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Weekly Quest 2021年5月24日号

毎週月曜日にWeekly Questと称し旬な話題を深く掘り下げて投資のヒントにしていければと思います。今月のテーマは自動運転についてです。

今月のテーマ 〜自動運転について〜


最終回

先週は自動運転に必要な画像認識ソフトウェアとそれに必要なデータにおいてGoogleの優位性について説明をいたしました。自動運転を行うためには大量の画像データや正確な位置データがなければ安全な運転はできません。

今回はこのGoogleが持っていないと思われる重要なデータについて触れたいと思います。

それはおそらく「事故の情報」です。車で走っているとよく「交通事故多発現場」などの看板を見かけますが、「交通事故多発地点」というデータは取り込むことができても詳細な内容についてはGoogleは知る術がないと思います。ネット上の記事や情報だけでは正確な内容までわかりません。

ところで日本の交通事故の情報を最も持っている会社はどこでしょうか?

それは日本の損害保険会社です。自動車を運転する際は必ず自賠責保険に加入しなければなりません。不幸にも交通事故に遭ったり、起こしてしまった場合に利用される保険ですが、保険会社には何十年にわたる事故データが記録されているはずです。このデータを活用することが安全な自動運転を可能にするわけです。

しかしこの種の情報は「個人情報」ですので、そのままデータとして売却することはできませんが「個人情報を削除した上での提供をすることがある」と保険会社の約款の最後の方に書いてありますね。

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(三井住友海上火災保険の約款より抜粋)

これを見ると個人情報をカットして提供できることになりますが、これは非常に重要なデータになります。

しかし、さすがのGoogleも日本の路地裏の交通事故情報までは把握できないでしょう?唯一不足している情報を得るには日本の会社のデータを利用するしかありません。

そのデータを使ってディープラーニングさせる際に個人情報は不要です。事故が起きた場所は当然ですが、発生した曜日、天候、時間帯などを学習させるとそれぞれの場所での運転方法の最適化も可能になります。

こういった情報を日本で一番大量に持っているのは一番大きな保険会社ですね。それは東京海上ホールディングス(8766)ではないでしょうか?

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自動運転に必要なデータ的にはこれでほぼ揃うのではないかと思っていますが、自動運転用OSの更新をいつやるのか?アップデートしたOSがちゃんと動くのか?OSを更新した場合他の関連ソフトのアップデートをどうするのか?などの問題があります。またいつまでも古いソフトを使っているとプログラムが動かなくなることは日常茶飯事ですね。これが車で起きたら大惨事です。こういった事を考えるとまだまだ実用化にはかなり時間がかかりそうです。自動運転関連銘柄と言われている銘柄への投資についてはコアな銘柄にすべきだと思います。

さてこれで今月のテーマの「自動運転について」はおしまいになります。いろいろツッコミどころ満載だと思いますが、Twitter経由でご指導を賜ればと思います。

第1回でご紹介したドラマ ”ナイトライダー” がAXNチャンネルで放送されています。レベル5の自動運転自動車なのにエピソード1では車内に電話がついていないことが判明 笑。公衆電話で電話しているうちに車が盗まれると言う物語で笑ってしまいました。Siriのようなコンピューターが搭載されている設定なのに電話がないんですよ。この時代にそう言う発想がなかったのか?と思いましたがエピソード4ぐらいから車内に電話機能が搭載されたみたいです笑)

来月の特集は「再生可能エネルギーの将来性と投資」についてです。

最後までお読みいただきありがとうございました。