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おすそわけ日記 205「今日の特別感」

今日は世の中的に雛祭りで如月朔日、特別感のある一日だ。

我が家では、例年通りにお雛様を飾り、今年は何故かお雛様がよく目に止まり、ウキウキと、この日を待ちわびていた。勿論、雛祭りの歌も歌った。母と頓狂な合いの手を入れながら。

だが、私の今日の特別感はそこではない。

母がイトーヨーカドーで買って来た、ハーゲンダッツのアイス。

…に付いてきた、金のスプーン。これだ。

正直、生クリームと焼き菓子至上主義の私は、アイスに重きを置いていない。子供の頃の方がアイスをよく食べた。アイスを買うと付いて来た、木のスプーン。スプーンと云うか、もうヘラだと思うのだけれど。あの真っ平なフォルムが潔くて、あれで食べるとアイスが美味しくなる気がした。

そして、今。たまにハーゲンダッツのアイスを買っても、ゴミを出したくないのでスプーンは要りませんと断るのが常。木のスプーンの進化系の様な形が気になりつつも、グッと堪えて来た。

そんな私に、イトーヨーカドーの創業祭で売られるハーゲンダッツの五個入りパックに、なんと、金のスプーンが付いて来ると云う、驚愕の知らせが。それでも、アイス買うよりケーキの方がと思い悩んでいたら、母が「食べたかったから」とあっさりアイスを買って来た。

母と二人、胸を高鳴らせながらアイスの箱を開け「おお、金のスプーン!」と思わず声が出てしまう。チープなんだか豪華なんだかわからない、この感じ。

ソワソワしながら、金のスプーンでアイスを食べてみる。わぁ、アイスがいつもより美味しい。嬉しくなって、母にも一口食べてみてとスプーンを渡す。母も「美味しい…」だよね、だよね、そんな気がするよね。

金ピカで重い、スプーンの特別感。木のヘラから、ここまで成長したのかと感慨深い。大人になったんだね、スプーンも私も。

この五十余年、変わらずに私を見守ってくれているお雛様を眺めながら、スプーンに付いたアイスを舐めて、今日の特別感を味わっている。


【今日の一枚】ハーゲンダッツの金のスプーン。アイスがお好きな方の中では周知の存在だったようですが、私はまるで知りませんでした。アイス食べる時しか使わないと思うけれど、それはそれでまた。

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毎日、書く歓びを感じていたい、書き続ける自分を信じていたいと願っています。