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訃報から人生を考える

昨日、しばらく会っていない友人から連絡があった。
私の人生の中で一番お世話になり、何も出来ない私に沢山色々なことを教えてくださった神様みたいな方の訃報だった。
本当の神様になったんだ…と不謹慎にも考えた。

その方とは舞台活動を辞めてからもう20年くらいお会いしていないが、憧れの元タカラジェンヌの方なのでご本人のsnsや舞台関係の方々の発信で、ご活躍されていることは存じていた。

でも多分20年経った今、もしお逢いしても何も変わらず「久しぶり、元気で頑張ってる?」と男前に現れるんだろうなと推測される。

少し前に、舞台のお稽古中に倒れられて、その公演は降板されていたけれど、その後また退院されていたので元気になられたかと思っていたのだけれど、そうじゃなかったんだろな。

その方は私が一番宝塚に傾倒していた中学生の時、星組に在団してらして当時のベルばらでは近衛兵だったのをめちゃくちゃ覚えていたし、その他の作品でもたくさんの舞台を拝見していた。

宝塚に入れなくて未練たらたらの短大生だった当時の私は、たまたま通っていたダンスのお稽古にレッスンに来られいた彼女に、ひたすらに自分の思いの丈をぶちまけた。如何に私が宝塚が好きでめちゃくちゃ詳しくて、どんだけ入りたかったかを…。
たぶん例のベルばらの近衛兵の歌までご本人の前で披露したはず(笑)
今考えたら超迷惑なやつだったと思う。

でも彼女は嫌な顔一つせずにうんうんと聞いてくれた。
その時点で神なのに、東京修行を終えて帰って来た私に商業演劇の舞台へと導てくれたのも彼女である。

彼女は本当にストイックな方で、人にはめちゃくちゃ優しく自分にはめちゃくちゃ厳しい人だった。
そして一番印象的なのは、食べてるところをほぼ見たことがない。
楽屋でも見たことないし、お食事会や飲み会やパーティなどの時でも少し口にする程度でガツガツ食べてらっしゃるお姿は見たことがないのだ。
本当に霞を食べて生きているのか?と思っていた。

そんな彼女は毎朝欠かさず一通りのエクササイズをこなし絶対的なルーティーンをこなす人。きっとダラダラする事なんてないんだろうな。
今考えても本当にいろんな意味で超人だったなと思う。

世間一般とは逸脱した生き方だったのかもしれないが、生涯を通しての自分テーマが見える生きかたが本当に真似できない領域まで来ているなと。
でもそれが彼女の自然な姿。

人生の生き方に正解はないと思うし、世間一般の決まりなんて多数決の主観の塊だと思っている。

訃報を聞いてもなお、まだ私にいろんな事を教えてくれる彼女のパワー。
あの細い身体から出るエネルギーはどこから来て、今度はどこへ行くんだろう。

ありがとうございました…
ゆっくり休んで下さいね。





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