マガジンのカバー画像

赤沼俊幸 短編小説集

7
私、赤沼俊幸が以前書いた短編小説を発表します。
運営しているクリエイター

#創作童話

【小説】夜空に夢を

二番目に完成したボリュームのある小説。ボリュームのあるものとしては初めて。元となる自作詩があり、それを発展させて書きました。確か、18、19歳ぐらいに書いた小説だったと思います。何か誤字などありましたら、ご指摘ください。(約18,134文字) --- 音のしない部屋で一人、ぼくは工作に励んでいた。 「おかあさん、ハサミない」 ペンギンとゴリラさんのシールが貼ってある四段の引き出しを次々と開けた。一番上は薬、二番目はインク、三番目はプラスチック、四番目はお母さんの匂い。  

【童話】さかあがり

確か初めて完成させることができた小説。書いたのは大学生ぐらいの頃。……ただ、小説といえるような内容ではないので、童話ということにしています。 --- 「それでは、みなさん。次はさかあがりをしてもらいましょう。じゃあ、スポーツが得意なしょうたくん。見本を見せてもらえますか」 「……先生、おなか痛いです」 「……しょうがないわね、そう。じゃあ、かずまくん。かわりに見本を見せてもらえますか」  かずまはくるりと、さかあがりをした。てつぼうを降りたかずまは、しょうたのほうを見て、