吉本ばななさんに教えてもらう「自信」
沢山のことを頭でっかちに考えがちな私が
この本を読む度に感じる何かがある。
「違うこと」をしないこと。
それが本来の自分を生きる方法だという。
それは、力を入れずふっと流れみたいなものに
乗っていくような感じだという。
人は根本からは決して変わらない。
人生は多分生まれたときの状態に意図的にだんだん戻っていく旅だ。
そう、吉本ばななさんは言う。
自分が本当に感じていることを無視したままズルズルいくと
その先も自分の魂をリスペクトすることがどんどん難しくなり
自信がなくなっていくことにつながる。
確かに、色んな常識やしがらみにとらわれて、
違和感を感じながらすることがある。
そう行動していると、どんどんと
自分の軸がなくなっていくんだろうな。
それが長年の蓄積となれば言わずもがな。
では、そうやって失われがちな
自信を持つにはどうしたら良いのだろうか?
その答えになりそうなのがばななさんと
そのお父さんの会談でのシンプルな言葉だ。
「自信ってどうやって取り戻したらいいんですか」
「そんなの簡単です。今取り戻せばいいんです。今ここで」
そう言われたところで、ばななさん自身もすぐには分からなかったらしいのだけれど、だんだんと長い月日をかけて理解していったそうだ。
この表現が自信を「取り戻す」になっている
ことが味噌なのだとも思う。
きっと小さい頃には自分に正直であって
「違うこと」をしていない。
だからこそ自信があって、生きている。
けれど長年生きているうちにどこかで
「違うこと」をして自信を失っていくんだ。
自信を取り戻せば、違うことをしなくなるし
違うことをしなくなれば、自信を取り戻せる。
初めの設定を見つけて直せば
今ここでもできることなんだろう。
とは言うものの、私が今ここで自信を持つ
はやっぱり難しい気がする。
それでも、その可能性があると分かるだけでも
少し何かが変わる気がするのだ。
そして、もう一つ。
以下の文章にハッとさせられた。
人間の体はすごく厳密にできているから
本人が自覚してなくてもたぶん相当な
ところまでわかっているんでしょうね。
生きることって、体があってこそだし、
デジタル化、クラウド化なんかで、
思考という抽象概念ばかりが注目されていて
考えることと身体感覚を切り離して捉えがちだけれど
生きるってそれらをまるっと一体的に行うことだ。
だから、思考して、感情があって、それを
肉体が受け止めて、もしくは肉体が発して。
全部繋がっているんだろうなと。
日々忙しく仕事をして生活をして
息つく暇もなく過ごしていると
自分を生きるのではなくて
自分を見失って動いてしまっている。
きっとこれは私にとっては「違うこと」だ。
自分を生きることは難しい。
けれど、少しでも自分に正直に、
自信をもって、毎日を過ごしたいと思う。
そのために、私だけの違わないことを
指差し点検のように確かめながら
少しでも積み上げて行けますように。
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