Weekly Quest　2021年5月3日号

今月から毎週月曜日にWeekly Questと称し旬な話題を深く掘り下げて投資のヒントにしていければと思います。今月のテーマは自動運転についてです。

今月のテーマ　〜自動運転について〜

最近では「自動運転」と言う言葉を見ない日はありません。これが実現されれば目の不自由な方や高齢者でもスムーズに目的地に行くことができたり、満員電車に乗らずに寝ているあいだに会社の前まで運んでくれる笑 という夢のような自動車であるというのは皆さんがご承知の通りです。最終的にはガソリン車ではなくEVで、シェアリングカーが一般的になると言われています。

昔よく見た海外ドラマで「ナイトライダー」という番組がありました。財閥が開発した ”キット” と呼ばれるAI搭載の自動運転自動車が数々の犯罪を主人公とともに解決していくという物語でした。自動車にSiriが搭載されたような感じでした。

ここに登場する ”キット” という自動車は「完全自動運転自動車」で今で言うレベル5（国土交通省の定義）に相当する自動車です。

ところで「自動運転」とよく言われていますが現状はどうなっているのでしょうか？

現在の状況はレベル3まで来ていると言われています。実際に高速道路でドライバーが承認すれば自動で追い越しをしてくれるとか、車間距離を自動で調整してくれると言った機能を搭載した車が出てきています。ただしこの自動機能（オートパイロット）を使うための色々な付帯条件がついており「条件付き自動運転自動車」と定義されています。メーカーではホンダが世界で初めてこのレベル3で国から認定を受けています。ホンダのレジェンドという自動車です。

しかしこのレベル3に認定されたレジェンドには色々な問題が出てきています。機械的な問題ではありません。「アルゴリズムをつかった学習のレベルが低い」ということに起因する事象ですが、以前にも書きましたが「天下一品事件」が有名です。

天下一品を「進入禁止」と誤認？

ホンダだけではありませんが日本の自動運転コンセプトの本質は「交通事故ゼロ社会の実現」というところにありますので、当然ですが自動運転においては道路交通法がすべてにまさるルールになりますのでこれを守らない自動車というのはあり得ません。

しかし人間の運転者は法を100％遵守していませんね？運転者でなくて歩行者であっても100％道路交通法をあなたは遵守していますか？「クルマきてないから赤だけど渡っちゃえ」とかありませんか？余談ですが私は通勤途中で堂々と信号を無視して横断歩道を渡っていくおっさんに毎朝遭遇しました。後日そのおっさんが孫を連れて歩いているのを見たことがありますが、その時は信号をきちんと守っていました笑

また高速道路を時速80kmで走っていますか？国道で制限速度をきちんと守って走っていますか？しかし自動運転では100％遵守するプログラムを作らなくてはなりません。

この人間の曖昧さとシステムの法律完全遵守との「ギャップ」をどうやって埋めるのかが問題です。

これには大量の画像データと高度なアルゴリズムを用いた機械学習解析プログラムがどうしても必要になります。はたしてどんな企業がこれを作れるのでしょうか？またホンダの場合これがうまく作動していると言えるのでしょうか？さらにこのプログラムを補助するのにどんなものが必要なのでしょうか？

これらが今後の自動運転の質を向上させるキーポイントになりますが、次週どういうことなのかを考えていくことにします。