してようやく互角になるぐらいの会社です。
こう言った部品は基盤に実装されておりパッケージ化されていますので普段目にすることが難しいですが、車載センサーやカメラがたくさん搭載されればされるほど需要が出てくることになります。
両社の株価を見てみます。
(CNBCより引用)
こういったアナログ半導体が集めた情報をデジタル信号として変換していわゆるCPUやGPUに渡してあげて初めてハンドルを切るとかブレーキを踏むなどの作業が可能になるのです。
ちなみに車載CPUやGPUではIntelやNvidiaはそんなに使われていません。消費電力が大きすぎることや熱対応に問題があるからです。ご存知のようにこれらは情報をやり取りするサーバー側で多く採用されています。
今回は自動運転のハードの部分で必要不可欠な部品を見てきました。来週はこういった部品をコントロールして自動運転を可能にするソフトを見ていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。