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おすそわけ日記 275「ひとりの日」

今日は、朝から母が仕事で出かけている。

着物姿で出かける母を見送った後、身支度を整えないうちに、地震警報。パジャマ姿で枕とスマホとけろ達を握りしめ、「強い揺れに備えてください」と繰り返し口に出しながら、この家で一番安全な場所はどこだろうとウロウロ。

揺れがおさまった所で、急ぎ、母にメッセージを送り、安否の確認。母から折り返しの電話が来て、無事、仕事先に着いたとのこと。

「一人で怖かったでしょう、大丈夫?」

母の労りの言葉が胸に刺さり、電話を切った途端に嗚咽が漏れる。

すごく怖かった。

ふたりの時は、お母さんを守らなきゃと頑張れるけれど。ひとりになると、怖いことや出来ないことだらけになる。


先月、友人が家に遊びに来てくれた時、お酒を飲んだ母が、意識をなくした。

崩れ落ちる母の身体を私一人では支えきれず、友人が手伝ってくれ、パニックを起こした私の代わりに、119番に電話をかけてくれた。幸い、数分間で意識が戻り、救急車のお世話にはならずに済んだものの、今まであんなに怖い思いをしたことがない。

心配して私より涙を流した友人が、帰り際に「私たちも、もうそういう年になったんだよ」と言った時、子供の頃からずっと一緒に成長してきた友人の言葉だからこそ、深く心に染み入った。


私は、子供の頃からずっと母のマイペースっぷりにハラハラして来たので、最近は、まだ母の心配をしなくちゃいけないのかと云う怒りを持て余している。

一方で、ただ、母の笑顔が見られたらそれだけでいいと願う私も居る。

ひとりの日は、その天秤がどちらに傾くか、自分でもわからない。


今朝の地震の後の母の一言と、観音気功のレッスンのおかげで、今日は、少し頑張りたいなぁと思えた。

疲れて帰って来る母がすぐ夕飯を食べられる様に、出来合いのお惣菜を買おう。明日、買い物に行かないで済む様に、スーパーで食材を揃えておこう。

地震が怖かったし、スーパーに買い出しに行くのはとても苦手なのだけれど、母がきっと喜んでくれるから。

今日は、お母さんの笑顔が見たい、ひとりの日。



【今日の一枚】ひとり分の椅子とテープルを見かけると、ホッとする様な、寂しいような。これもまた、その日の心の在り方で感じ方が違います。

【#つづく日々に】のタグをつけて、日常で心ときめいたことを投稿中。日常のよろこびをみんなでシェアしあって、笑顔が増えたら嬉しいです。

今日もおつきあい頂いて、ありがとうございます。

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