赤石健太のススメ「シュガーマンのマーケティング30の法則」

伝説のダイレクト・マーケッターと呼ばれる「ジョセフ・シュガーマン」

今日は彼が日常生活の中で見つけ出した「マーケティングの法則」が非常にわかりやすく解説された1冊をご紹介します。

マーケティングに携わっている方はもちろん、そうでない方も思わず「なるほど！」と言いたくなるような法則が盛沢山です。

お客に購入を決意させる心理トリガー

心理トリガーはお客の心に訴えかけ、興味を抱かせ、購入を決断させます。

しかし、世の中の優秀なマーケターでも「心理トリガー」の存在を知らないケースが多いそうです。

この本ではそんな心理トリガーを30個ほど紹介しており、すべて身に着けることで、大きく売上に貢献することが可能になります。

日常で見つけた法則だからわかりやすい

マーケティングの本と聞くと、専門用語ばかりでむずかしいなど、ハードルが上がってしまう人もいるでしょう。

しかし「シュガーマンのマーケティング30の法則」は用語がわからなくても、内容がスッと頭に入ってくるような構成になっています。

シュガーマンが日常で体験したものをベースに「なぜその結果に至ったのか」を客観的に分析しており、マーケティング初心者から上級者まで楽しく読むことができるでしょう。

この本で語られる30の法則

では、実際どのような法則があるのか。この本で語られる心理トリガーをざっくりとご紹介します。

トリガー①一貫性の原理
トリガー②適切なアピールポイント
トリガー③顧客の特徴
トリガー④欠点の告知
トリガー⑤抵抗感の克服
トリガー⑥巻き込みとオーナーシップ
トリガー⑦誠実さ
トリガー⑧物語（ストーリー）
トリガー⑨権威
トリガー⑩お買い得感
トリガー⑪感覚
トリガー⑫理屈による正当化
トリガー⑬強欲
トリガー⑭信頼性・信ぴょう性
トリガー⑮満足の確約
トリガー⑯リンキング
トリガー⑰帰属欲求
トリガー⑱収集欲求
トリガー⑲切迫感
トリガー⑳限定
トリガー㉑単純明快さ
トリガー㉒罪悪感
トリガー㉓具体性
トリガー㉔親近感
トリガー㉕パターンニング
トリガー㉖期待感
トリガー㉗好奇心
トリガー㉘市場とのマッチング
トリガー㉙考えさせる力
トリガー㉚正直さ

このような心理トリガーが存在するのですが、パッと見ただけだとわかりにくいですよね。
いくつかピックアップして詳しく解説します。

トリガー①一貫性の原理

この法則はシュガーマンがアイスを購入するときに発見しました。

シュガーマンはチョコアイスにホイップをトッピングするのが大好き。

「チョコレートアイスにホイップを添えたものをください」

すると店員はこう答えます。

「それはシロップ抜きのチョコレートサンデーになります」

ちなみにサンデーは35セント、チョコサンデーは25セント。

ホイップひとつで10セントは当時のレートだとぼったくりレベルのようです。

シュガーマンは致し方なく、シロップ抜きのチョコサンデーで手を打ちます。そして、その後も好物を注文する度に、同じやり取りを経験をすることになり、徐々に嫌気がさしてしまいました。

しかし、突如転機が訪れます。

いつもの店員とのやり取りに辟易していたシュガーマンは「チョコレートアイスを」と単品で注文します。

しかし、店員が席を離れようとした瞬間に、

「やっぱりチョコアイスにホイップをつけて」

すると店員はただ一言、

「かしこまりました」

と答えたといいます。

そして運ばれてきたのは、シュガーマンが大好きなチョコアイスにホイップが添えられたもの。

しかも、値段はチョコアイス単品価格の25セント。

ただ今回たまたまかもしれないと思ったシュガーマンは、同じように注文を確定後に呼び止めて「ホイップ」追加を希望します。

結果はすべてチョコアイス単品価格で注文ができました。

注文の仕方で同じ商品の値段が変わったのはなぜか？

これこそが、

心理トリガー①「一貫性の原理」

によるものなのです。

ドミノピザの注文でも活かされている

店員が追加を認めたのは、すでに「チョコアイス」というオーダーを認めためであり、そのオーダーを守ろうとしたからだとシュガーマンは考えます。

この経験をダイレクトマーケティングに活かすと、

「購買決定を簡単にすること」が

お客様視点で、非常に重要であるという結論に至るのです。

そして、そこに合わせて「ついで買い」をさせることで、売上アップを狙うことができます。

一旦「買う」という行動を選択したら、お客はそれに沿った行動を取ろうとするからです！

最近ドミノピザをインターネットで頼むと、カートに入れたついでに「こちらもいかがですか」と言わんばかりにサイドメニューが表示されます。

「せっかくピザ頼むし、どうせならポテトも付けるか」

という流れが作れているわけですね！

このようにシュガーマンの心理トリガーは日常での不思議体験から導き出されていることが多いです。

そして、今では大手企業や勢いのあるベンチャー企業でも、取り入れられるようになっています。

ハンバーガー屋の「ご一緒にポテトとドリンクも付けますか」は有名です。

あなたが今後人の心を巧みに誘導し、売上を作りたいのであれば、まず最初に一読すべき本だと思いますよ！

では、今日はこのあたりで。