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第1話「ヤバいやつ」


おれはとんでもないクズだ

プロローグのパチンコ負ける話、これは特別な出来事じゃなくて残念ながら俺にとってはごく普通の日常です。


一行目で大体の自己紹介は終わってますが
もう少しだけ書かせてもらうと
俺は40歳手前の男で中小企業の会社員
妻子あり  おこづかい月25000円

俺はこれまでの人生とにかく甘ったれで人に平気で嘘をつき裏切って
それでも「なんとかなる」「大丈夫」と自分に言い聞かせ 現実から目を背けてきた。

そんな思考が当たり前になって
いつからか罪の意識も病気の自覚もなく
どこか人としての感覚が麻痺していた。

ギャンブルで何百万も溶かし、自分勝手に好きなものを食べ、好きなことをしてきた。

そして現在、おれは誰にも言えない借金を抱え、何食わぬ顔で生活している。

家族や友人、会社の同僚
俺以外の皆は
俺がとんでもないドクズだとは知らず、
真っ当な人間だと信じ毎日を過ごしていることだろう。
よくある「あの人が...まさか」だ。

若い頃からかなり堕落した生活を続けていて
自分がクズであるという感覚に慣れてしまっているせいか、こんな状況にもかかわらずあまりストレスのない日々を悠々自適に過ごしていた。

しかし、最初は少しだけと思っていた借入が50万...100万...150万...と重なっていき
さすがに頭おかしいおれでもヤバイと思い始めた。

今まで大して気にもせず、毎月の支払いさえやってればという感じでカタチだけの返済を毎月していたわけだが
それは利息分である=借金が一生返せないということ
自分なりにシミュレーションしてみてやはりこのままでは非常にまずいわけで。

これまで何度も決心して何度も諦めたわけだが
今回こそは本気で

人間は変われる

ということを証明したい。

まずは借金を返済したい。

そして、大切な妻と子供を第一に
あらゆる事に心血を注ぎ幸せな人生にしたい。


ただ、これまでそれができてこなかったおれがそんな事を言っても信憑性は皆無だ。
無理に決まっている。


そこでおれは色々と考えた。
考えうる全てのことを。


そして それを忘れず怠らず実行する為に
実現に向けて進める為に

1番信用のならない自分の脳内だけで行動するのだけはダメだと。
これがまず確実に言える事。

とにかく、これが俺の第一歩だ。

つづく

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