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《性加害問題を考察》 ジュリー社長動画の仕掛人 30年前からの罪

謝罪動画の黒幕は誰か 



ジィリー社長の謝罪動画の引き鉄となったのが、カウアンオカモトさんとジュリー社長の会談だと言われています。じつはこの会談、ジュリー社長側に同席者がいたことは明らかになっていますが、カウアンさん側にも同席者がいたのです。
 
カウアン側の同席者は著名人女性とジャーナリストを名乗る男性でした。
 
その同席者とは女性は東京新聞・望月イソコ氏。ジャーナリストは松谷創一郎氏だったのです。
 
一方でカウアンさんから、「ジュリー社長にはおばさんが同席していた」と言われた女性がいましたが。このかたがサニーサイドアップの次原 悦子(つぎはら えつこ)氏でした。次原さんは、サッカー中田英寿氏のマネジメントをしていたことで知られ、現在は国際PR協会(IPRA)の会長などを務める女性経営者。業界では有名人です。ジュリーさんと次原さんは、カウアンさんに「性被害は本当にあったのか?」などと、聞いたと言われています。


その後、例の謝罪動画を出すことになるのですが、なぜあんなに酷い内容のものになったのか。大きな理由の一つがジュリー社長が繊細なかたで、記者会見に耐えられないという判断があったとされています。また、性加害を認めよう、社長交代も、という議論もジャニーズ事務所内ではあったとされていますが、メディア担当として参加した次原さんや弁護士たちは、結局そのような最終判断を下さなかった。あまりに内容のない動画だったため、ジャニーズ事務所への批判はより一層高まったのは周知の通りです。

その意味では㏚の第一人者である次原さんがそれを許容したことは失敗である、本当の意味でのリスクコントロールの専門家ではなかったということになります。

一方でカウアンさんサイドの同伴者は、なぜ望月氏や松谷氏だったのか。
 
望月氏や松谷氏は、BBC報道後にジャニーズ批判を始めた人たちで、対談などを通じて親しくなったと言われています。不思議なことに望月さん、松谷さんは同席の事実について明かしていません。なえかはわかりません。松谷氏は17日のNHKクローズアップ現代にも出演してますが、第三者委員会を開くべきと一般論を語るだけで、会談内容には触れませんでした。
 
カウアン・オカモトさん(26)が17日、自身のツイッターを更新し、「パニック障害が再発してしまったので、しばらく休みます」と投稿しました。その原因はわかりませんが、外部から見て感じるのは周辺に恵まれていないのではないか? 変な大人ばかりにアドバイスを受けており、それはそれで心配でした。
 
例えば東京新聞望月イソコさんも、後乗っかりしてきた人物の一人です。望月さんが、ジャニー喜多川さんが生きているときに記事書いたのか? といえばノーです。それがBBC報道後にジャニーズについて語り始め、正義のふりをして東京新聞に記事を書きはじめた一人であり、有名になりたいがためとも捉えられる行動をし始めている。
彼女には前科があって、自分のスクープでもない森友学園問題でも大騒ぎをして名前を売りました。挙句の果てには、森友学園スクープを手掛けた記者という形でネットフリックス映画である「新聞記者」制作まで関わった。森友学園で不幸な結末を迎えた赤木さん遺族に、資料を返さないなどの不義理を続けたことはYouTubeでも紹介しました。
 
それはNHKのクロ現に出ていた松谷創一郎氏も同じです。

「松谷氏はスマップ解散のときは批判をしていましたが、それはあくまでもファン向けのコメントだったと業界では捉えられています。今回は性加害の問題であり、それを長く追及したのか。メリーさんが健在のときに、彼が性加害についての問題提起をしてきたかというと、そうではなかった。どうしても一転、いまジャニーズ事務所性加害問題の糾弾を始めたという印象は拭えません」(芸能記者)

こうした識者の振る舞いは、つまりは関ヶ原の闘いで様子見をしていた武将と同じです。長く文春が報じてきて彼女らが知らない訳がない。形勢を見て、後乗っかりでジャーナリストぶろう、勝馬に乗ろうとしている人たちでしかない。

百歩譲って批判の声をあげるのは良いとして、それでは、過去に、ジャニーズ問題で独自(スクープ)記事を書いたのですか? ということが望月さんらはわれる訳です。
 
カウアンさんと対談した、たかまつなな、さんも同じ匂いを感じます。ジャーナリストを名乗ってますが、NHKを数年で退職した人で記者経験といえるほどのものはない。正義ぶるが、やってることはスクープを書くというジャーナリズムではなく、コメンテーターのそれです。
 
また、カウアンさんの周りには、立花たかしさん、青汁王子、ガーシーと言った人々がいました。この3人は事実にもを言うと、みな執行猶予や国際手配が付いた人たちです。
 
また、ダメグループとして知られる立憲民主党もカウアンさんに群がりました。
 
追及することは悪いことではないですが、顔ぶれが良くない。ある意味パンチの効きすぎた大人にカウアンさんは囲まれ過ぎてしまった、ということが外形的には言えるでしょう。
 
こうしたパンチの効いた大人が出てくる余地を産んでしまったのが、大手メディアの忖度だったということは確実に言えるわけです。
 
大手メディアが少なくとも、性加害が認定した裁判時に報じていればカウアンさんは被害者とならずに済んだ。だが、大手メディアが批判を封印してしまったがゆえに、ジャニーズ問題をしたり顔で語り、あたかも正義のように振舞う人たちの台頭を許してしまった。そういう意味では大手メディアは2つの問題を生んだといえる。
 
報道しなかった罪と、アンチマスコミ・有名になりたい人に発言力を与えてしまった、という問題を生んだわけです。
 
新聞テレビはまずはアリバイ的に報道をしましたが、今後どう報道していくかが問われていく。
 
望月さんや松谷さんが、どう振舞うかも注視していかなければなりません。
 
継続的にキャンペーンを張り、事態を動かしてこそ初めて責務を果たすことになると、僕は考えてます。
 
僕たちも含めた記者は、なぜマスゴミと呼ばれるのか、深く反省を改善していかなければいけないのだと思います。
 
 

戦後類を見ない犯罪だったのではないか

 
 
ある芸能記者から一冊の本を読むように言われました。それは、「ジャニーズの逆襲」という一冊です。著者は「ジャニーズ著」となっています。

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ジャニーズ本としては「光ゲンジへ」の著者である北公次氏が有名ですが、この一冊もジャニーズ問題をする上では欠かせない一冊であり、30年前に発売されていた原点とも言える本なのです。
 
本紹介欄にはこうあります。
「ジャニーズ事務所の少年たちはいつも明るく跳びはね踊りまくり、笑顔を振りまいているが、少年たちの眼はどれもほとんど同じように遠くを見詰めている。何かを訴えるその眼。賢明なフアンならもう見破っていることでしょう。それは何が原因であるのか…。そんな少年たちの大先輩にあたる私には、彼らの痛みがひしひしと伝わってきて、もう傍観者ではいられなくなってしまいました。私の30年間、自ら体験した真実、ジャニーズ事務所のすべてを、本書で告白します」
 
元ジャニーズ(グループ名)の中谷良氏の告発本で出版は89年、文春でキャンペーンがはじまる10年前にセクハラや待遇の問題に言及していた。いまBBCが動いて騒ぎになっているがジャニーの生前、30年以上前から問題視されてきたことなのです。

本の表紙は筋骨隆々のジャニー氏で、晩年のそれとはまったく違います。この表紙の時代のジャニー氏が、少年に迫っていた訳ですから、少年にとっては恐ろしい現実だったはずです。

北公次氏の告発本も結局黙殺されてしましました。同じように中谷氏が書いた同著も歴史の闇に埋もれてしまいました。多くのマスコミが取り合わなかった。

彼はあとがきでこう書いています。
 
《我々の懐かしい青春時代のもうひとつの名前であった『ジャニーズ』 。それを使いながら、裏では好き放題に悪事を重ねられていたのでは、私も腹立たしくてなりません。 マスコミの方々、強い者にはなかなか逆らえないのもわかりますが。いたいけな少年がもうこれ以上被害を受けないように、芸能界がこれ以上荒まないように、これを社会問題として取り上げて欲しいと思います。 これまで囁かれてきた以上の恐ろしい事態を生み出さないためにも……。》

同書では中谷氏はトラウマに悩まされ薬物に走ったこともあったという告白もあります。ジャニーズに薬物問題が多いこと、女性問題も含めてトラブルが多いことを予見させるような言葉です。少年時代の歪んだ経験が、その後の人格形成に大きな影響を及ぼすであろうことは容易に想像できます。その意味でも。ジャニーズの闇の本質というものを改めて教えてくれる一冊となっています。
 
正直言って、戦後類を見ないほどの犯罪行為がジャニーズ事務所で行われていたということが、この一冊からは浮かび上がってくると言えるでしょう。少年野球の監督が、何人もの少年に性加害を加えていたという事実が発覚すれば即逮捕案件です。それが芸能事務所で成功することによって、聖域化され、性加害が闇に葬られてきた。被害者の数は、まだ全容が明らかになっていませんが、少なくとも数百、ジャニーズ事務所の設立は1975年ということを考えるともしかしたらもっと多くの被害者がいる可能性もあります。

中谷氏が被害にあってから50年近い年月が経ち、はじめて性加害問題が公のものとなりました。BBCが報じたことで、後に 朝日新聞が大きく報じ、NHKがクローズアップ現代で特集することにもなりました。

では、これからジャニーズ事務所はどうなっていくのか?
 
予測されるシナリオの1つが社長交代です。

恐らくこれからジャニーズタレントを起用するCM企業への圧力が増していくはずです。特にグローバル企業においては、性加害に深く関与していた芸能事務所のタレントを使うことは、BBCで報道されたいま世界基準で問題になる。


国内企業であっても、多くの視聴者が嫌悪感を示しているいま無視はできないでしょう。

企業サイドとしては、ジャニーズタレントを起用するにあたり、ジャニーズ事務所に対して性加害問題について何らかのケジメをつけることを求めて行くことになるはずです。そうなると、社長交代が最もわかりやすいケジメとなるのではないでしょうか。ただ社長交代する場合にも、性加害の実態調査を公表することとセットであるべきだ、と個人的には思います

少年隊の東山氏は「社名変更も」と話しましたが、逆の意味で考えるとジャニーズ事務所存続も難しい局面もあるかもしれません。何百人以上の性加害が存在するなかで、その犠牲の上に成功した企業が許されるのかという問題はどうしても出てきます。


数か月前には最大のエンターテイメント企業であったジャニーズ事務所が、ここまで窮地に追い込まれるというのは、いま大きな時代の変わり目に差し掛かっているということの象徴なのかもしれません。

芸能はその昔は確かに人権のない時代が続いていました。例えば画家エドガー・ドガが1800年代に書いた「舞台の踊り子」という作品が、当時の芸能の影を描きだしていたともいわれています。その絵には、舞台で少女が踊っている様子が描かれていますが、舞台後ろに黒い服の男性が描かれている。彼らはパトロンで、当時踊り子たちはこういった男性に支配されていたといいます。つまり近代前は、タレントがパトロンに支配されていた時代もあったのです。
 
しかし、いまは19世紀ではなく21世紀です。江戸時代でも中世でもなり。現代においてタレントを事務所が支配するような人権を無視した行為は許されないし、ましてや未成年に性加害を加えるという行為は重大犯罪でしかない。

そのことをジャニーズ事務所および、テレビも認識せざる得ない局面に入った、ということなのです。
 
2019年にジャニー喜多川氏が亡くなったとき。文春編集部では訃報のなかで、ジャニー氏の性被害について書きました。

しかしそれが追及されることはなく、当時は美談報道が溢れました。お別れの会で故安倍晋三首相が弔辞を読みました。それは政治、メディア、経済、芸能でサンクチュアリが築かれていたことを意味しており、サンクチュアリ、つまり聖域のなかで性加害もしくは性犯罪は無いものとされていたのです。それから4年を経てサンクチュアリが崩れた。
 
闇と共存していくのか、はたまた犯罪のない芸能界にしていくのか。パンドラの箱が開いたいま、性加害の実態の全てを吐き出すまでは、新しい希望は見出すことはできないのではないか、と個人的には考えています。
(了)


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