01:紙の種類と違い | 印刷のぶっちゃけ話
はじめましてっ。
紙の印刷に関わって15年!ネット印刷会社で働いてるあかまつです。
印刷がもっと楽しくカンタンになる世界を目指して……。今回は印刷物にかかせない「紙」について、ぶっちゃけたいと思います。
- このnoteに書いていること -
1)「紙の種類の違い」を分かりやすく説明
2)【注意】同じ90kgでも実際の厚みは違う
3)オススメの紙の選びかた
4)基本的な「紙」の作りかた
どんな印刷会社のWebサイトにも紙の説明ページがあるんですが、難しい……。
「どの紙を選べばいいですか?」「マットコート紙ってどんな紙?」「紙の厚みがよくわからない……」と、お客様からのご質問でも多い【紙】に関する疑問。
個人的にも、これで失敗したことも多々あります。
印刷の【い】もわからないとき、営業マンのかたに「今回のパンフレット、『ミスター・ビー』で印刷しませんか?」と言われ「だれですか?それ」て返したのはいい思い出です。※Mr.Bっていう紙がある。
そんな失敗が世の中から消えてなくなるよう「紙の種類」「紙の選び方」を、どこまで簡単に説明できるかにチャレンジしてみます。
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「紙の種類の違い」を分かりやすく説明(したい)
印刷会社からの見積もりや、ネット印刷に書いている紙の種類の名前が専門用語で説明がないことも多いので、知識がないかたにとってわかりづらいんですよね。
紙の説明ページに画像があるものの……。
紙の写真並べても違いがわからへん問題……。
※ ちなみに上の画像は全部違う紙種です。
紙はコート紙・マットコート紙・上質紙という基本の3種類を覚えておけば安心です。
それぞれ、説明していきますと。
◦コート紙(塗工紙)
光沢感がある紙。
100%の確率でポストに入ってるチラシのなかにいる紙種。ジャンプの表紙はコート90kgの厚みで、この紙はポスティングチラシでも使われている。
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◦マットコート紙(塗工紙)
光沢感を抑えた紙。
目に見えない粒子の細かいやすりをかけたような加工が施されている。写真は光沢感を出しつつ、文字は落ち着いた風合いを出せる。高級感を表現でき、ホテルや美容室などで多く使われる紙種。
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◦上質紙(非塗工紙)
薬品を使わず、紙そのものの素材を生かした紙。つまりすっぴん。
オーガニック系のチラシや直接ボールペンなどを記入する際に向いてる。注意として、化粧をしていないために、印刷の仕上がりが画面より暗くなりがち。
※ちなみに私は「1色で刷られた不動産の中古物件チラシ」でこの紙以外見たことがない。
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繰り返しになりますが、この3種類の紙をわかっていれば、だいたい大丈夫。
見積もりに、これ以外の紙の種類だった場合でも「コート・マットコート・上質、どの種類の紙に似ていますか?」と質問すると、業者さんもわかりやすく答えてくれるはずです。
ちなみに、世の中にある印刷物を観察し触っては(この紙はコート系で180kgぐらいやな……)とか(この紙に、このデザインはないなぁ…ここは上質やろ)と心のなかでツッコミをいれるのが、印刷業界のヒトあるあるです。
なので、見たことがない紙に触れると興奮してしまいます。
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【注意】同じ90kgでも実際の厚みは違う。
コート90kgと上質90kg。このふたつの実際の厚みは異なります(紙の厚みは「kg」で表されます)。
この違いを解説してるページ見つからなかった。
……なんで?って感じですよね。
厚みが異なる理由は紙種の作られかたが異なるために生まれてしまう「厚みの差」なんです。
ざっくりすぎて、紙の業者さんに怒られそうな図解ですが。
コート紙は、化粧して光沢感を出すために圧力をかけて伸ばすから薄く、上質紙は、化粧しないため厚みを保ってるんですね。
さらに、マットコート紙は光の反射を防ぐため、ちょっとだけ傷をつけています。しっとり感があって個人的に一番好き。
※「そもそも「kg」ってなんだよ!?」という方はコチラで詳しく解説してます。
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オススメの紙の選びかた
で、結局なんの紙を選んだらいいねんって話ですよね。
私の場合、まず、こうざっくり説明します。
○ 安く作れて、ベタなチラシといえばコート90kg
○ 高級感ありつつ、オシャレに仕上げたいパンフレットならマットコート110kg、チラシならマットコート90kg
○ 紙の素材感を生かすなら上質紙(名刺でだいたい使われている紙は180kgか220kg)
○ ちなみに、コート紙90kgと上質90kgやったらちょっとコート紙のほうが薄いから気つけて
ここから、こだわりがあるかを聞いたりして、紙の種類と厚みをしぼっていきます。もっと詳しい紙に関する記事は過去にあげていますので、もっと知りたい方はぜひ。
あと、ほとんどのネット印刷会社は無料サンプルをもらえるので、まずは実際に紙を触ってみるのがオススメですね。
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基本的な「紙」の作りかた。
玄人向けな話ですが、紙の作り方も紹介します。
紙は、木のくず(パルプ)が原料。
それを煮て、漂白して、伸ばして、お化粧して、乾かす。どんな紙でもほとんどがこの作りかたです。
無料イラストを駆使して図解するとこんな感じ。
(紙の会社にも図解があるんですが、これまた難しいんですよね……)
※「お化粧」の工程がない紙もあり。
ちなみに、封筒などで使われているクラフト紙という茶色い紙ありますよね?
あの茶色は紙が作られる工程の「漂白」の際に白くせず、木の風合いを残したものなんです。個人的にはクラフト紙も好き……。
好き勝手に紙のことを書きました。
ちなみに私の昔話になってしまいますが、超高級店のパンフレットをめちゃくちゃ薄っぺらいコート紙で印刷して、上司にめちゃくちゃ怒られた過去を持っています。
そんな悲しい出来事が少しでも世の中から減ってくれたら……。
あかまつでした。
※Twitterでは1200いいね…めっちゃ拡散いただきました……(汗)読んでいただいたうえに、拡散していただいた皆様もありがとうございました!
****最後にお知らせです。
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どうお伝えしても宣伝になってしまい恐縮なんですが、キングプリンターズのサンプル請求にはむちゃくちゃ力いれてます。実際に世間で使われているデザインを意識したサンプルがめちゃくちゃ詰まってます。しかも、無料です。
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