福井県の中堅企業、心臓病治療の技術を実用化の快挙!

嬉しいニュースだ。

心疾患ある世界の子供たちのために苦節10年「心臓修復パッチ」6月12日発売 福井経編など共同開発
福井市のニット生地メーカー「福井経編」などが開発を進めてきた、子供の心臓病の手術などで使う、心臓や血管の修復パッチの発売が決定し、27日、東京で記者会見が行われました。
          
会見には、心臓・血管の修復パッチを開発した福井経編の高木義秀(高ははしご高)社長、医療現場の知見を提供し開発に協力した大阪医科薬科大学の根本慎太郎教授、販売を担当する帝人グループら3者が臨みました。
 
福井経編の高木義秀社長は「苦節10年。なんて時間のかかる案件なのだろう。ただ、みんなの力のおかげで早くできたと自負している」と話しました。
 
生まれつき心臓に疾患を持つ子供の手術に使用する目的で開発された、心・血管修復パッチ「シンフォリウム」は、福井経編の編みの技術を応用して開発されました。修復パッチの開発は、2014年から3者共同で取り組み、2019年から臨床試験を実施し、それから4年後の2023年7月に厚生労働省から正式に承認が下り、いよいよ6月発売となります。開発から約10年かけ販売までこぎつけました。
  
この修復パッチ「シンフォリウム」は心臓にできた穴をふさいだり、血管を広げたりする際に使われます。従来の修復用パッチは伸長性がないため、子供の成長に合わせて再度手術をして、大きなパッチに付け替える必要がありました。
  
このほど開発されたシンフォリウムは、高度な経編技術で「吸収される糸」と「吸収されない糸」を編み込み、それを「吸収されるゼラチン膜」で覆っています。手術後、まずゼラチン膜が分解され、次に吸収される糸が徐々に分解されて体の組織に置き換わります。その一方、編み目がほどけることで吸収されない糸が骨格となって、心臓の成長に合わせて2倍の大きさに広がります。この修復パッチによって再手術を受けるリスクの低減が期待されています。
  
日々、心臓に疾患のある子供の手術を執刀し、今回、この修復パッチの開発を福井経編に持ち掛けた大阪医科薬科大学の根本慎太郎教授は「小児領域開発には誰も来ない。子供は少ないし、マーケットは小さい。ビジネスにならない。最初から聞く耳を持たない企業もたくさんいる。こういう状況をなんとか突破しないといけないと、福井経編と帝人が手を挙げてくれた」と感謝します。

福井テレビ

福井経編興業という会社は、福井県の中堅クラスの会社だ。帝人は巨大企業だが、中堅クラスの企業であっても、医療水準の向上に貢献できることが証明された。日本の中小・中堅企業は宝である。

デジタルで繊維製品を企画・製造できる技術に力を持つセーレンという会社も、福井県だ。こちらは東証プライムの大企業だが。福井県は繊維産業が強いらしい。ちなみに、このセーレンは、経営破綻したカネボウの一部事業を継承している。
※自虐ネタだが、カネボウは硬直した慶應閥人事も衰退の背景にあったとされる。

日本には、中小・中堅クラスの宝のような企業が山のようにある。それを忘れてはいけない。

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