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Weekly Quest 2021年8月23日号

毎週月曜日にWeekly Questと称し旬な話題を深く掘り下げて投資のヒントにしていければと思います。今月のテーマは「バイオテクノロジーと投資:認知症」についてです。

今月のテーマ 〜「バイオテクノロジーと投資:認知症」〜


愛用のiMacも修理完了でサクサク動くようになりました。引き続きWeekly Questで認知症を取り上げていきます。

ちなみに前回は認知症の中のアルツハイマー症について説明し治療薬として可能性のあるBiogenの「アデュカヌマブ」を紹介いたしました。FDA認可後の株価の状況を見ていくことにしましょう。


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(Tradingview.comより引用)

FDAの認可を受けて急騰した株価ですがその後大きく下落しています。これはFDAの認可についてFDAの諮問委員会からその承認プロセスについて疑問が出たことから大きく下落しています。またこれを受けて有力な病院がこの薬の不使用を表明したり保険会社が治療費の保健適用を見送るなどの悪材料が出たことが下落に拍車をかけました。

FDA諮問委員ら、バイオジェンとエーザイの認知症薬承認を非難

これに対し当然ですがBiogen側は反論しています。

バイオジェンが反論、アデュヘルム承認への批判は「著しい偽情報」
バイオジェンとエーザイ、「アデュヘルム」治験で認知低下遅らせる効果


7月30日まで米国で開催されたアルツハイマー病協会国際会議(AAIC2021)でも再びそのデータが発表されました。何か疑問があるなら即座に発表されているはずですがその後はFDAから特に反論が出ていません。

そもそも私はこの諮問委員会側の動きには少々疑問を持っています。”エビデンスが不十分”と言い出したら一連のコロナワクチンや治療薬の治験エビデンスについても同様な意見が出てきてしまうからです。また一度認可した薬を短期間でキャンセルすると今度はFDA自体の信頼が損なわれてしまうことになってしまいます。

今年のアデュカムマブの売上高は6500万ドルと予想されており現在の売上高の60%ぐらいに相当する額ですのでBiogenにとっては莫大な利益を生み出すことになります。現在のPERは27.4倍と加熱感もありません。

次回は認知症の ②脳血管性型 について考えていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。