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おすそわけ日記 92 「片時も目が離せない」

今日は「ながら」をやめてみた。

最近、ハマっている海外ドラマがあって、団欒と食事の時以外は、ついテレビをつけるようになった。

お気に入りの和風パフェを買いに行って、さぁ、一人でゆっくり味わうぞと思っても、ドラマに気が取られて、集中出来ない。

試しにテレビを消してみたら、パフェがいきなり美味しくなった。口に残る甘さも舌触りも、さっきとは比べ物にならないくらい、奥深くて複雑。

そうそう!初めて食べた時も、この味に感動したんだよ!

なのに、この間も他のことをしながら食べていたから、味が薄くなった気がしていた。あれは、パフェのせいじゃなくて、私のせいだったんだ。


パフェを食べ終えた頃には、ドラマの続きを見たいとは思わなくなっていて。

手で文字を書きたいと思って、葉書を書く。
お礼とやりたいことを伝えたいと思って、メールを打つ。

やりたいことを一つ終えると、その次にやりたいことが自然に浮かんで来る。余裕が出来て、窓の外にも目が行く。青空が広がっていて、気持ちがいい。

そうやって、やりたいことを続けていたら、突然、窓からの光が明るさを増したことに気づく。顔を向けると、さっきまでと、空の色が違う。

「もう、片時も目が離せないんだから。」

呟いて、立ち上がって、空の色を眺めにベランダに出る。地面に近い方の空が夕焼けに染まろうとしている。空の上の方は少し暗くなったのかな。雲はあの位置だったっけ。ドキドキしながら、ほんの少し前の記憶を舐めるように辿る。


「ながら」をやめたら、私自身と私を取り囲む世界が、次々に素敵な贈り物を差し出してくれた。

そんなに慌てて、一度にいっぱいやらなくても大丈夫。今、いちばんやりたいことだけ、まずやってみて。自分の気持ちに素直に大切にしていたら、次の贈り物がちゃんと用意されるから。

「空と同じように、私から片時も目を離さないで。」私の心がそう伝えてくれている。


【今日の一枚】茜に染まる前の空を撮りました。

今日もおつきあい頂いて、ありがとうございます。

毎日、書く歓びを感じていたい、書き続ける自分を信じていたいと願っています。