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うつくしいまち(2023-4-21)

瀬戸内海に面したまちに住み始めて2週間。毎日、美しいものを見つけては感動しています。

連なる山々、たちのぼる霧、穏やかな海、瀬戸内海ならではの春の心地よい風、しっとりと降る雨、静まり返った日の出前のまち、夕方の赤く染まる海

都市人間になれないことを、受け入れ始めた。ほんとは都会で生き生きとしている人たちがちょっとだけ、うらやましかった。流行りのものを求めて買い物に行ったり、ライブに行ったり。世俗的な生活への憧れが捨てきれていなかったんだなぁ

でも、人工的でない、自然とうまく共存している土地や人にひかれる傾向にあることもわかってきた。人はちょっとでも気を抜くと、人間が生み出した莫大な力(目には見えないことが多い気がする)によって形成された環境に飲み込まれてしまう。私は常にそれに抗いたい。



最近、陶芸を始めた。そして、師匠ができた。私はその人の弟子になる。

その人は、自然への畏敬の念を忘れない。作陶に限らず、日々、自然の中で生み出されるきれいなものを追求し続けている。散って、道路の側溝に溜まった桜の花びらをうつくしいと言う人。

地球上では、私には想像もできないような悲痛なできごとが起きている。人の命が簡単に奪われ、自ら命を絶ってしまうのもいる。人の感情が存在する限り、止めようがない世界だ。それに気づいた時、小さく絶望した。

この人間がかたちづくった、絶望が絶えない世界をこれからも生きていくんだと思う。その絶望的な事実を飲み込むからこそ、「当たり前じゃない日常」を見ることができる。私の身の周りにあるささいな幸せが彩を持って、輝き、それを尊くする。

複雑に絡み合い、利害関係が相互している。慈悲と無慈悲。よくできた世界だ〜。

でも生き抜いていくためには、世の中で発生している全てを受け入れ、開き直る必要がある。その上で、地球に今私がいる奇跡とやらを見つめ続けていきたい。

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