見出し画像

モテたい

生物学的なものだろうけれど、男には「モテたい」という欲求がある。女性にもあるだろうが、男の方がその欲求が強いように思う。
言うまでもないが、常に男は“モテたい病”にかかっているのである。物心ついた時から、そうである。

20歳の好青年が「これは治るのですか?」と、病院の診察室で真剣に聞いたとして、僕が医者なら「一生あなたはその病と戦わなければなりません。」と青年の目を見て答えるだろう。
モテたい病は、強く僕らに感染していて死ぬまで治すことができないのである。
だから、男の中でヒエラルキーが作られるとしたら、「ピラミッドの頂点=すげえモテてる奴」になることだってある。

学校ではモテたいから、走りは速くなりたいし、賢くなりたいし、カッコよくなりたいし、楽器を演奏できるようになりたいし、身長は伸ばしたいし、話も上手くなりたいのである。人生のどの段階でも、モテたいウイルスが僕らの体を動かす。そして、何か新しいことを始めるキッカケになったりもする。
モテるために男は生きていると言えば大袈裟だが、そんな側面があるような気もする。でも、それはなんだかすごく健全な気がする。
今日も世界中の男は、「みんなにモテたい」、「あの人に振り向いてほしい」、「男から羨ましがられたい」、「あの人に好きでいてもらいたい」など、様々な思いを抱えて過ごしているのだろう。

モテたい病は、僕らを空回りさせたり、僕らを知らない世界に連れて行ったり、僕らを振り回す。

好きになった人に好きになってもらうには、中身を良くするしかないという事実を、モテたいウイルスは、今日も手助けする。
モテたいという気持ちに、純粋に心を寄せてみれば、もう少し生きやすくなるのかもしれないとさえ思えてくる。
どこからか聞こえてくる気がした。
「モテたい。」

#エッセイ #恋愛 #大学生 #考察 #モテるとは #とは

いつも読んでいただきありがとうございます!☺️