【本29】管理しない会社がうまくいくワケ

マインドセットを変える。

それによって、見えてくるものが変わる。

そして、行動が変わる。

“自分の意志による行動”こそが大きな変化をもたらす。
誰かの役に立ちたいと思ってはいても、相手の目的に対して自分たちの努力がどんな影響をおよぼしているかを確認しなければ、いつまでたっても大事なことに気づかずに、結局相手の役に立たないままで終わってしまう。

独りよがりではなく、ほんとうに相手の役に立ちたいと思えば、それが相手にとってどんな影響を与えるかは、すごく大切なことだと思いました。


☆本の内容☆
「ものの見方」ならびに「他者との関係性」や「他者に対する責任の取り方」を根本的に変化させた時にこそ、人は大きく変わる。

○リーダーの視野を変える

問題は「人材」ではなく「リーダー」である。
組織の改善に必要なのは、問題のある人材を追い出すことではなく、彼らにやるべきことが見えるように手助けすること。
つまり、マインドセットをどう変えるか、ということ。
謙虚で優秀なリーダーは、指示するだけでなく部下自身にもやるべきことが分かるように導く。
状況を正確に理解できれば、部下たちはそれぞれが主体性と自発性を発揮するようになる。
それぞれが現状にふさわしいと考えたことを実行に移せば、リーダーの指示を単に実行するよりも状況に応じて刻一刻と変化するニーズに即座に対応できるような柔軟なチームが出来上がる。

相手が行動に移すためには、きちんと導いてあげることが必要。

○行動を変えるマインドセット

行動だけに着目してパフォーマンスの向上を目指そうとする行動ベースのアプローチは、行動とマインドセットの両方を変えることに着目した努力にくらべ、失敗する確率が圧倒的に高い。
マインドセットの変化には全く注目せずに、行動の変化のみを推し進める。
例えば部下や従業員に、土台となるマインドセットが定まらないまま、行動を変えるように促したとして、はたしてうまくいくだろうか?
社員が共通して持ち合わせているマインドセットを変えずに行動だけを変えようとしても、抵抗される。
彼らの“意志による”行動は、マインドセットを変えない限り起こりえない。
そして、この“自分の意志による行動”こそが大きな変化をもたらす。
マインドセットが変わると、人はそれまで思いつかなかったような考え方ができるようになり、行動し始める。

マインドセットが変わらなければ、行動が変わることはない。
人の考え方の部分であるマインドセットにいかに働きかけるか。

○保身より集団的成果に目を向ける

自分の利益だけを考える集団は行き詰まる。
要するに、組織もそこに属する人々も、みな内向きになると全てが行き詰ってしまうのだ。

会社での「自分の将来」しか頭にない状態、組織内における自分の立場とポストを守ることが、目標に取り組む強い動機となっているようなマインドセットでは、『自分の計画を進める選択肢』しか検討できない。(内向き思考)

よく見かける光景ですね。。

メンバーが一丸となって集団的成果に着目し始めると、彼らのマインドセットは外側を向く。
内向き思考では、人は「自分のためになるかどうか」を考えて行動する。
外向き思考では、「集団的成果が向上するかどうか」を考えて行動できるようになる。

自分にばかり目がいっている状態では、これ以上よくなることはないと思います。
外向きを意識して、行動していきたいですね!

○相手のニーズを考える

マインドセットが外向きになると、自分以外のものにも目を向け、自分にとって得か損かという狭い了見を超えた考え方ができる。
外向き思考では、他者のニーズや目的、課題を敏感に察知し、関心を持っている。
つまり、周りの人たちを“人”として見ている。
一方、内向き思考では、周りの人を“人”としてではなく、自分のために役立ってくれる“物”として見ている。

ついつい自分に目が向いてしまうけれど、もっともっと、自分以外のことに目を向けよう!

○落とし穴はどこにあるのか?

相手が何をしたか、あるいはしなかったか、自分のことをどれだけ親身になって考えてくれたか、あるいは批判的な目で見ていたか、それが関係を決めると思っている。
他者に関心を持たないと間違いに気づけなくなる。
周りに関心を向けなかったり、他人のことで心を動かさなくなったりすると、個人的にも社会的にも非常に大きな代償を払うことになる。
まわりに関心をもたないことで、自分を正当化していくようになるのだ。
人は、自分を正当化して道を間違えていく。
他人の欠点に注目することで、自分を正当化する。

自分を正当化して道を間違えていく。
耳が痛い言葉です。。
自分もそうなっていないか、常に自分に問いかけよう。

○ニセモノの外向き思考

「相手のため」と「自分のため」がすれ違うとき。
いつだって相手のためになる行動をとっていると思い、実際に自分では「外向きな人間」として振舞っている。
自分たちはちゃんと相手のために行動していると錯覚してしまうがその実、相手のニーズ、目的、課題には全く届いていない。
外向き思考とは、他者の仕事がうまくいくように手助けすること。

ニセモノの外向き、陥りやすい落とし穴ですね。
自分自身もホンモノの外向き志向を見失わないように意識しておくことを心がけます!
相手のニーズ、課題から始めること!

○外向き思考へ一歩踏み出す

外向き思考パターン
①相手のニーズ、目的、課題にしっかり目を向ける
②人の役に立つよう適切に努力する
③自分の仕事が相手に与えた結果を理解し、それについて責任を負う
①相手のニーズ、目的、課題にしっかり目を向ける
まわりの人の状況に目を向ける。
自分のチームが担当するパートをまず中央に記入する。
その周囲に、彼らの仕事が影響を与える人やグループの名前を書き出す。
それから、それらに対応するように外向きの矢印を書き、横に彼らのニーズ・目的・課題を書き出す。
各グループのメンバー全員が部屋中を歩き回り、自分の名前や誰かの名前を付け加えるダイアグラムはないか、追加すべき重要なニーズ・目的・課題がないかを確認する。
それぞれとの関係に照らして自分自身を正しく見つめることで、明確に周囲の人々を見ることができる。
必要なのは、ただ自分たち以外の人にも目を向けること。
外向き思考になったとたん、相手の状況に目を向けようという気持ちになり、自然ともっと相手の役に立つような方法を見つけたくなる。

自分と相手との関係は?
自分ができることで、相手のニーズが満たされるものは何か?

②人の役に立つよう適切に努力する
相手の役に立つよう適した努力をする。
本当に誰かの役に立つということは、ひとつの公式に当てはめられるものではない。

相手のニーズがわかったら、自分にできることをやるだけ。

③自分の仕事が相手に与えた結果を理解し、それについて責任を負う
相手に与えた影響を評価する。
「外向き思考で働く」ということは、自分がしたことだけでなく、それが相手にどんな影響を与えたかという「結果」にも責任をもつ必要がある。
「本当の望み」は満たされているか?
誰かの役に立ちたいと思ってはいても、相手の目的に対して自分たちの努力がどんな影響をおよぼしているかを確認しなければ、いつまでたっても大事なことに気づかずに、結局相手の役に立たないままで終わってしまう。

ニセモノの外向き思考に繋がってしまう。
自分が行動したことで、何が変わったか?
それは相手が求めているものか?
そうでなければ、どこを修正したら良いか?

○相手が変わるのを待っていてはいけない

『自分が関わっているかぎり、問題は自分にある』
組織の問題を考えるとき、意識的ではないにしろ、人はいとも簡単に自分を問題の外に置いてしまうのだ。
一人ひとりが自分も問題の一部であると積極的に意識しないかぎり、解決はしない。
障害となるのは、「自分が変わる前に相手に変わってほしい」と思ってしまう内向き思考だ。
経営陣は従業員が変わるのを待ち、従業員は経営陣が変わるのを待っている。
親は子どもに変化が起こるのを待ち、子どもは親に変化が起こるのを待っている。
夫婦は互いに相手が先に変わるのを待っている。
みんな待っているのだ。

自分が変わることは置いておいて、相手の足りない部分にばかり目がいってしまう。

相手に「わたし」のことを見て、「わたし」のことを考えてほしいと思っている。
つまり、「私の考え方」「私の目的」「私のニーズ」を知ってほしいのだ。
相手も同じことを求めているとは分かっているものの、自分を正当化するために、「わたし」はそれに抵抗している。

この考え方でいると、「責任は全て外側にある」「私のせいではない」と正当化し始める。
どんどん内向きになっていく。
まずは自分から。
相手にしてもらいたいと思うことを、自分から行動に移す。

○外向き思考は人を賢くする

これから外向き思考の文化を育てようとする会社は、社員が外向き思考へとうまく移行できるように導く必要がある。
つまり、たとえ相手が内向き思考のままであっても、自分は外向き思考で接するようにしなければならない。
やがて組織が変わっていけば、いつまでも内向き思考にしがみついているような人たちは、こうした組織には居られなくなるだろう。
内向き思考のままでは、彼ら自身のためにも、組織のためにも、顧客のためにもならないからだ。
外向き思考への変化は一夜にして起こるものではない。
たとえ変化が浸透したとしても、ときには気づかぬうちに内向き思考に戻ってしまうこともあるし、こちらがどんなに外向き思考で接しても、相手が内向き思考のまま、なかなか変わらない場合もある。
こうした変化はたいてい最初に変化を起こした人たちに影響されて浸透することが多いせいもあって、周囲が内向き思考でも、外向き思考を維持できる能力はきわめて重要だ。

自分は外向き思考で接する、と覚悟する。
気づかぬうちに内向きになってしまったとき、一緒に気づいてくれる仲間が近くにいてくれたら維持出来る能力は身につきやすくなると思う。

組織のなかでどの位置にいようとも、目標達成のために自分の役割を全うするという観点から、仕事を見直すことはできる。

○責任を与える

非常に多くのリーダーが、知らず知らずのうちにリーダーの役割を「管理」だと考えている。
ほとんどの組織で階層を分けて分業している。
決める部署と実行する部署、中心になる人とサポートする人、知識タイプと行動タイプ、操る人と操られる人。
この「管理する人」と「管理される人」という区別をいつまでたってもやめない組織は、「自己正当化と非難」であふれることになる。

「考える人」と「やる人」を分けることは、考えない人を育てているのと同じ。
自分で考える人を育てることが大事。

○システムを外向きに転換する

マインドセットを変化させるカギは、組織の目的、システム、方針、プロセスを、進んで見直そうとする意志にある。
もしも組織が従業員には外向き思考を命じながら、“管理する”ためにつくられたシステムやプロセスをいつまでも利用していたら、勝利するのはシステムとプロセスで、組織も顧客も従業員も株主もみな敗北する。

自分が外向きになるだけじゃなく、組織のシステムやプロセスも変えていく必要がある。
変えることで、外向き思考の人を育てることに繋がるんだと思います。

・職場でもっと役に立つために何ができるだろうか?
・家族の役に立つために何ができるだろうか?
・自分が知っている人、または知らない人の役に立つために何ができるだろうか?
・私に何ができるだろうか?
・そして他の人たちは、それを私にやらせてくれるだろうか?

外向き思考とは、生活のあらゆる場面で正直にこうした問いかけをする積極的な意志と、たとえ厄介なことでも実行に移そうとするエネルギーが結びついた状態だ。



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