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「企業内哲学者」が増えていくかもしれない


先週末、軽井沢に新しくできる予定の「風越(かざこし)学園」の説明会に行ってきました。2020年の4月開校予定の、幼稚園・小学校・中学校が一緒になった学校です。

こちらは風越学園のサイト。まだ準備中という感じです。

発起人はそれぞれ違ったバックグラウンドを持った3人の方々。

発起人は、元楽天副社長で「森のようちえん ぴっぴ」の保育者でもある本城慎之介さん。22年間、公立小学校教諭として既成概念にとらわれないさまざまな教育の実践に取り組んできた岩瀬直樹さん。「教育とは何か?」を追求し続け、『教育の力』等の著書で知られる教育哲学者・苫野一徳さんの3人。(greenzの記事より)

年齢がバラバラな異年齢のクラスで学ぶスタイルや、子どもが自分で興味を持ったテーマを探求できるような授業を実施するとのこと。うちの子はまだ1歳なのですが、これから通う学校の候補として、今後も注目していきたいと思いました。

私が特におもしろいなと思ったのは、発起人に「哲学者」が含まれているというところです。子育てに正解がない時代に、哲学を専門とする方が関わって一緒に考えていってくれるというのは、親として安心する要素になります。

そしてふと思ったのは、この「正解がない」という状況は、企業でも同じではないかということ。今の時代、ただ利益を追求すればいいわけではないし、技術的に可能でも実行するのは倫理的にどうなのかという問題もあります。働き方の変化やSNSでの評価など、気をつけるべきテーマも増えてきています。こういった課題について根本的なところから一緒に考えてくれる哲学者を必要としている経営者ってけっこういるのではないかな…と思って検索してみたら、やはりいるみたいです。

Googleでは2010年ごろから「企業内哲学者(in-house philosopher)」をおいているそう。最近のForbesの記事「なぜあなたのブランドに最高哲学責任者(CPO)が必要なのか」によると、シリコンバレーにはいくつか同じようなことをしている企業があるようです。

日本でもCPOを設けている企業はちらほらあるみたいです。例えば思想家の東浩紀さんをCPOにしているUEI。以下は2012年のリリースです。

創業者やボードメンバーに哲学者や哲学者的な起業家がいる企業は、これからの時代、長期的な発展を目指す時に強いような気がします。優秀なメンバーを引きつけるという意味においても。

「役に立たない」というイメージのある哲学ですが、一周回ってまた哲学者の時代が来るかもしれません。そんなことを感じた風越学園の説明会でした。発起人の苫野さんの本も読んでみようと思います。


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